カルキュレイション ワールド 23頁
部屋の隅で怯えているゴロンに蒼葉が近付く
(蒼)「さぁ、もう怯えなくて良いわよ、あなた達がゴロンね?」
ゴロン達はゆっくり顔を上げ頷く
(ゴロンA)「山道では済まなかったッチュ、僕達ゴロンは蛙達に脅されていたッチュ!」
(蒼)「どうして岩石を?」
(ゴロンB)「僕達は蛙達から山道を通る者に攻撃する様に言われてたッチュ、そうやって山道に誰も近づかせない様にしろって命令されてたッチュ!」
(禅)「なんでそんな事すんだ?」
(ゴロンA)「蛙達は密かに僕達や他のゴロンを労働力にして何だかとても大きな物を作らせてるッチュ…」
(蒼)「酷い話ね…」
(ゴロンA)「そこでお願いがあるッチュ‼︎岩を砕いた力を見込んで他の仲間も助けて欲しいッチュ!今みんなは大広間で労働させられてるッチュ!そこの見張りの蛙達も倒して欲しいッチュ‼︎」
(禅)「良いぜ、どうせ頼まれてた一件だ、蛙達を追い払えばお前らも山道で暴れないだろ」
(キャミィ)「さすが禅輝‼︎アンタ男だね‼︎アタシも協力させて貰うよ!」
(禅)「それで大広間はどっちだ?」
(ゴロンB)「案内するッチュ!付いてくるッチュ!」
入ってきた扉を勢いよく飛び出したゴロン達
禅輝達も直様後を追う
通路を走りながら禅輝がゴロンに聞く
(禅)「お前ら俺達の匂い辛くないか?」
(ゴロンA)「鼻が曲がりそうでかなり辛いけど、僕達の希望に失礼はできないッチュ!」
(蒼)「それにしても蛙達の目的は何かしら?」
(ゴロンB)「蛙達は下っ端に過ぎないッチュ、蛙達を引き連れてきたのは、あの四聖獣の一角〝白鳳神琊〟と、その腹心の〝六武神〟達だったッチュ」
(禅)「ー⁉︎…あのヤロウどうしちまったんだよ…」
(蒼)「…」
走りながら沈黙が生まれる
(ゴロンA)「あの突き当たりにある壁の覗き窓から地下二階の大広間を一望できるッチュ」
禅輝は白鳳のしている事をまだ信じきれず困惑している中で、その真実が大広間にあると思い
一人抜け出し駆けていく
そして辿り着いた禅輝は覗き窓から地下二階を見下ろした
(禅)「ー⁉︎」
続々と蒼葉達も追いつく
(蒼)「何よコレ…」
禅輝達の目の前には10隻はある巨大な船がズラリとならんでおり、それをゴロン達が蛙にムチを打たれながら造らされている光景が目の前にあった