カルキュレイションワールド 138頁
ーーアルゴス城・玉間ーー
玉座のヒュドの前にロキ、ヤクルス、エキドナ、マシューが並ぶ
(ヒュド)「北の龍国よりジハードが進軍中との知らせが入った、ロキ、私と共に出ますよ」
(ロキ)「へぇ~龍国最強の戦士、楽しみだね」
〝バン〟
勢いよく玉間の扉が開き蛇兵が現れる
(蛇兵)「報告!ニシカ、イナンの両方より市民の反乱!こちらへ迫っております!!」
(ヒュド)「ヤクルス、マシューそれぞれ速やかに鎮圧しなさい」
(ヤクルス)「へっ!血祭りよォ!」
(ヒュド)「エキドナは城内の見回りを、少々タイミングが妙ですからね」
(エキドナ)「…」
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少し時をさかのぼる
ーーイナンの地下水脈ーー
市民がニシオを取り囲む
(ニシオ)「まずはゲッコーに無線で民衆の反乱を伝える、兵が手薄になる事はゲッコーの母国、龍国にはプラスに働くはず、蛇国は嫌でも相手をする為兵をさく」
(蒼)「その隙に八戒を救出ね」
(ヤマト)「それなら2方向から陽動を掛けて更に兵力の分散をするのもいいな」
(五十嵐)「うっ、うぅ…ここは?」
五十嵐が目を覚ます
(蒼)「泰牙!身体は大丈夫!?」
(五十嵐)「問題ないが…やっぱり夢じゃなかったのかこの世界は……」
(蒼)「色々困惑する所だけど、一先ず泰牙が無事で良かったわ」
蒼葉の手には切断されたリングがあった
(五十嵐)「弓城…闘技場での出来事は微かに記憶は残っている…あの猪も仲間だったんだろ…?皆すまなかった!」
(蒼)「気にしないでこれのせいだったのよ、それよりその猪の八戒を奪還する作戦に協力してくれない?泰牙…」
(五十嵐)「ああ!もちろんだ!!必ず力になるってやる!」
(蒼)「助かるわ、早速だけど今、あなたが囚われていた蛇王の寝城を叩く為、コロシアム側と今いるココからの二方向から攻める作戦を立ててるの、何か蛇王の所に居た時に気付いた点はないかしら?」
(五十嵐)「なるほどな…それなら俺がコロシアムの牢獄に居た時の囚人達はかなり蛇王ってのに恨みを抱いてる話をしてた、そいつらを解放して囚人達もこっちの味方につけちまうのはどうだ?見るからに強者揃いだったぜ」
(蒼)「それ使えるわね泰牙」
(ヤマト)「ならその点も加味して伝えよう、少しでも龍国が動く材料が欲しいからな、だがそれには一番ゲッコーが肝心だ、うまく龍国が動くかどうか…」
ヤマトは無線を取り出しゲッコーへ連絡する
〝ザザー〟無線機の乱れる音
(ゲッコー)「〝なんだ?〟」
(ヤマト)「今どこにいる?」
(ゲッコー)「〝今は龍国玉間、ラグナ様の目の前だ!特別に許しをもらっている!手短にしろ!〟」
(ヤマト)「ちょうどいいーー」
ヤマトはゲッコーに事の顛末を話す
(ゲッコー)「〝話しは伝わった、ヤマト、タイミングが良かったな、今南のガラガラ砂漠では馬羊連合軍が蛇国と戦闘している、それなりの兵が出ているだろう、そこに来て内側での反乱、蛇国を叩くなら今だと決まった、それに話しによれば六武神ロキの所在の可能性も有り、こちらも万が一に備えジハード様の出陣で決まった〟」
(ヤマト)「あの一国の王とも渡り合える実力を持つ将軍が出るなら頼もしい限りだ、こちらも蛇王を倒す算段が欲しかった所だからな」
(ゲッコー)「そちらも頑張れよ」
(ヤマト)「互いの健闘を祈る」
通信が切れる
(蒼)「ヤマト、最高の条件が揃ってるわ」
(ヤマト)「必ず親分を助け、ヒュドを倒す!」