カルキュレイション ワールド 44頁
禅輝の拳を喰らうハッカ
(ハッカ)「グォォォォオッ‼︎………」
叫びと共に消滅するハッカ
(禅)「ハァ…ハァ…ハァ…フドウのおっさん大丈夫か⁉︎」
呼吸を整えデータ分解していくフドウに近寄る禅輝
(フドウ)「その力…イマクニを訪ねろ……この国…家族を……八戒を頼んだ…」
霞んだ瞳で禅輝を見つめ消えていった
(八戒)「フドウ様ーーッ‼︎」
倒れながら叫ぶ八戒
禅輝は拳を強く握り締め歯を食い縛る
(禅)「八戒!ここから最短でカトレア海岸にはどう行けばいい!!」
(八戒)「…この遺跡の傍に渓流がある、筏で下るのが最短だが、なぜだ?」
禅輝は八戒を肩に担ぎ
(禅)「ハツネをぶっ飛ばしに行く!」
ーーカトレア海岸ーー
蒼葉とヒバナはソワソワ落ち着かない様子だった
(キャミィ)「お前達少しは落ち着け!」
(蒼)「だってアンタも見たでしょ⁉︎禅輝の向かった方角から、あの巨大な火柱!絶対なにかあったわよ‼︎」
(ヒバナ)「兄貴…」
その時猪兵の声が響く
(猪兵)「おい!何があった⁉︎」
森の中から消えかけの拠点鼠兵が現れる
群がる猪兵と鼠兵
(鼠兵暗躍部隊)「遺跡にて猪王軍の敗北を確認…‼︎我々鼠王軍の勝利だ…‼︎」
(チン)「まさか…フドウ様が…」
消え行く鼠兵の声を聞き落胆する猪兵達
(鼠兵拠点部隊)「直ちにこの〝カトレア海岸〟と〝ポング村〟〝ボルブドゥール遺跡〟の統治に掛かるぞ‼︎」
活気付き慌しくなる鼠兵達
(蒼)「どぉいう事⁉︎まさか禅輝が倒したの⁉︎」
(ヒバナ)「兄貴すげーヒノッ‼︎」
(キャミィ)「…」
〝ガサガサガサッ〟
茂みが動く
(蒼)「今度は何よ⁉︎」
身構える蒼葉達
〝バサッ〟
茂みからは八戒を担ぐ禅輝が飛び出してきた
(禅)「クソッ‼︎なんで獣道なんだよ‼︎船着場はあったのによ⁉︎」
(八戒)「すまんな、長らく使っていなくてな」
(蒼)「あっ⁉︎禅輝!」
(禅)「おぉ⁉︎お前ら良いタイミングだ‼︎先行くぞ‼︎」
禅輝は通り過ぎ浜への階段を下りていく
(蒼)「何がどぉなってんのよ⁉︎」
困惑する蒼葉
(キャミィ)「追うよ‼︎」
キャミィが走り出す
(蒼)「もぅ‼︎意味わかんない‼︎待ちなさいよ‼︎」
蒼葉とヒバナも走り出した
ーー隣国ランドック城ーー
城の廊下を慌てて走る柴犬兵
玉間に着き姿勢を低くし玉座に座る体格の良い彫りの深い人間に話す
(柴犬兵)「ほッ、報告‼︎イマクニ様ッ‼︎隣国猪王の領土に潜り込ませている偵察隊の情報によりますと、本拠地ボルブドゥール遺跡にて鼠王軍の兵が〝猪王フドウ〟を倒し、カトレア海岸より統治が完了したとの報告が入りました‼︎」
(犬王イマクニ)「ほぉ〜あの鼠が〝赤踏〟を…ならば直ちに三千の兵を向かわせ猪王の領土を戴く!鼠の成長は叩いておかねばな…急げ‼︎」
(柴犬兵)「ハッ‼︎直ちに取り掛かります‼︎」
犬兵は直ぐさま玉間を出た
犬王は難しい顔をしていた
(犬王イマクニ)「(肌に感じたあの力…一体…)…
ドベル‼︎直ちに道場に居るガウルとノベア地方のメープルとラニアンに連絡し前後方からの鼠王挟み討ちを開始すると伝えろ‼︎」
(ドベル)「戦ですねェ!了解!腕が鳴るぜ‼︎」
気合いの入るドベル
犬王は側の犬兵に指示を出し頭を抱えた