カルキュレイション ワールド 28頁
今の状況を理解する禅輝
(禅)「なるほど、迷惑かけたな…ありがとな!」
禅輝は改めて階段の上から戦況を見ると解放されたゴロン達により蛙側が押されている
その戦場を縫う様に駆けるキャミィがいた
(キャミィ)「禅輝〜‼︎」
キャミィは元気に手を振りながら戻ってきた
(禅)「おう!キャミィありがとな‼︎助けられちまったな!」
(キャミィ)「なにさ礼なんて水臭い!それより終わるよ…ほら」
キャミィが一隻の船の甲板を指差す
そこには明らかに殿様の様な蛙が立っていた
(トノガエル)「皆!武器を捨てるゲローッ‼︎ワシら蛙は降伏を宣言するゲローッ‼︎」
その声は大広間中に響き渡る
戦っていた蛙達は武器を捨て戦意を失くす
それを見ていた禅輝
(禅)「キャミィどうなってんだ?」
(キャミィ)「うん、実はねーーーー」
ーーーー地下一階ーーーー
変身を終え構えるキャミィだがトノガエルは戦意を失くしていた
(トノガエル)「おみゃさんの質問にまだ答えてなかったゲロな…」
(キャミィ)「…⁇」
(トノガエル)「ワシら元々は千を超える組織だったゲロ、家族や故郷を失った集まり、言わば家族の様な集まりゲロ、しかしあれは今でも忘れない十年前、ワシらは〝マセン地方〟を旅している時に、路に佇む少年と黒いローブを纏う6人がいたゲロ…その少年が後の〝四聖獣〟白鳳神琊だったゲロ」
ーーー十年前ーーー
マセン地方を旅する〝流浪派遣組織〟
リーダー〝トノガエル〟と参謀〝コバル〟が兵を引き連れていると路には少年を先頭に黒いローブを纏う者達がトノガエル達を阻む
(トノガエル)「なんじゃ小僧共、そこをどかんかい!」
すると少年は背後の黒いローブを纏う者に〝スッ〟と手を横に出し静止させた
(白)「君達は良い労働力になりそうだ、僕の下で働かないか?」
(トノガエル)「ワシらは派遣傭兵組織それなりの対価を払うなら協力するゲロ」
(白)「…フッ君達に払う対価は今は無い…、ただこの世界を創り直せた時にはそれなりの地位を与えよう」
(トノガエル)「イカレとるのォ、もし断れば?」
(白)「ここで君達にはデータに戻ってもらうよ」
そう言って静止させた手が炎に包まれていき炎の翼に変わった
(蛙兵A)「ふざけるな人ッ…!」
トノガエルが手を出し兵を静止させた
(トノガエル)「話にならんゲロ、ワシらを舐めるなッ‼︎」
トノガエルが少年に飛び掛る
(白)「フランマ・トゥルボー(炎の竜巻)」
少年が炎の翼を一扇ぎすると炎の竜巻がトノガエルやコバル更に五十匹余りの兵を上空に巻き上げ地面に落とす
(トノガエル)「グッ…ハァハァ…(なんて桁違いの力の差ゲロ…)」
トノガエルとコバルは瀕死のダメージを負ったが残りの巻き上がった兵はデータに散った
(白)「愚かな選択だね、残念だが消えてもらうよ」
少年は残りの兵達に狙いを定めた
(トノガエル)「まっ…待ってくれゲロ…」
ボロボロのトノガエルが立ち上がる
(トノガエル)「ワシが千匹分の働きをするゲロ…だからどうか他の奴らは見逃して欲しいゲロッ‼︎」
必死に少年に訴える
(コバル)「ト…ノ…」
コバルは瀕死のダメージを負っている
少年の表情は変わらず冷た目をしていた
(白)「話になら無いね」
少年はトノガエルにトドメを刺そうとする
(蛙兵達)「待ってくれゲコ‼︎オイラも働くゲコ‼︎」
「オイラも‼︎」
「オレもゲコ‼︎」
トノガエルを慕う兵のジャクガエル達が続々と名乗りでた
(白)「…まぁ良い、行くぞ」
少年が言うと黒いローブがトノガエルを担ぐ
百二十匹のジャクガエルが組織を離れ少年に付いていく事となった




