カルキュレイション ワールド 127頁
冴刃は禅輝を担ぎ上げ川から上がる
(冴)「ハァ…ハァ…だいぶ流されたか、あいつらも無事だといいが…でもまぁこいつを落として幕引きにしたって事は戦意の消えた行動…か、だとすれば無事だろうな…よいしょ!」
冴刃は禅輝を肩から下ろす
(冴)「ここらでいいか…おっ、この岩なんか丁度いいな」
冴刃は巨大な岩に手を振れる
ーー蒼葉&八戒ーー
二人は麓の分岐点に来ていた
(八戒)「ここが〝マセン地方〟と〝イウン地方〟への分かれ道だ」
(蒼)「それで羊王はマセン地方にいるの?」
(八戒)「いや、羊王はドサ地方に城を構えている」
(蒼)「ドサ地方ってことは此処からだとどちらのルートが近いの?」
(八戒)「ん~、イウン地方からのルートでは〝犬〟〝鶏〟〝猿〟の三つの国を跨ぐのに対し、マセン地方からなら〝蛇〟〝馬〟の2つで済む」
(蒼)「ならマセン地方からが最短って事ね」
(八戒)「だが一つ問題があってな、橋の先が縄張り意識の強い蛇王の領土を通る事が気掛かりだ」
(蒼)「蛇かぁ~確かに縄張り意識高そぅ…」
蛇王のイメージで落胆する蒼葉
(八戒)「しかし通れない訳でもないだろう、先ずは向かってみるとするか」
(蒼)「そうね、合流する事が先決ね」
蒼葉がマセン地方のルートへ目を向ける
(蒼)「ん?」
(八戒)「どうした?弓城」
八戒も目を向ける先に腕を組むG-3ライダースの三人組がいた
(バンダナゴリラ)「親分!先の死闘感銘しました!あの四聖獣白鳳を退ける戦い、あれを見て心を掴まれない者はいない!この先の蛇の領土お困りじゃないですかい?俺達が手を貸すぜ!」
(八戒)「お前達付けてきていたのか」
(バンダナゴリラ)「いやいや、あの後一晩小屋で過ごしゲッコーとは金の関係抜きでチームになり、再出発って時に不自然に暗雲が立ち込める場所があるからよ行ってみたら驚いた次第よ!」
(八戒)「所でそのゲッコーの姿が見えないが奴は何処に」
(バンダナゴリラ)「ゲッコーなら死闘を納めた映像を新聞社に売り込みに行ったぜ、四聖獣の生の戦いなんで貴重だからな」
(八戒)「余分な事を…」
(蒼)「あんた達蛇の領土通れるの?」
(バンダナゴリラ)「もちろんだぜ、元々〝渡り〟を生業にしてたからな、けど思ったより景気悪くてな、そこで賞金稼ぎになったのよ」
(蒼)「八戒力を貸してもらいましょ、トラブルなく羊王の所へ向かえるのが理想よ」
(八戒)「しかたあるまい、ライダース達力を貸してくれ」
(バンダナゴリラ)「もちろんだぜ親分!あんたに一生ついてゆく!」
(ゴリラA・B)「俺達もだ!」
(蒼)「あんた達名前は?」
(バンダナゴリラ)「俺の名前は〝ヤマト〟そしてこいつが二男の〝ニシオ〟と三男〝ヒガマル〟だ、よろしく頼む」
(蒼)「こちらこそよろしく」
蒼葉はゴリラ達と握手を交わす
(八戒)「よし、改めて羊王の所へ向かうぞ」
(蒼・ゴリラ達)「おう!」
蒼葉達はマセン地方へ向かう橋へ歩きだす