カルキュレイションワールド 133頁
入場口から現れたのはイービルリングを着けた五十嵐だった
(蒼)「うそ!?…泰牙?なんで!!」
(八戒)「人間…!?」
(五十嵐)「…」
(ヤクルス)「さぁ!最終戦始めようかのォ!」
ヤクルスのマイクが響き渡る
~アルゴス城・玉間~
(メデュー)「はいヒュド様、先程ヤクルスから連絡が入りました〝余興の最終戦手はず通り〟と」
(ヒュド)「そうか、それは結果が楽しみだ」
(メデュー)「はい、ハツネのイービルリングも人間に対しうまく機能し順調な成果です」
(ヒュド)「五十嵐泰牙…せいぜい盛り上げてもらおうか」
ヒュドが不気味に微笑む
(メデュー)「はい、ですがここまで来ると白鳳の野望も恐ろしいですね、巨額を投じた研究施設がうまく行き、白鳳の持つ小型転送装置〝シヴァ〟を改良し新たに複数人の往来を可能にした〝ブラフマー〟しかし更なる改良は耐久性ですな」
(ヒュド)「完成が楽しみだ…あの日、有限世界を見た衝撃は今も忘れられんな」
ヒュドの眼差しは記憶に魅了されていた
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ーー過去アルゴス城・研究施設ーー
神矢の姿で手には〝シヴァ〟を持つ白鳳とヒュドが巨大な装置の前に立ちその脇には科学者とメデューが居た
(白鳳)「よくこの〝シヴァ〟を元に完成させてくれたな」
(ヒュド)「資金は鼠王が研究開発は我が国の頭脳ククルカンが働いたまで」
(ククルカン)「興味の尽きぬ課題はわしの創作意欲を掻き立てる!じゃが、まだ納得いかん!このデカさ!このデザイン!なんと不細工!!35点!こんな試作品より早く次の筐体を創りたいもんじゃ!」
(白鳳)「…まずは行くぞ、黒鉄の息子をこの世界へ連れてくる事が天矢との契約だからな」
そして白鳳は〝シヴァ〟を手に持ち装置が造り出す次元の亀裂に入っていった
(ヒュド)「恐ろしい男だが…面白い!」
ヒュドは白鳳へ興味を示す
(メデュー)「驚いた…こんな物がまだ他に存在するとは…しかしこれを利用すれば確かに我が国が全てを統治する事も可能」
(ククルカン)「他の転送装置も見てみたいもんじゃ!さらなるインスピレーションを我が脳に与えなければアイディアが凝り固まるからのぅ!」
(ヒュド)「ククルカン、この〝ブラフマー〟を量産したいがやれるか。」
(ククルカン)「こんな不細工でよければなぁ!しかし時間は掛かるがのぉ」
(ヒュド)「直ぐに取り掛かれ」
(ククルカン)「ほぃほぃ」
ククルカンはその場を去ってゆき装置から白鳳が姿を現す
(白鳳)「息子の約束は果たした…この装置は好きに使え、俺は本来の姿を取り戻し次の段階へ向かう」
白鳳も部屋を出ていった
(メデュー)「…ヒュド様これを使い人間を従えさせれば国力増強に繋がります」
(ヒュド)「私が行こう…有限世界とやらを一目見に…」
ヒュドは次元の亀裂に入っていった