カルキュレイション ワールド 163頁
武蔵の満月により四人は倒れ込む
(武蔵)「安心しなよ、峰打ちだからさ」
(八戒)「うっ…(全身を一度に…)」
(エアル)「う…動けない…」
(ヤマト)「あれで…手加減かよ…」
身動きの取れない四人
(武蔵)「さて、もういいかな?時間をかけ過ぎたね」
武蔵は四人の前で太刀を振り上げる
(蒼葉)「ま…待ちなさいよ…」
蒼葉がフラフラになりながら手のひらを武蔵に向ける
(武蔵)「止めときなよ、精神の無駄使いだよ」
(五十嵐)「よせ弓城…」
五十嵐は動けず声を振り絞る
(蒼葉)「水霊·水鉄砲!ー!!」
”パシャ“
勢いのない水が武蔵に掛かる
(武蔵)「絶対的強者を前に精神を保つのは難しい…ここでリタイアかな!!」
武蔵は上げていた太刀を振り降ろす
(マシュー)「神風!!」
(武蔵)「ぬぅ!」
マシューの体当たりは武蔵を捉えたが踏ん張る武蔵
(武蔵)「”天恵”は厄介だねぇ、行動の予測が立たないよ」
(マシュー)「ここからは僕が相手だよ」
(武蔵)「王位継承は済んだのかい?」
(マシュー)「シルホークが担ってくれるよ」
(武蔵)「それがいいね、君には務まらないだろうから…」
(マシュー)「どういう意味だい?」
(武蔵)「王の器と将の器には大きな違いがある」
(マシュー)「…」
(武蔵)「判断力さ、冷静な分析を状況や言葉から読み取り決断する…君はどうだい?」
(マシュー)「何が言いたい?」
(武蔵)「先代のルドルフや君は生粋な将の器って事さ…見てご覧よ、僕は誰一人殺しちゃいない…その意味を読み取らず攻撃を仕掛けてきちゃぁまずいな」
太刀の刃をマシューに向ける
(武蔵)「手加減して勝てるレベルじゃないから本気で行くよ」
(マシュー)「その言葉お返しするよ」
間合いを測るマシュー
(五十嵐·ヤマト·エアル·八戒)「うっ…うぅ」
四人が立ち上がる
(武蔵)「ん~立ち上がっちゃったか、参ったね…これ以上やれば死人が出ちゃうよ…それは目的と違うからね」
(マシュー)「目的??」
(武蔵)「人の力をね、それに黒鉄って子を見かけないし…また今度にするよ、だから…」
武蔵は姿を消す
(蒼葉)「ー!あっ!」
空中に浮かぶ武蔵が”天鳴池蛙“を持っている
(武蔵)「僕はコレクターでね、気になってたんだよね」
(蒼葉)「ちょっと!返しなさいよ!!」
上空の武蔵に叫ぶ蒼葉
(武蔵)「この先の”朧城“で待つよ…それと僕に勝てたなら返すよ…」
武蔵は空間に指を掛け裂け目の中へ消えていった
(蒼葉)「ついに浮いてたわよ…あいつ…」
(マシュー)「精霊術や神術のエネルギーを高濃度に圧縮した闘気を纏えば、空間の反発により理論上は可能だよ…ただそれに耐えうる肉体も必要だけどね」
(八戒)「朧城…確か猿国の領土」
(マシュー)「かつては朱雀の居城だったね」
(ヒガマル·ニシオ)「兄貴!親分!」
(エアル)「マシュー助かったわ」
(五十嵐)「くそっ!あの着物オヤジ許さねぇ!喧嘩に手抜きやがって!」
(マシュー)「まぁまぁみんな無事でよかったよ、羊国までもう少しだ竹林を抜けよう」
蒼葉達は再び歩き始めた