カルキュレイション ワールド 156頁
倒れ込むルドルフに駆け寄るマシューとエアル
(蒼葉)「マシューが危ない!」
(五十嵐)「おい!蒼葉!」
走り出す蒼葉達
(八俣遠呂智)「ん?人間か…ついでに消しとくか…」
雷を帯電させる遠呂智
(エンマ)「そこまでにしときぃ!」
(ハツネ)「これはなかなか賑わってるな」
(蒼葉·八戒)「(ハツネ!!!)」
ハツネの引く鼠車が辿り着く
(八俣遠呂智)「ーん?“猿王”…」
(エンマ)「随分蛇国は荒れたき、これ以上は止めとけ」
エンマが闘気を放つ
(八俣遠呂智)「…ふん、さすがに俺も国王二連戦は骨が折れる」
(エンマ)「話が通じて助かるき」
(八俣遠呂智)「貴様ともいずれな”猿王“」
遠呂智がニヤリと不気味な笑みを浮かべる
(マシュー)「オロチ!貴様は必ず僕が倒す」
(八俣遠呂智)「フッ…無力だったなマシュー…」
遠呂智はマシューをあざ笑い砂煙で姿が消えてゆく
(ヤマト)「おい、お前ら…今のが同じアニマの戦いか?」
(ニシオ·ヒガマル)「……」
二人は唖然としていた
(エンマ)「さて国に帰るきぃ…ハツネ!」
(八戒)「ご無礼を“猿王”様、ここでハツネを討たせて頂きます」
(蒼葉)「八戒…」
八戒はハツネに薙刀を突き出す
(ハツネ)「猪の国の者め…以前はやってくれたな!!」
八戒とハツネが構える
(エンマ)「馬鹿共がッ!!これ以上の争いは認めんき!!蛇王、馬王が消えた状況でこれ以上騒ぎを起こすな!バランスが崩れる事は彼の者が許さんき」
(蒼葉)「彼の者?」
(八戒)「四聖獣か…」
(カンタク)「さすが”猿国“は正規軍ですからな、その立場もおありで」
(ボレロ)「どこぞの犬の王とは違いますな」
カンタクとボレロも合流する
(エンマ)「国によっては状況が違うき、悪く言うつもりは無い」
(蒼葉)「あなた方は?」
蒼葉がカンタクとボレロに尋ねる
(カンタク)「これは紹介が遅れましたな、私”羊国“参謀のカンタク」
(ボレロ)「同じく補佐官のボレロと申します」
(蒼葉)「私は蒼葉よろしく、こっちが五十嵐と八戒それと」
(ヤマト)「ヤマトだ」
(ニシオ)「ニシオです」
(ヒガマル)「ヒガマルっす」
(カンタク)「大所帯ですな」
蒼葉達が紹介を済ます
(カンタク)「承知しました、ところでマシュー様、エアル様、連合軍大将ルドルフ様亡き今、馬国は我々羊国が治めてもよろしいでしょうか?」
(エアル)「確かに…馬国の実質的リーダーはマシューあなたになるわ、決断はあなたに託す」
(マシュー)「…うん、一度国に戻り事情は説明する、その後は羊国女王フェリエ様に任せるよ、民の事、残った兵や軍の事はシルホークと上手くやってもらいたい、その段取りはするよ」
(カンタク)「感謝致しますマシュー様」
頭を下げるカンタク
(エアル)「マシューあなたは?」
(マシュー)「国を離れオロチを探す、そして必ず…」
(エアル)「でしょうね…私もあなたに付いてくわ、悔しさは一緒だから」
(蒼葉)「それなら二人共一緒に来ない?二人がいれば心強いわ」
蒼葉が二人を説得する
(マシュー)「…わかった、同行するよ、泰牙に救われたのは事実だし、恩は返さないとね」
(蒼葉)「なら決まりね。よろしくマシュー、エアル」
互いに握手を交わす
(エンマ)「話がまとまったみたいだな、あとはハツネ、理由はどうあれ戦争を起こし、恨みの念をもたらした張本人が逃げてばかりとは締まらんき、ここらで猪の者へ謝罪しても罰は当たらんき」
(ハツネ)「なぜ私が謝罪な…ぁぁぁ熱ち〜い!!わかった!!わかった!!すまん猪の者!この通り詫びよう!」
エンマがハツネの尻尾を握り加熱した
八戒がハツネの胸ぐらを掴む
(八戒)「ハツネ!本来ならばその程度ではすまんが今後一切悪事は」
(エンマ)「働くなよ」
エンマが念押しする
(ハツネ)「わ…わかった、誓おう」
(エンマ)「よぉーし!これにて一段落き、ワシも国に帰るかのぉ!行くぞハツネ!(…遠呂智のプラズマで多少空間が歪んどるきぃ、時間で修復されるとは聞いちょるが…)」
エンマは空間の歪みの箇所を触る
(蒼葉)「カンタクさん、私たちも羊国へ同行してもいいかしら?他の仲間と待ち合わせしてるの」
(カンタク)「構わんよ、道中は隣国、馬国を通り国へ帰ります」
(蒼葉)「ありがとう」
(マシュー)「すまない、その際に自国の皆んなに話を通すよ」
(カンタク)「承知しました、でわ向かいますかな」
蒼葉達一同は羊国へ向かい歩きだした
(エンマ)「(…かなり不安定だが問題あるまい…ーー!!来る!!)」
歪みを触っていたエンマが焦る
“グニャ”空間が曲がる
咄嗟に離れるエンマ
(一同)「ー!」
(四聖獣·玄武)「これはどういう事だ?猿王?」
歪から尾が蛇の巨大な亀の背に胡座をかく少年が姿を現す