カルキュレイションワールド 139頁
ーー現在・ニシカの町ーー
五十嵐とヒガマルを筆頭に民衆も武器を持ち構える
対してコロシアム前で闘気を滾らせ構えるマシュー
(五十嵐)「またあの首輪かよ…」
ーー同刻・イナンの町ーー
民衆とヤマトは相手のヤクルスを警戒し距離を取る
(ヤクルス)「貴様ら皆殺しでいいんだな?」
(ヤマト)「この国の未来を掴むため蛇王の支配を終わらせるぞーー!!!」
(民衆)「オーー!!!!」
ーー同刻・アルゴス城・医務室ーー
(蒼)「案内ありがとう、後は任せてニシオはヤマトの援護へ向かって」
天井から降りる蒼葉がダクトに潜むニシオへ話す
(ニシオ)「親分を頼みましたよ姉さん!」
蒼葉は静かにグッドサインを送り引き返すニシオを見届けた後ストレッチャーで眠る八戒へ近づく
(蒼)「すごい、もう傷口が治ってる…薙刀もあるわね」
蒼葉は八戒の拘束器具を外しストレッチャーを運び出す
(蒼)「よし、このまま連れ帰れれば…」
(エキドナ)「蛇狩流!!」
(蒼)「ー!きゃっ!!」
エキドナの爪から放たれる斬撃を蒼葉は咄嗟に躱し部屋から出る
(エキドナ)「やっぱりネズミが迷い混んでたわね、大事な駒、連れていかないでもらえる?」
(蒼)「(うわー!どう見ても幹部クラスじゃない!!無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!隙をついて逃げないと…だいたいああいう奴は脳筋ビルドが相手するやつよ)」
固まって動かない蒼葉
(エキドナ)「…無視?勘に触る人間ね、じっくりいたぶってあげるわ」
ーー蛇国北部ーー
龍国軍は数千の兵の先頭にリンドと人の姿をしたジハードがいる
それを見据える形で対岸にはヒュドとロキがいる
(ロキ)「あれが最強ねぇ、ちょっと挨拶してくる…よ!」
ロキは電光石火の如き速度でジハードに迫る
(ジハード)「来たか…」
(ロキ)「後ろがら空き♪」
ロキが拳を振り下ろす
(ロキ)「ッ!!」
ジハードの影に防がれる
(龍難寺)「悪いな、俺は龍難寺影助、名前で分かると思うが…少しは期待してるぜロキ様よ」
(ロキ)「ふん…チートネームめ」
ロキがジハードと距離を取る
(龍難寺)「リンド!お前はこのまま全軍率いてヒュドの首を取れ!!こいつは任せろ!」
(リンド)「竜騎兵隊飛翔準備!狙うはヒュドの首!!かかるぞーー!!!」
リンドと数千の竜騎兵が一斉に飛び立ちヒュドへ向かう
(ヒュド)「来るか、精鋭と名高い竜騎兵隊」
空を睨むヒュド
(リンド)「今だ!死地炎焦!!」
リンドの号令により上空から数千の竜騎兵がヒュド目掛け炎を吹く
(ヒュド)「ー…」
辺りは炎に包まれる
リンドが片手を上げると炎が止む
地上は一面焼け野原になっている
(リンド)「竜騎兵隊着陸!」
リンドと数千の兵が降り立ちヒュドの焼け焦げたとぐろを巻く亡骸に近づく
(リンド)「……降りてきたらどうです?こんな脱け殻残して」
リンドが槍でヒュドの脱け殻を払うと灰となり散ってゆく
(ヒュド=〝モデル・ケツァルコアトル〟)「随分と勇敢ですねリンド、従える兵が気を大きくしているのですか?一度コブラ部隊に敗北したあなたが」
上空に羽を生やしたヒュドがいる
(リンド)「お得意のモデルチェンジか」