カルキュレイション ワールド 1頁
ーー夢の中ーー
(白鳳)「…ぜんちゃん、ぼく引っ越す事になっちゃった…
だから今までのお礼に大切なこの鍵あげるね…
ぼくらがもう少し大きくなったらその鍵で…それじゃまたね…」
懐かしい思い出の場面が消え暗闇の中誰かの呼ぶ声がした
(大倉)「………ぜん…ぜん輝!…コラッ!禅輝ッ‼︎」
聞き覚えのある声にとっさに我に帰った
目の前に立っていたのは担任の大倉正義だった
(黒鉄禅輝)「⁉︎⁉︎はい!先生⁉︎俺寝てなんかないですよ、それにホラ!」
時計を指差す
〝キーンコーンカーンコーン…〟
HRの終わるチャイムが鳴る
(大倉)「フンッ!運の良い奴めッ‼︎」
大倉の苦虫を噛んだ様な顔を横目に身支度を済ませた
(禅輝)「さてと、とっとと帰るかな」
足早に教室を出ようとした時
(禅輝)「⁉︎」
後ろから肩を掴まれる
(五十嵐)「待てよ黒鉄、ちょっとツラかせよ」
振り返るとそいつは同じクラスで不良グループの一人の五十嵐泰牙だった
場所を移し川の流れる橋のガード下に来た
ーー数分後ーー
(禅輝)「もっと強くなったら来いよな」
あっさりとカタをつけ横たわる五十嵐
禅輝は家路へ向かう
しばらく歩き家の門が見えてきた所で人影を見つけた
(禅輝)「ん?俺ん家の前に誰かいるな…あッ!!」
そこには昼間十数年ぶりに思い出した記憶の子が立っていた
(禅輝)「神矢じゃねぇか‼︎久しぶりだなぁ!」
しかし彼は遠くを見つめる冷たい眼差しで口を開いた
(白鳳)「黒鉄禅輝、僕が十三年前に渡した鍵はあるか?」
(禅輝)「…あるぜ⁇」
戸惑いながら鞄に付けていた鍵を手渡した
彼は一冊の鍵穴の付いた分厚い本を右手に
(白鳳)「ようやくこの時が来たよ黒鉄禅輝、一緒に行こうじゃないか!!」
左手の鍵を本の鍵穴に通し解錠した
すると本のページが光りながら自然にめくられてゆく
その時
(弓城蒼葉)「もぅ勝手に帰って!今日はあんたの家で勉強会でしょ!ホントすぐ居なくなるんだから、それに…?ー‼︎」
禅輝の後ろから幼馴染の弓城蒼葉が声を掛けてきた
光は話を遮るように強くなりあたり一帯を包んだ
二人は眩しさに目を覆った
暫くし目を開くとそこは草原が広がり辺りには綿のような物がふわふわと浮かぶ中に禅輝は立っていた
(禅輝)「……」
何が起きたか理解出来ないまま唖然とする禅輝
(蒼葉)「もぉーどうなってるのよ!あの子誰‼︎ここどこよッ?‼︎」
襟を掴みながら聞いてきた
(禅輝)「俺もしらねぇよこんなドラ◯エみたいな世界‼︎どうなってんだよ神矢?‼︎」
神矢のいた方を向いたがそこに姿は無かった