カルキュレイションワールド 134頁
次元の亀裂から姿を現しヒュドは辺りを見渡す
そこは禅輝の家の前だった
(ヒュド)「ここが有限世界…」
辺りには車の音やどこから聴こえる人の声等で溢れていた
しかしヒュドの眼には新鮮な景色に映る
(ヒュド)「素晴らし…音、におい、景色、空気すべてが新鮮…なんて魅力的な世界だ!」
(五十嵐)「蛇…?コスプレかぁ?まぁいいや、ちょっと退いてくれ、黒鉄の野郎をぶっ飛ばすまでは今日は帰らねぇからよ」
(ヒュド)「黒鉄?お前黒鉄の息子を知っているのか?」
(五十嵐)「禅輝の事だろ?俺はそいつを今日こそぶっ飛ばす為に来たんだよ!」
(ヒュド)「なんて巡り合わせだ…」
(五十嵐)「…?」
(ヒュド)「お前を連れてゆく…遊ぶにはいい駒だ」
ヒュドは素早く尻尾を五十嵐の身体に巻き付ける
(五十嵐)「うっ…(なんて力…レイヤーじゃないのか!?)」
(ヒュド)「大人しくしていれば危害は加え…う!?」
(五十嵐)「誰が…そんな…蛇の仮装野郎信じるかよ!!」
五十嵐は身体に巻き付く尻尾を振り払う
(ヒュド)「ほぅ大した力だな、少々強引に行きいくとするか」
(五十嵐)「…ー!」
ヒュドが凄まじい速度で五十嵐との間合いを詰める
咄嗟にガードをする五十嵐
(ヒュド)「ほぅ、防げるとは」
(五十嵐)「…(早くて重てぇこいつ何なんだ!?)」
〝ザザーザザー〟
ヒュドにノイズが走る
(ヒュド)「ん?まだ不完全か、時間がない…2割でいくか…」
ヒュドの姿が変わっていく
(五十嵐)「な…何なんだ…この化け物はよ…」
異様な姿に変わるヒュド
(ヒュド)「さて続けようかーー……」
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ーー闘技場ーー
五十嵐を睨む八戒
(蒼)「あれは鬼嵐の時に見た首輪…」
観客席から五十嵐を見つめる蒼葉
(八戒)「あのリング…鬼嵐同様か?」
五十嵐と間合いを作りながら様子を見る八戒
(蒼)「八戒ーー!首輪を壊してーー!!」
(八戒)「(……わかっているが、さてどうするか…)」
(五十嵐)「ハァァァァァァ…アアアアア!」
五十嵐が八戒へ走りだし攻撃を繰り出すが全て躱す八戒
(八戒)「(この程度なら当たらないが、試合に勝つには殺さず気絶させる事が条件か…)軽衝乱打!」
五十嵐の身体に数十発以上掌底が当たる
倒れる五十嵐だがフラフラになりながらも立ち上がる
(八戒)「まずいな…理性が無い以上意識が有る限り立ち上がるのか…」
(五十嵐)「ハァァァァ…アアアア!!」
再び五十嵐の攻撃を躱す
(八戒)「重衝乱打!」
倒れる五十嵐
(八戒)「(立ち上がるな!死ぬぞ!!)」
(五十嵐)「ハァ…ハァ…ハァァ…アアア!」
フラフラになりながら再び立ち上がる五十嵐
その様子を眺めるヤクルス
(ヤクルス)「なんだよォ!弱ぇじゃねぇかァ!!それなら出力最大でいくかのォ」
ヤクルスがリモコンのつまみを回す
(五十嵐)「ぐあぁぁぁァァァァ!!」
(八戒)「くそっ!出力を上げたな!」
(蒼)「泰牙!!」
五十嵐の断末魔止み会場が静まり返る
(五十嵐)「フゥーフゥー…」
五十嵐の身体から白いオーラが立ち上がっていた