カルキュレイション ワールド 122頁
放たれる斬撃
白鳳は左腕を上空に突きだし炎の右腕を斬撃へ向ける
(キャミィ)「アタシもここにいたら巻き添えね…けどあの左腕はアタシが上空へ逃げる時の追撃の構えね…先読みされると動きづらい…それなら!!」
キャミィは白鳳へ駆けてゆく
(白)「(面白い!逃げずに向かってくるか!!)インフェルヌス・フランマ(獄火炎)!!!」
白鳳は迫り来る八戒の斬撃へ炎の翼から黒炎弾を放つ
肩で息をする八戒
黒炎弾と斬撃がぶつかり合い大気が揺れる
(キャミィ)「今なら隙だらけ!!ハッ!!」
キャミィは白鳳へと刀を投げ飛ばす
(白)「ー!(無駄な〝波〟を使わせやがる!)」
白鳳は身体の一部を炎に変え刀をすり抜けさせた
(キャミィ)「やるわね!けど、これならどお!!風霊・瞬腕撃!!!」
キャミィの拳に風が纏い白鳳へ迫る
(白)「確かに霊術なら悪くない…だがここまでだ!カエルム・トニトゥルス(天雷)!!」
〝ピカッ〟
白鳳が上げていた腕を振り下ろすと雷がキャミィへ直撃した
(キャミィ)「キャァァァァァーー………!!!」
キャミィが膝から崩れ落ちる
(蒼)「キャミィ!!」
冴刃の脳裏に傷だらけのキャシーが崩れ落ちる姿が蘇る
(冴)「くそッ!!!」
冴刃がキャミィの元へ駆け出す
(白)「邪魔はさせんぞ!冴刃!!」
キャミィに向け炎の右腕を向ける
(白)「うッー!!」
蒼葉の放った矢が白鳳の腕を射る
(蒼)「八戒!」
(八戒)「ヌァァァァァ!!フン!!!」
白鳳の背後から薙刀で渾身の力でなぎ払う
(白)「ガハッ!!」
まともに受け吹き飛ぶ白鳳
その隙に冴刃はキャミィに近寄る
(冴)「データウォール!!」
分解の進むキャミィのデータを冴刃の作り出した空間に閉じ込めた
蒼葉も駆け寄る
(蒼)「助かるの!?」
(冴)「それなりの設備と腕があればな!コンプレッション!(圧縮)」
小さくしたキャミィのデータを内ポケットにしまう冴刃
(白)「ふん!たかがデータがそんなに大事か?」
瓦礫を退かし立ち上がる白鳳
(八戒)「さすが四神バケモノか…蒼葉、冴刃、ここは俺が引き受ける…黒鉄と合流しすぐに追い付く、行け!」
(白)「まるで悪者だな、だが生き残った者こそ正義!敗者はその歴史の影に消えよ!!」
屈強で巨大な姿の白鳳が八戒に迫る
(八戒)「で、でかぃ…(これほどの威圧感を放つか…)」
(白)「塵と消えよ!!」
八戒へ白鳳の拳が迫る
(蒼)「八戒!!」
(禅)「オラァ!!」
(白)「ぐふっ!」
禅輝の拳が白鳳の頬を殴り飛す
(蒼)「禅輝!!」
(禅)「無事か八戒…」
(八戒)「あぁ…」
〝パンパン〟
ズボンの埃を払う白鳳
(白)「フゥ、なかなか効いたぞ今の拳…ヌル程度では役不足だったか?」
辺りを見渡す禅輝
(禅)「キャミィはどうした?」
(蒼)「…」
(禅)「そうか…」
禅輝の拳が赤く光る
(白)「ほぅ〝渦〟か…」
白鳳が呟く
(八戒)「黒鉄ここは引くぞ…体勢を立て直し」
(禅)「関係ねぇよ、俺はここで白鳳をぶっ飛ばして神矢を取り返す!!」
走り出す禅輝
(白)「たかがデータに何を熱くなる!?」
互いの拳がぶつかり合う