カルキュレーションワールド 145頁
ーー蛇国北部ーー
リンド率いる竜騎兵と羽ばたき上空を舞うヒュド
(ヒュド=“ケツァルコアトル”)「各地で戦闘の気配…ここに時間は掛けられませんね」
(リンド)「生憎ですがどこにも向かわせません!竜騎兵!上空のヒュドへ火炎放射!!」
(ヒュド)「そんな物当たりませんよ!」
ヒュドはスルリと火炎を掻い潜る
(ヒュド)「毒針散腐!」
(リンド)「竜騎兵!盾構え!」
ヒュドの口から毒針が放たれる
”カンカンカンカンカンカンカン!!!“
竜騎兵が盾で防ぐ
(ヒュド)「流石噂の”リンド兵“完璧な統率ですね…」
(リンド)「竜騎兵!焼炎…!」
“ドサ…ドサ…”
何体かの竜騎兵が倒れ始める
(リンド)「ー!?毒か!!竜騎兵飛翔!!」
(ヒュド)「見事な判断ですね、先程の毒針は空気による神経毒も蔓延させるのですよ」
上空へ竜騎兵とリンドは逃れる
(リンド)「これ以上の犠牲は出させない為にもここで貴方を討ち取る」
(ヒュド)「半分以上残りましたか…案外面倒ですね…」
(リンド)「華開竜胆」
リンドが先端が蕾の様な槍を構える
(ヒュド)「ほぅ業物を持つとは…それではこちらも手加減は出来ませんのでご了承を」
(リンド)「七分咲き…」
リンドの槍の蕾が七分に花開き辺りを冷気が漂う
“ゾクッ”
(ヒュド)「飛ばしますね…」
花開いた蕾からは茨が飛び出しリンドに巻き付き全身を覆う
(リンド)「琵緒螺…力を借りるよ」
(ヒュド)「業物は全部で9本…その中でも異質な”華開竜胆“…内なる美を体現する一振り…ならこれはどうですか?」
ヒュドは大きく息を吸い込み
(ヒュド)「高圧毒線!!」
口から毒を圧縮した光線を放つ
それは微動だにしないリンドに命中する
(リンド)「…」
リンドの胸に穴が開くがすぐに修復が始まる
(ヒュド)「どうやら本体まで届かないみたいですね…(強度はオロチの硬化以上…か)ー?」
リンドはゆっくり手を挙げる
(竜騎兵)「合図だ!各自持ち場へ!」
二体の竜騎兵がヒュドの両脇へ向かいリンドが茨を伸ばしパチンコの要領でヒュドへ向かい飛び出す
(ヒュド)「叩き落として……!!(ー!すでに頭上と真下に竜騎兵…囲まれていましたか…)」
(リンド)「フンッ!!!」
ヒュドに拳を叩き込む
(ヒュド)「ぐぅッ!(なんて威力の一撃……!!)」
”ドーーーン!!!“
ヒュドは上空から地面に叩き落された
(ヒュド)「……」
砂煙がヒュドを覆い姿が霞む
(リンド)「薔薇龍…龍撃砲!!」
リンドが茨を絡ませると薔薇が咲き龍の姿へ変わり口が開くと圧縮したエネルギーをヒュドへ放つ
“ドーーーーーーーン!!!“
地面には巨大な穴が開く
(リンド)「う…うぅう…」
強大な力を使い反動を受けるリンド