カルキュレイション ワールド 2頁
困惑する二人だったが辺りを見渡した際に小高い丘の上に一軒の小屋を見つけた
(禅)「行ってみようぜ誰か居るかもしれないぜ?」
蒼葉に問いかけた
(蒼)「そうね少しは何か分かるかも」
二人は小屋に向かい出した
(蒼)「あの子誰だったの?」
無言の中話を切り出した
(禅)「あぁ…白鳳神矢って言って、確かお前が越して来る前に病気の治療の為に引っ越す事になった昔の友達で、今日は帰ってきたら家の前に居たんだよ、そしたらこんな事になっちまって…」
今までの流れを説明してる間に小屋の前に着いた
(禅)「コンコン…すいませーん誰か居ますかー?」
小屋の扉で呼びかけている時に蒼葉は裏にまわった
(蒼)「ねぇ!」
(禅)「どうした!?」
禅輝が声のする場所に向かった
(蒼)「たいした事じゃないけど切り株にぬいぐるみが…」
(?)「失礼なぬいぐるみとは何だモグ、勝手にワシの庭に入りよって」
(蒼)「ぎゃぁぁぁあああ‼︎」
蒼葉は驚いたまま固まり目の前には切り株に座り鍬を持ったモグラが喋っていた
禅輝も動揺を隠せないまま質問をぶつけた
(禅)「おっさんネズミか?」
(蒼)「そっちかい‼︎」
蒼葉がつっこむ
(モグリン)「モッグッグッグ…若いの面白いな、人間は久々に見たモグ…ワシは土竜族のモグリンじゃ」
(蒼)「私は弓城蒼葉、こっちは黒鉄禅輝、ねぇ人間は久々って言ったけど他にも見かけたの?」
(モグリン)「モグ〜確か十年以上前か白い髪の男の子が村に来たモグ、名前は思い出せんが…村の仲間ならわかるかもしれん、案内するモグ」
裏庭からは集落見えた
歩きながら禅輝が問いかけた
(禅)「それにしてもモグラのおっさんこの世界は何なんだ?俺の家も見当たらないし、携帯は圏外だし、モグラは喋るしよ、ここはどこなんだ?」
(モグリン)「この世界に関してはワシにはわからんモグが…ここはノベア地方の北に位置する小さな村モグ、ワシら土竜族は畑で採れた野菜を他の町に売りに行き生活を立てているのじゃ…まぁ豊かな町ではないがゆっくりしてゆくモグ」
モグリンは笑顔だった
更にしばらく歩くと禅輝達の前には藁の建物が幾つか見え始めた
(モグリン)「ここがモグリ村モグ」
モグリンが指差した
(村民)「おぉ村長さんモグ」「村長さんこんにちはモグ」
次々とモグリンに声が飛び交う
禅輝と蒼葉は戸惑いを隠せない
(モグリン)「モラさん少し尋ねたいモグ」
モグリンが仲間に話を掛ける
蒼葉と禅輝はモグリンから少し離れた
(蒼)「やっぱり異様な光景ね動物同士が話すなんて」
蒼葉が耳打ちしてきた
ふと禅輝が目をやるとモグリン達の前には武装をした二足歩行の牛が3頭いた
(モグリン)「なぜじゃ‼︎先日村の皆から今月の税は払ったばかりではないモグか‼︎この村にはこれ以上余裕はないんじゃモグ‼︎」
モグリンが牛の兵隊に怒鳴っていた
(牛)「フン!そんな事は知らん!我々は牛王様の命令で来ているのだ!我々牛王親衛隊に歯向かうことは即ち牛王様に歯向かう事と同じだぞ‼︎」
隊長はモグリンを突き飛ばした
(禅)「大丈夫かおっさん?」
禅輝は倒れ込むモグリンに駆け寄る
(モグリン)「あぁワシは平気じゃ…おぃ何をするモグ?!」
禅輝は隊長の前に歩み寄った
(蒼)「禅輝!関わるのはやめなさいよ!」
蒼葉が止める
(牛)「何だ貴様は!」
(禅)「強引じゃねぇのか、おっさんたち金が無いって言ってるぞ」
(牛)「そんなことは俺達には関係ない事だ!牛王様の領土ならば、金の無い村は消すまでだ!」
(禅)「納得いかねぇ!その牛何とかに合わせろ」
(牛)「ふざけるな!!」
隊長が棍棒を振り上げる
(禅)「そう来なきゃな!」
禅輝はニヤリと笑う
隊長の振り下ろされた棍棒をアッサリと躱し軽く跳ね上がり禅輝は低くなった頬に蹴りを当てた
(牛)「ぐふっ!」
隊長はそのまま崩れた
(牛兵)「よくも隊長を!」
2頭の仲間が直ぐさま振りかぶってきた
禅輝は身を低くしそれを避けそのまま跳ね上がり2頭の頭を鷲掴みしそのまま後方へと倒した
(禅)「よしッ!一丁あがり」
禅輝は得意気だった
(蒼)「あんた何やってんのよ!面倒な事に巻き込まれるでしょ‼︎」
直ぐさま蒼葉は咎めた
(モグリン)「すまなかったモグ…じゃが親衛隊に手を出しては牛王が黙ってはおらんじゃろ」
(禅)「いいよどうせその牛王って奴のやり方は気に入らねぇし」
(モグリン)「しかし、こう言ってはなんだが牛王程の者なら何かこの世界について知っておるかも知れんモグ…それとさっき聞いたが、村にいた子の名前は白鳳神琊って言っておったモグぞ」
モグリンは名前を地面に書いた
(禅)「⁇」
禅輝は何か違和感を覚えた
その時
(蒼)「何で⁉︎」
驚いた表情をし声を上げた