カルキュレイション ワールド 19頁
禅輝達は店に入る
(ヒバナ)「すいませんヒノ、ゴロン避けスプレー3缶欲しいヒノ」
ヒバナが店の奥に声を飛ばす
店の奥からは腰巻きをしたおばさん狸が出てきた
(番頭狸)「はいよスプレー3つ、600Gだよ」
ヒバナはお金を渡し店を出た
(ヒバナ)「目的達成ヒノ、これで山岳地帯を越えられるヒノ」
(禅)「サンキューヒバナ」
禅輝が礼を言う
(蒼)「禅輝アレ見て」
蒼葉が犬の武装集団を指差す
(禅)「ん?ガウルが呼んだ部隊だろ、ここも牛王の領土だったんだしな」
禅輝が部隊を見ながら言う
すると部隊のリーダーらしき者がこちらに気付き近づいて来た
(メープル)「あなた方が牛王を倒した人間ですね、ガウルさんから無線で話は聞いています…申し遅れました、わたくし派遣護衛組織伍部隊No.3所属のメープルと申します」
背の高い眼鏡を掛けた女性の白いプードルが話し掛けてきた
(禅)「俺は禅輝、よろしくな」
(メープル)「あなた方はこれから鼠王の領土に行かれるとか」
(禅)「あぁ、だから山岳越える為にゴロン避けスプレーってのを入手したからこれから向かう所なんだ」
(メープル)「そのゴロンなんですが数年前までは穏やかな性格だったのに、いつしかスプレー無しでは危険に晒される程に…何か理由がある筈なのですが…」
深刻な表情で悩むメープル
(禅)「任せろ!ついでだしできる限りで調べてみるわ!」
胸を張る禅輝
(メープル)「感謝致します、礼と言ってはなんですが何かの役に立てて下さい」
禅輝にメープルは腰の巾着を渡す
(メープル)「僅かですが、中には増強丸が3粒入っています」
(禅)「ありがとな」
禅輝はそれを受け取る
(メープル)「では、御武運をお祈りいたしております」
メープルはお辞儀をする
(禅)「町の復興頑張れよ」
そう言うと禅輝達は山岳の見える方角の出口へ向かう
町を歩きながら禅輝が聞く
(禅)「ヒバナ、その山岳の入り口までは遠いのか?」
(ヒバナ)「目の前にある山に向かうヒノ、30分位で着くヒノよ、山岳の入り口に小さな休憩小屋があるからすぐわかるヒノ」
(蒼)「ねぇその山岳にいるゴロンってのはどんな奴なの?」
蒼葉がヒバナに聞く
(ヒバナ)「ゴロンは鼠族の岩石派生ヒノ」
(蒼)「元は鼠なのね、アンタも元は栗鼠よね派生は火ってとこかしら」
(ヒバナ)「そうヒノ、派生は住んでる環境によって変化していくヒノ」
(蒼)「へぇなら暑い地方に元は居たのね」
(ヒバナ)「…そうヒノよ…あっ町の出口ヒノ」
禅輝達はグランの町を後にして山岳を目指した