カルキュレイション ワールド 27頁
蛙達と攻防を続けている禅輝達
(禅)「ハァハァ…五十匹以上片付けただろ」
一人で蛙を倒し続ける禅輝
(蒼)「ハァ…ハァ…さすがに憑神ばかりで矢を放つのは私も辛いわ」
(ヒバナ)「ヒュー…ヒュー…兄貴ーッ‼︎こっちは限界ヒノーッ‼︎」
離れた場所からその声を聞く禅輝
(禅)「あっちもヤバそうだな…今行くッ‼︎」
階段で奮闘する蒼葉達の元へ向かう禅輝
(蛙兵B)「そうはさせないゲコ‼︎」
蛙が舌を伸ばし禅輝の腕を掴む
(禅)「クソッ‼︎」
振り払おうとする禅輝
さらに別の蛙が禅輝の体を取り巻く
(禅)「邪魔だッ‼︎放しやがれ‼︎」
抵抗する禅輝
(蛙兵B)「放すはず無いゲコ‼︎今ゲコ‼︎」
その合図で蛙達が禅輝に攻撃を始める
(禅)「グワッ!」
長い舌に打たれ叩かれる禅輝
(蒼)「禅輝ッ‼︎」
蒼葉が禅輝を助けに向かおうとする
(ヒバナ)「助けてヒノーッ‼︎」
階段下でサポートしていたヒバナが蛙の舌に捕まっている
蒼葉はヒバナの元へ向かおうとするがさらに別の蛙が階段を上って来る
蒼葉は気力を振り絞り一匹二匹と矢で射抜くが続々と来る蛙に間に合わ無い
(蛙兵A)「仕留めろゲコ‼︎」
蛙達は一斉に舌を伸ばし蒼葉を捕らえる
(蒼)「ヤダッ‼︎放しなさいよ‼︎」
蒼葉は必死に抵抗する
(禅)「蒼葉ッ‼︎クソッ…放せ‼︎」
禅輝も助けに向かおうと暴れる
(蛙兵B)「強情な人間め、これで終わりゲコ‼︎」
槍を構えた蛙が禅輝に突進して来た
その時
(ゴロンC)「岩石特攻‼︎」
突然禅輝の目の前で岩石が槍を持つ蛙を吹き飛ばす
(蛙兵達G・H)「なんだゲコ‼︎」「どうしたゲコ⁉︎」
あちらこちらで動揺が走る
それにより禅輝を縛る舌が緩む
禅輝は一瞬の隙を突いて二匹の蛙を叩き伏せる
(禅)「蒼葉‼︎ヒバナ‼︎」
禅輝は急いで階段へ向かい
ヒバナを縛る蛙を一撃で仕留める
(禅)「ヒバナ大丈夫か?」
(ヒバナ)「それよりも姉貴を‼︎」
(禅)「わかった!」
そう返し禅輝は階段を駆け上がる
蒼葉を取り巻く蛙の群に禅輝は突っ込んでいき
(禅)「オラオラオラオラオラーッ‼︎」
禅輝は怒涛の勢いで蛙達を吹き飛ばし蒼葉に駆け寄る
(蒼)「ありがとう助かったわ」
(禅)「おう、けどどうなってんだ?あちこちでゴロンが蛙と戦ってるぞ」
階段から見下ろし禅輝が言う
(蒼)「上手くいったみたいね…キャミィ達」
気の抜けた顔をする蒼葉
(禅)「⁇」
禅輝が不思議そうな顔をする
(蒼)「大体アンタが勝手に飛び降りて、突っ込むから悪いのよ‼︎だからあの後すぐにーーーー」
ーーーー数時間前ーーーー
(禅)「オラーッ‼︎」
禅輝が拳を蛙に打ち込む
〝パリーン〟
蛙が吹き飛びガラスを破って大広間に落ちて行く
異変に気付き大勢の蛙がこちらを向く
(禅)「面白ぇ数だぜ、全員ぶっ飛ばす‼︎」
禅輝は大広間に飛び降りた
(蒼)「⁉︎…あの馬鹿勝手に‼︎」
蒼葉が止める間も無く禅輝は降りていった
(蒼)「ヤバイわねあの数、こちらが圧倒的に不利だわ…」
悩む蒼葉
(キャミィ)「よし!アタシも禅輝に付いてー」
(蒼)「ちょっと待った‼︎」
飛び降りようとするキャミィを蒼葉が止める
(キャミィ)「何よ!」
蒼葉に対して怒るキャミィ
(蒼)「ねぇゴロン、あなた達の仲間を解放をしたいんだけど、どうすればいい?」
(ゴロンA)「本当ッチュ⁉︎助かるッチュ‼︎……けど足枷の鍵は蛙達のリーダーが持っていて簡単にはいかないッチュ…」
(蒼)「なら話は早いわ!キャミィあなたはゴロン達を案内に鍵を手に入れて他のゴロン達を解放して」
(キャミィ)「ハァ‼︎なんでアタシが‼︎アタシは禅輝と一緒が良いんだよ‼︎それにお前が行けば良いだろ‼︎」
(蒼)「あたしよりアンタの方が強いからよ、リーダーなんて無理よ‼︎それにここで皆で戦っても全滅は時間の問題!あなたしかいないのよ…」
蒼葉が必死に説得する
(キャミィ)「…フンッ‼︎ゴロン案内しなッ‼︎」
(ゴロンA)「こっちッチュ‼︎」
キャミィは諦め鍵の入手に向い通路を戻っていく
(蒼)「キャミィありがとう、さぁヒバナあたし達もやるよ!」
奮起する蒼葉
(ヒバナ)「ヒノッ‼︎」
足の震えるヒバナ