カルキュレイションワールド 135頁
異様な雰囲気に包まれる会場
(五十嵐)「……ー!」
動き出した五十嵐のスピードが格段に上がり
鋭く蹴り込む
(八戒)「くっ!(重く鋭い…)」
八戒は五十嵐の蹴りを腕で防ぐ
(ヤクルス)「さぁ八戒!本気を出さねば貴様が負けるぞォ!」
スピーカー越しに会場に響き渡る
(蒼)「八戒…こうなったら私達にできる事はあそこの放送席にいる奴のリモコンを破壊するしかない!行くわよあんた達!」
(八戒)「ー!」
蒼葉の移動に気付く八戒
(八戒)「待て!今ケリをつける!…悪く思うな人間……ハァァァァァァ!」
八戒から闘気が立ち込める
(五十嵐)「……ガァァァァァ!!」
五十嵐は危険を感じ八戒へ駆け出す
(八戒)「ニ戒…四戒…」
(五十嵐)「ガァァ!!」
五十嵐の拳が八戒に迫る
(八戒)「六戒天夢浄土!!!」
八戒の放つ拳の衝撃波が五十嵐を捉える
(五十嵐)「ガハッ……」
意識が遠退きその場に崩れ落ちそうになる五十嵐だったが耐え抜き八戒に拳を繰り出す
(八戒)「ー!!ぐぬぅぅ!」
五十嵐の拳は八戒の腹部を掠め抉り貫く
(八戒)「ーっハァッ!」
八戒は体勢を崩しざまに五十嵐に拳を打ち込む
(五十嵐)「くっ!…ぅぅぅ…」
〝ドサッ〟
遂に倒れ動かなくなる五十嵐
(八戒)「ハァ…ハァ…」
片ひざをつく八戒
(実況)「こ、これは…八戒選手見事三試合勝ち抜きこれにて優…」
(ヤクルス)「おっと試合にはサプライズが付き物だろォ?ヒュド様のご厚意だ感謝しろ!」
ヤクルスが闘技場に現れる
(蒼)「ちょっと卑怯じゃない!!試合は終わりよ!!」
蒼葉が客席から叫ぶ
(八戒)「……」
(ヤクルス)「どおかしたかのォ?顔色が悪いぞォ?」
(八戒)「ルール無用か…?蒼葉!!」
(蒼)「これでしょ!」
(ヤマト)「ふん!」
ゴリラ達が八戒へ薙刀を投げ見事に掴む
(ヤクルス)「そうでなくては面白くないからのォ」
(八戒)「……」
八戒は意識を集中させる
〝ビリビリ〟
(ヤクルス)「(大気の痺れ…無言のくせにちゃっかり溜めてやがるのォ!!)」
(八戒)「大地旱魃!!両斬波!!」
八戒は薙刀を縦に振りかざす
(ヤクルス)「ハッハ~!受けて立とうかのォ!!」
ヤクルスは槍を回しながら大地旱魃の斬撃に立ち向かう
〝ビュッ!!!〟
凄まじい速さで斬撃とヤクルスの間に黒いローブを纏う者が割って入る
(???)「弾戯!!」
片腕で八戒の斬撃を弾き観客席と外壁を破壊した
(ヤクルス)「おい!ロキ!俺の獲物だぞォ!」
(ロキ)「今の一撃ヤクルスさんには防げませんでしたよ」
(ヤクルス)「いい度胸だ!ロキ!!」
二人が揉め始める
(八戒)「蒼葉!」
(蒼)「ー!」
(ヤクルス・ロキ)「ー!?」
五十嵐がゴリラ達目掛け放り投げられそれを受け止める
(蒼)「あんたは!?」
(八戒)「いいから逃げろ!!俺が引き留める!!」
(ロキ)「この六武神のロキ相手に手負いで挑む?面白いね」
蒼葉達は崩壊した外壁から外を目指した
(ヤクルス)「おい!ロキ!人間達が逃げるぞォ!?」
(ロキ)「いいさ、元々目的は八戒、客席の兵に追わせろ」
(ヤクルス)「野郎共!奴らも逃がすなよォ!」
観客席の兵士が蒼葉達に動き出す
(蒼)「まずいわね、あんた達!五十嵐連れて逃げるわよ!」
(ヤマト)「姉さん!親分は!?」
(蒼)「八戒!必ず助けに来るから今は凌いで!」
闘技場の八戒は静かに拳を突き上げた
蒼葉達は迫り来る兵士を退けコロシアムの外へ出ていった