カルキュレイション ワールド 46頁
ノベア地方に舟を進める禅輝の舟とヒバナの舟
今までの経緯を話し終える禅輝
(蒼)「…それは酷い話ね」
(キャミィ)「どおりで鼠兵が森から戻ってきたワケね」
ヒバナの舟に乗るキャミィも納得した
(八戒)「私もフドウ様の仇を鼠王に成すまでは死ねん‼︎」
蒼葉と禅輝の間で横たわる八戒
(禅)「お前は足の怪我の治療に専念してな、後は任せとけ!」
禅輝が八戒に言う
(ヒバナ)「兄貴達‼︎ノベア地方が見えたヒノ‼︎」
禅輝達は順調に航路を進み砂浜へ上陸を済ませた
(禅)「よしッ‼︎待ってろよハツネ‼︎」
禅輝は指を鳴らし再び八戒を肩に担ぎ走り出した
(蒼)「あっ!待ちなさい禅輝‼︎」
(ヒバナ)「兄貴達ー‼︎置いてかないでヒノー‼︎」
キャミィは既に禅輝と並列して走っていた
城の裏門へと向かう道を走りながらキャミィが禅輝に聞いた
(キャミィ)「禅輝、どうして八戒を連れて来たんだ?足を怪我してちゃハツネとも戦え無いじゃない」
(禅)「あぁ、けどよあのまま置いてきたら鼠兵達に捕まっちまうし、仇を討つってうるせぇからよ、とりあえず連れて来た」
(八戒)「禅輝とやら、心遣い感謝致す!たとえまともに動けずとも刺し違えてでもハツネを討つ覚悟だ‼︎」
(蒼)「けど禅輝、ハツネを討ったらあたし達の帰れる望みの綱が無くなるわよ⁉︎」
蒼葉が背後から話す
(禅)「大丈夫だ!他にあてがあるからよ!」
(蒼)「⁇」
蒼葉が疑問に思う表情をした
(ヒバナ)「裏門だヒノ‼︎」
禅輝達は裏門へ到着した
(禅)「よし、ここからは八戒歩けるか?」
(八戒)「これしきの怪我たいした事ッ…‼︎」
八戒は地面に倒れた
(禅)「おい⁉︎大丈夫か⁉︎」
禅輝が八戒に触る
(禅)「うわッ!すげぇ身体があちぃぞ‼︎」
(八戒)「ハァ…ハァ…」
息を切らす八戒
(キャミィ)「きっと撃たれた傷が原因ね」
(ヒバナ)「急いでオイラの家に運ぶヒノッ‼︎」
(禅)「おう!」
禅輝は再び八戒を担ぎヒバナ邸へと向かった
ーーヒバナ邸・医務室ーー
ベッドで足の治療を受けながらうなだれる八戒
(八戒)「うっ…ハァ…ハァ…」
その苦しむ八戒の姿を見て禅輝の怒りが湧き上がる
(禅)「ヒバナ、蒼葉、八戒の看病を頼む」
(蒼)「えぇ…わかったわ」
禅輝はヒバナ邸を出た
キャミィは外にいた
(キャミィ)「行くのね」
(禅)「あぁ…」
禅輝とキャミィでハツネの城へと向かった