カルキュレイション ワールド 32頁
歩きながらヒバナはこの城について話す
(ヒバナ)「ここは諜報部隊や戦闘部隊、偵察部隊、補給部隊など様々な部隊を育てる為の訓練施設が備わっていて、その候補生が毎日辛い訓練を受けて生活してるヒノ」
(禅)「訓練学校みたいなもんか」
(ヒバナ)「学校なんて優しいもんじゃないヒノ、一人前になって部隊に配属するまで毎日〝地獄の灼熱部屋〟や〝極寒冷却部屋〟〝針の床部屋〟〝巨大丸太打ちつけ部屋〟など色んな部屋で属性や忍耐力、精神力を毎日、毎日、毎日、毎日、鍛えるヒノ、当然中には死んでしまう仲間もいたヒノ…」
(蒼)「酷い環境ね…」
通路の先にボロボロで汚れた姿の鼠がこちらに気付く
(チュー太)「ヒバナさんッスよね?」
(ヒバナ)「〝チュー太〟ヒノか⁉︎」
(チュー太)「お久しぶりッス、進化したんスね!お元気そうでなによりッス!」
(ヒバナ)「チュー太…まだ配属は決まらないヒノか?」
(チュー太)「なかなか試験に合格できなくて…」
(ヒバナ)「早くしないと死んじゃうヒノよ‼︎」
(チュー太)「ハハハッ…それより先を急いで下さいッス、〝ハツネ様〟に怒られるッスよ、入国はすでに伝わっているはずッス」
(ヒバナ)「そうヒノね、チュー太も頑張って早く部隊に配属されるヒノよ」
ヒバナ達はチュー太と別れ急ぎ足で進むと立派な扉が現れた
(ヒバナ)「諜報ナンバーNe23ヒバナ!只今到着致しました」
扉の前で呼称する
(ハツネ)「入れ!」
部屋の中から返事が来る
ヒバナ達は扉を開け中に入る
(ハツネ)「遅い‼︎とっとと牛王の領土について報告しろ‼︎」
部屋には高価な装飾で飾られておりその真ん中の机ではお金を数える片眼鏡をつけた太った鼠がいた
ヒバナ達は机の前まで足を運ぶ
(ハツネ)「簡潔に説明しろ」
(ヒバナ)「はい、牛王の領土は犬王の派遣護衛組織弐部隊No.6所属のガウル殿とこちらの人間、黒…」
(ハツネ)「えぇぇい‼︎簡潔に話せ‼︎」
ハツネはお金を数えながら声を荒げた
(ヒバナ)「はい‼︎牛王の領土は犬王の領土に統治されました‼︎」
(ハツネ)「通りで護衛の犬が居ないワケだ…まったく、ダラダラと話おって…だがこれで我が国の前方領土は同盟国により安泰、残るは後方…」
チラッとハツネはヒバナと禅輝達を見た
(ハツネ)「ヒバナ‼︎此度の任務ご苦労だった、更に上等な知らせを持ち帰ってきた事とあわせ、貴様に褒美をくれてやる!」
(ヒバナ)「ハッ!有難きお言葉‼︎」
ヒバナ身を低くする
(ハツネ)「貴様を〝イウン地方カトレア海岸侵攻作戦全権隊長〟と認め昇格させる!」
その瞬間ヒバナの顔は青ざめた
(ヒバナ)「……」




