カルキュレイション ワールド 103頁
小屋の奥から男が出て来る
(禅)「ひ、人だー!!やっと会えたー!」
(蒼)「ホ、ホントにいたのね…」
感動する禅輝と蒼葉
(???)「な、なんだお前達いきなり⁉︎…それにアニマも2人?」
(禅)「おっさんが冴刃英示か⁉︎」
(???)「ん…?仁?」
(禅)「ちげーよ、息子の禅輝だ!」
(冴)「おー!若い頃にそっくりだな!って冴刃は俺だがまだおっさんじゃねぇよ」
禅輝達のやり取りを傍観するキャミィと八戒
(キャミィ)「ねぇ、アンタがホントにあの〝四神〟かい?」
(冴)「おいおい、見くびるなよ人獣、この世界の〝四聖獣〟や〝アニマ〟をプログラムしたのは俺だぞ」
(キャミィ)「キッ…‼︎じゃあどうして人獣なんて半端なもんを創ったんだよ!!」
キャミィが声を荒げ冴刃に問う
(冴)「人獣に関しては俺じゃない、お前の親父…仁だ」
冴刃が禅輝に向かい言う
(禅)「親父もプログラムを?」
(冴)「いや、アイツは能力だ…仁の憑神は親しい者へ〝人〟の力を宿らせるからな、お前の母〝トルク・キャシー〟もその影響を受けているだろ?」
(キャミィ)「…」
(禅)「親父の能力…」
(蒼)「ねぇ冴刃さん、この世界からの出口はどこにあるの?」
(禅)「そうだった!それと〜……」
禅輝達はこれまでの経緯を冴刃に話す
(冴)「……なるほど、要点は三つだな」
(禅)「あぁ、この世界の出口と白鳳神矢の戻し方…それと親父について…」
(蒼)「……」
(冴)「そうだな、まずは出口についてだが…この世界の出口は全部で四箇所、一つ目は虎王と猿王が管理する〝海底都市アトランティス〟二つ目は〝龍王〟の城〝天空要塞ラピュタ〟、そして三つ目がこの山の頂上、俺たちがこの世界を創り上げた研究施設〝古代遺跡バベルの塔〟そして例外ではあるがお前たちがこの世界に来たきっかけの白鳳の持つ本〝シヴァ〟の四箇所だ」
(蒼)「この山の頂上に出口が…ねぇ禅輝…」
(禅)「よし!決まりだな!!白鳳元に戻して本からの脱出だ!」
(蒼)「ハァ〜やっぱりそうなるわね」
(冴)「だが倅、正直白鳳を〝元に戻す〟事は不可能だ…」
(禅)「神矢には戻せねぇのか⁉︎」
(冴)「まぁ落ち着け、不可能なのは〝元に戻す〟って所だ…そもそも息子の〝白鳳神矢〟と父親〝白鳳天琊〟は別々の個体のところ、父親〝天琊〟には肉体が無い…それらが合わさっているって事はー」
(禅)「〝神矢〟として戻せば〝天琊〟には肉体が無いか…」
(蒼)「つまり元の二人には戻らないって事ね」
(冴)「そうだ、〝天琊〟は十五年前の〝仁〟との戦で肉体を失い、魂のデータを息子に移した」
(蒼)「そんなの勝手じゃない!そもそもの原因は父親でしょ!」
(冴)「だが〝神矢〟の身体は病におかされ現実世界では生きていけなかったが、この世界では病の侵攻は抑えられ、その事に〝神矢〟はすごく感謝していた…故に〝神矢〟は〝天琊〟に万が一の時は肉体の提供による恩返しを父親にしたのだ」