カルキュレイション ワールド 40頁
蒼葉達は猪兵との激しい攻防戦が続いていた
(蒼)「ったく!こんな時に禅輝は何処行ったのよ!」
(ヒバナ)「まさかやられちゃったヒノか⁉︎」
(キャミィ)「んなワケ無いでしょ‼︎アンタ達無駄口叩いて無いで一匹でも多く倒しなさい‼︎」
キャミィに槍を突き出す猪兵
(キャミィ)「ヨッ!瞬影爪!」
槍を躱し技を当てる
蒼葉とヒバナも弓や炎で応戦する
(猪兵部隊長)「こざかしい…たかが人間如きに手こずるな‼︎どんどん攻め立てろ‼︎」
部隊長が鼓舞する
その時猪兵達目掛けて拠点統治班の投石が始まった
(猪兵達)「グオッ‼︎」「ヴフッ‼︎」
次々と倒れる猪兵達
部隊長に報告を告げに来る猪兵
(猪兵C)「報告します!敵の増援が来たようです!このままではこちら側の守備が持ちません‼︎」
(猪兵部隊長)「クソッ‼︎このままでは八戒様が到着前にここが陥落してしまう…」
その時
(禅)「やめろーーーッ‼︎」
禅輝が若い猪兵を人質に現れた
その声に戦場の動きが止まる
(ヒバナ)「兄貴〜ッ‼︎」
(蒼)「何やってたのよ⁉︎」
(禅)「おい!部隊長さんよ!こいつがどうなっても良いのか⁉︎」
その問いに戸惑う猪兵達
(猪兵C)「隊長!あれは弟様の〝プン〟様では⁉︎」
(猪兵部隊長)「あのバカ者…もはや、ここまでか…」
部隊長が諦めかけた時
八戒の率いる増援が到着した
(八戒)「皆!遅れてすまない‼︎」
猪に跨がり薙刀を片手にマントを棚引かせ手綱を握る精悍な顔立ちの八戒
(八戒)「チン!遅れてすまなかった、まさか人間がいるとは聞いていたが、ここまでだとは…」
部隊長と話をする八戒
(チン)「八戒様、申し訳ございません!私の弟のプンが人質にあい、手出しが出来ずにいるのです…」
(八戒)「うーん…」
暫く考える八戒
(八戒)「要求はなんだ人間?人質などを取り、わざわざ戦いを止め…それを察するに、この地を略奪しようという意思は見られないが…」
(禅)「ようやく話の通じる奴が来たか、アンタの言う通りだ、話が早いな…アンタが猪王か?」
(八戒)「いや、残念だが私はこの村〝カトレア〟と、隣村の〝ポング〟を猪王様から統治を任されている八戒だ」
(禅)「そうか…悪かったな、行きな」
そう言って禅輝は〝プン〟を解放した
(八戒)「ー⁉︎」
そして禅輝はその場にあぐらをかいて座り込んだ
(八戒)「どういうつもりだ?」
(禅)「俺達は戦争しに来たワケじゃねぇ」
禅輝は真っ直ぐに八戒の目を見る
(八戒)「…⁇では、なにしに来た?」
(禅)「猪王に会わせろ…話がしたい」
禅輝の瞳は一心に八戒の眼に訴えていた




