カルキュレイション ワールド 18頁
ピューマは全部で7匹
内2匹は禅輝により牙の折れたピューマと、明らかにこの集団のボス的な大きさのピューマが1匹
それを囲む4匹のピューマ
(禅)「しつこい犬だぜ、蒼葉!ヒバナを頼むぞ!」
禅輝はそう言い放つとピューマの群れに駆けて行く
(蒼)「任せて!」
蒼葉もそう言うとヒバナの前に立ち背中の矢に手を伸ばす
(蒼)「⁉︎(ヤバイ、矢が残り2本しか無いわ…1本も外せない)」
蒼葉は禅輝に飛びかかる3匹の内の1匹に見事命中させる
(禅)「サンキュー蒼葉!」
禅輝は振り返らずそのまま突き進み
(禅)「憑神…」
両拳を硬め飛びかかる2匹の開いた口に再び拳を突っ込んだ
またしても牙の欠けるピューマだが禅輝の両腕が塞がっている隙に別の牙を持つピューマが禅輝の足に噛み付く
(禅)「ぐわっ‼︎」
倒れて込む禅輝
(蒼)(ヒバナ)「禅輝‼︎」「兄貴‼︎」
蒼葉とヒバナが声を出す
そのタイミングで大型ピューマが蒼葉の居る方へ駆けて行く
(禅)「蒼葉避けろッ‼︎」
禅輝は噛み付いてくるピューマを抑えている
蒼葉は最後の矢を大型ピューマに狙いを定め放つ
(蒼)「ー⁉︎何て分厚い皮膚なの⁉︎」
命中させるもピューマの勢いは止まらずそのまま蒼葉に飛びかかる
(蒼)「きゃっ‼︎」
姿勢を崩しながらも鋭い爪を弓で抑えている
(蒼)「(ヤバイわね…長くはもたない…)」
軋む弓で必死に抗う
その時蒼葉の弓と右手が白く覆われた
(蒼)「まさかこの力⁉︎」
とっさに蒼葉は弓を引く構えをした
すると白く輝く光の矢を出現させ蒼葉は放つ
(蒼)「喰らえー!」
光の矢は大型ピューマを貫き空へと消えた
大型ピューマは大人しくなりその場に倒れた
(禅)「やったな蒼葉ッ‼︎」
禅輝も負けじと両拳のピューマを投げ飛ばし噛みついているピューマに拳骨を落とした
(禅)「ふぅ、やっと自由だぜ」
立ち上がる禅輝
牙の折れたピューマ4匹は劣勢な状況を判断し逃げ去って行く
(ヒバナ)「あっ!待てヒノーッ‼︎」
ヒバナは追いかけた
禅輝達もヒバナを追うがピューマを見失ったらしい
(ヒバナ)「逃げられたヒノ…」
落ち込むヒバナに蒼葉が話
(蒼)「ねぇあれがグランって町?」
蒼葉の指差す方に建物が幾つか見えた
(ヒバナ)「グランだヒノ、あそこで一先ず休憩ヒノよ」
ようやく見えた目的地に一同気力を振り絞りグランの町に辿り着いた
町はムルエの町の様に石造りのお建物がたくさん並んではいるが活気の無い静かな町
禅輝達は町の中を中心に向かうがすれ違う影も無い
(蒼)「随分と閑散とした町ね」
蒼葉が辺りを見ながら言う
(ヒバナ)「ここも元々はムルエの様に活気溢れる町だったヒノ、けどモグリ村に比べグランは大きな町だから牛王の悪政が色濃くでた結果ヒノ」
(蒼)「酷いわね、ただの戦争の為に町をこんなになるまで…」
蒼葉は憤りを感じる
禅輝達は町並みを見ながら歩いていると枯れた噴水のある中心部に着いた
そこには少しながら往来するアニマ達がいる
(禅)「少しばかりでも店があるな」
禅輝が指差す
(ヒバナ)「あの店にゴロン避けスプレーがあるヒノ」
禅輝の指差す店に向かう