カルキュレイション ワールド 12頁
放たれた矢は牛王の肋付近に刺さるも分厚い皮膚により致命傷に至らない
(モウシン)「フン、良い所を狙ったな…だが無駄だと言ったはずだ」
蒼葉達に歩み寄る牛王
(蒼)「通じない事は百も承知!ヒバナ!牛王に刺さってる矢に火を当てて!」
(ヒバナ)「了解ヒノッ‼︎」
ヒバナは牛王に刺さる矢を目掛け火の玉を飛ばした
(モウシン)「避けるまでも無い…」
余裕な牛王
見事矢に火が当たる
(モウシン)「…⁉︎燃えるだと‼︎何故だ⁉︎」
牛王に刺さる矢が勢いよく燃え肋付近を焦がした
(蒼)「この矢は特別で、たっぷりオイルを染み込ませてあるのよ!」
(モウシン)「おのれぇ…やはり人間は侮れんな…」
火を消し終えた牛王の肋付近は火傷を負った
(蒼)「やっぱし、倒れもしないか……ヒバナ逃げなさい」
蒼葉は悟りヒバナに小声で逃げる様に促す
(モウシン)「遊びは終わりだ…」
牛王は全身に力を溜めた
(モウシン)「猛血行!」
すると牛王の腕と足の筋肉が2倍、3倍に膨らんで行く
(モウシン)「終いだ…」
牛王が蒼葉に歩み寄る
(禅)「やめ…ろ…」
禅輝は動けず、振り絞り声を出す
(ヒバナ)「逃げてばかりじゃ男が廃るヒノッ‼︎」
ヒバナは足をガタガタさせ牛王の前に立ちはだかる
(モウシン)「…まとめて消してやる」
牛王が構えた
(モウシン)「ー⁉︎」
ものすごい速さで何かが牛王とすれ違う
(狼)「牙通一閃‼︎」
咄嗟に牛王が仰け反ったが腕には切られた跡が残り出血している
(モウシン)「やはり鼠と犬の同盟の噂は本当だったか…」
牛王の睨む先には昼間町で会った左眼の眼帯狼がいた
(狼)「俺には同盟など関係ない…命令を遂行するだけだ…」
(モウシン)「鼠の護衛か?」
(狼)「フンッ…だがな俺は命令だけに従順な犬ではない、俺は狼…さらなる利益が有ればそれも遂行する」
(モウシン)「狙うは俺の首か…舐めるなよ」
牛王が狼に向かい駆ける
狼も大鉈を構え向かいだす
牛王は右腕に力を込め拳に白い闘気を纏った
(モウシン)「怒拳猛‼︎」
鋭く拳を突き出す
狼はそれを両手を使い大鉈で受ける
(狼)「クッ…‼︎(何て力だ…!)」
(モウシン)「ほう、よく受け止めたな…だが!猛点ッ‼︎」
さらに左拳に闘気を纏わせガラ空きの腹部に一撃を入れた
(狼)「グァッ‼︎」
崩れ落ちる身体を大鉈で支えた
(狼)「ハァ…ハァ…(これほどまでに強いとはな…仕方ない、好かないがアレを使うか…)」
狼は大鉈を地面に突き刺し、腰に巻いている鎖と大鉈繋げ、小袋から丸い物を取り出し口に放り込んだ
〝ゴクッ〟
(狼)「ハァァァァァァァッ…‼︎」
狼は全身に力を溜めると筋肉が膨れ上がり全身を白い闘気が包んだ