カルキュレイション ワールド 26頁
(キャミィ)「アンタ速いわね、少し見くびってたわ」
天井の蛙を見上げキャミィが言う
(トノガエル)「ワシにその油断は命取りゲロよ、ワシは天井からでも貴様を攻撃できるゲロ!」
蛙は口を開き
(トノガエル)「毒舌‼︎」
蛙から長い舌が伸びキャミィを狙う
キャミィはそれを避ける
(キャミィ)「⁉︎」
元居た場所の畳を見たキャミィが驚く
畳には舌で溶けた穴が開いている
(トノガエル)「避けて正解ゲロ、ワシの舌からは強力な酸が分泌されている、少しでも触れば命は無いゲロ」
(キャミィ)「へぇ、これは流石に当たればヤバそうね、まっ当たればの話だけどね」
キャミィが蛙を挑発する
(トノガエル)「貴様ァ、言わせておけば‼︎毒舌・五月雨‼︎」
怒った蛙が天井から無数に毒舌を繰り出す
しかしキャミィはそれを確実に躱していく
(トノガエル)「(コイツ、なんて動体視力してやがるゲロ…)しかし!避けてばかりではワシには勝てないゲロよ‼︎」
一本の舌がキャミィに迫る
しかしその瞬間キャミィはニヤリと笑い
足で畳を踏み上げ畳を盾にする
(トノガエル)「無駄なあがきゲロ‼︎」
舌は畳を溶かし貫通した
(トノガエル)「ー⁉︎」
その時二枚の畳が天井の蛙目掛けて飛ぶ
それに気付き咄嗟に床に降り回避する蛙
畳に刺さる舌を抜く
(トノガエル)「最期の抵抗も虚しかったな…」
倒れたのは畳だけでキャミィの姿は無い
(トノガエル)「ー⁉︎どこにいるゲロ⁉︎」
すると蛙の背後から
(キャミィ)「へぇ、〝天鳴池蛙〟良業物の一振りね」
蛙の刀を手に持ち眺めるキャミィ
(トノガエル)「ー⁉︎」
キャミィに気付き振り返る蛙
(トノガエル)「(コイツワシの着地の瞬間に…)」
(キャミィ)「でもこれで、その長い舌が安易に使えないわね」
刀を蛙に向けるキャミィ
(トノガエル)「ワシの舌を封じたくらいで図に乗るなゲロッ‼︎」
そう言い放つと蛙の喉が膨れ上がり
(トノガエル)「水爆大砲ッ‼︎」
蛙の口から巨大な水の塊が勢いよく発射する
(キャミィ)「ー‼︎」
キャミィは回避しようと動いたが間に合わずまともに受けてしまい吹き飛ぶ
蛙から前方の背景には畳が無惨に飛び散り、その下の地面まで抉れている
その先の壁に体を沈めているキャミィ
(トノガエル)「ゲロゲロゲロ、ワシの水爆大砲を受けては、もう立ち上がれんゲロ!お前さんとの勝負楽しかったが、トドメを刺さして貰うゲロ」
キャミィに歩み寄る蛙
しかし沈黙だったキャミィが眼を開いた
(キャミィ)「あ〜痛タタ…やっぱり人型じゃあスピードに限界があるわね〜」
キャミィは壁から抜け出る
(キャミィ)「そろそろ終わらせましょ、アタシこう見えても急いでんのよね」
キャミィは前かがみになると、手足の筋肉が膨れ爪も伸びていき姿が獣に変わっていく
(トノガエル)「人獣種…話には聞いておったが本領が発揮されるのは獣型…まだ力の差を開くとはさすが虎王の使者…完敗ゲロ…」
負けを悟り呟く蛙
(キャミィ)「さぁこれからが本番よ」
変身が終わるキャミィ