カルキュレーションワールド 142頁
ヤクルスとエンマは睨み合いながら動かない
(ヤマト)「エンマ様…」
(ニシオ)「ヤマト兄!」
ニシオがエンマの腕から抜け出しヤマトへ向かう
(ヤクルス)「ー!逃がさんぞォ!」
(エンマ)「フン!」
エンマは腕に力込め刃先を折る
(ヤクルス)「忙しいの…ー!」
(エンマ)「炎霧!」
”シューー!!“
エンマはヤクルスに対し高温の蒸気を放出する
(ヤクルス)「ぬぉぉぉ!あちちあちあち!!」
熱がりながら転がるヤクルス
その隙にエンマはヤマトを拘束する水蛇へ向かう
そのエンマの動きにヤマトの拘束を解き迎え撃つ二匹の水蛇
(エンマ)「炎霊·火猿召!!」
口から大きな炎の猿を吹き出し水蛇二匹を蒸発させた
(ヤマト)「ニシオ!」
(ニシオ)「ヤマト兄!」
二人が力強く抱きしめ合う
(エンマ)「お前らどっかに隠れとれぇ!すぐ終わらせるき!」
(ヤクルス)「ふぅ~酷い目にあったのォ…しかし猿王相手なら不足無し、存分に楽しめるのォ!」
(エンマ)「自国の民衆傷つける輩とは遊ぶ気は無いき」
両者不敵な笑みを浮かべる
ーーアルゴス城·内部ーー
エキドナの爪が木霊により鋭い枝になり
迫りくるそれを必死に避けながら城内廊下を逃げ回る蒼葉
(エキドナ)「逃げてばかりで勝てるのかい?」
(蒼)「ハァハァ、これならどお!」
蒼葉は距離をとりエキドナに矢を放つ
(エキドナ)「ー!くっ!」
エキドナは咄嗟に躱し頬をかすめ血が流れる
(エキドナ)「…そんな隠し玉があったなんて…もう遊んでられないね!木霊·発破被弾!!」
至る壁に突き刺さっている無数のエキドナの枝が膨れ上がる
(蒼)「ー!」
“ドーーン”
限界を迎えた無数の枝が破裂し風圧と破片が蒼葉を襲った
(蒼)「うっ…うっ…(生きてる…頭がくらくらする…ここは…)」
風圧に壁が崩壊し蒼葉は倉庫の様な部屋に吹き飛んでいた
(蒼)「とにかく隠れないと…」
辺りは巨大な鉄骨や廃材が無造作に放置された部屋
身を隠す蒼葉
(エキドナ)「意外としぶとい娘だねぇ〜楽にしてあげるから出ておいで…ん?(血が落ちてる…痕跡が奥に続いてる)」
エキドナが蒼葉の痕跡を辿る
その様子を物陰から見つめる蒼葉
(蒼)「(よし!うまく掛かった!あえて行き止まりまで血を垂らしたのよ!)」
(エキドナ)「あら、行き止まり…」
(蒼)「最大出力!ハァァァァ!!」
蒼葉はエキドナの背後を取り矢に力を溜め構える
(エキドナ)「あら、すごいエネルギー、当たったらヤバそう…当たればね!」
(蒼)「ハッ!」
蒼葉が矢を放つ
(エキドナ)「ー!」
エキドナは矢を見切り蒼葉に距離を詰める
(蒼)「かはっ!」
(エキドナ)「よくここまで頑張ったわね、城を荒らした代償は死んで償いなさい!」
エキドナが蒼葉の首を掴み逆の手は鋭い爪が蒼葉に迫る
(???)「”汝に加護を…“」
(蒼)「ー!」
蒼葉は咄嗟に迫りくる爪に手を向ける
(エキドナ)「ー!?こ、こいつ水霊を!?」
エキドナの腕が水に包まれ蒼葉に爪が届かない
(蒼)「やってやるわ!はっ!!」
蒼葉の手から水弾が放たれる
(エキドナ)「チッ!」
エキドナは蒼葉から離れ腕に付く水の塊を振り払う
(蒼)「ハァハァハァ…」
(エキドナ)「次から次へと殺しがいがあるわ…」
笑うエキドナの表情は完全にキレている