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戦国国防軍  作者: 007
第1章 覇王
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清洲城

午後5時

清洲城本殿大広間


本拠地清洲城に戻って来た信長達と古畑師団長は、大広間に改めて謁見していた。清洲城には古畑師団長以外には幹部のみが入城し、大量の装甲車輌以下兵器・人員は野営する事になった。古畑師団長達も謁見が済み次第、野営地に戻る予定である。


「時の衆ですか?」


古畑師団長は信長の言葉に、聞き直した。


「そうだ。良き名であろう。」

「確かに良い名であります。」

「そなた達の呼び名が無いと、軍議の時に悩むからな。」

「了解致しました。」


古畑師団長はそう言って頭を下げた。信長は頭を上げさせると、質問をした。


「して、此れから余はどうなるのだ?何時に死ぬのだ?」

「と、殿!!」


信長の言葉に柴田勝家が叫んだ。


「未来から来たのだ。余が死んだ日時も、勝家。お前が死んだ日時も、この古畑の頭には全て入っているのだ。のう、古畑。」

「はぁ、それは……」


古畑師団長は言葉に詰まった。真実を話して良いのか、それは黒子に聞けなかった。古畑師団長は『タイムパラドックス』については一般的な知識しかなかった。それは自分が生まれる前の過去に戻り、母親を殺せば自分は生まれない。だがそうなると母親の死因は自分の息子に襲われた事になる。母親が死ねば息子は生まれないが、そうなれば母親の死因(息子)が無くなってしまうのである。結果的には殺せないのが結論だったはず、古畑師団長は必死に頭の中で考えた。

信長に真実を話せば歴史が変わってしまうのでは無いか?歴史が変われば過去に来た意味が無くなるのでは無いか、等と古畑師団長は『自分達が今存在しているじてんで歴史が変わっている』にも関わらず、必死に考えていたのである。

すると、大広間の隅が文字通り歪んだ。古畑師団長や家臣達は驚いたが、信長は2回目である。余裕溢れる口調で話した。


「なに、あの女が出て来る。」


信長が言い終わるのと同時に、全身真っ黒の服に身を纏った黒子が現れた。黒子は出て来るなり、口を開いた。


「古畑、全部話しても問題は無い。そもそもお前達がこの時代に来た時点で、お前達の知る過去では無くなったのだ。」


黒子の言葉に、古畑師団長は首を傾げた。


「どう言う事ですか?」

「分からん奴だな。つまりはこの時代にお前達は存在していない物だ。それが現れた。存在しない物が現れたら、それはつまり歴史がその瞬間に代わったのだ。ようはお前達が存在する、または出現した戦国時代と言う事になる。パラレルワールドは大量の時間軸を有する物なのだ。」

「て事は我々がタイムスリップしても意味が無いじゃないですか!!」


古畑師団長は叫んだ。まさにその通りである。黒子の言う通りなら、何の為にわざわざタイムスリップしたのかが分からない。だが黒子はあくまでも冷静であった。


「私を誰だと思っている。この全宇宙を支配する生命体の管理者だぞ。」


黒子はさも当然の如く言うと、右手を出し掌を上に向けた。信長や古畑師団長が見詰めるなか、黒子はいきなり球体を出現させた。


「これはとある宇宙の片隅にある惑星だ。近付いて見てみろ。」


黒子に言われ古畑師団長が近付くと、確かに雲が移動しているのが分かった。


「そしてこうすれば。」


そう言いながら黒子は、球体を両手で握り潰した。


「これでこの惑星は滅んだ。120億と一緒に。」


黒子の言葉に、古畑師団長以下全員が唖然とした。惑星が滅亡したと言われても、それを確かめようが無い。だが黒子が嘘をつくとは思えないので滅亡したのであろう。しかし信長の家臣の1人が高らかと笑いだした。


「殿、この女は頭がおかしいのではありませんか?」

「そう思うか。なら試してみるが良い。刀で斬りかかってみよ。この女には誰も勝てぬ。」


信長に言われ、憮然とした家臣は刀を抜くと、勢いよく黒子に斬りかかった。


ビシッ!!


一刀両断されかけた黒子は乾いた音だけをたて、刀を指先だけで受け止めた。


「小癪な。」

「ガハッ!!」


黒子は家臣の首をを掴み、力強く絞めながら持ち上げた。


「信長、1人家臣が減るぞ。」

「致し方無い。」


信長の返事を聞くと、黒子は家臣の首を胴体から引き千切った。

頭と体を投げ捨てた黒子は手を叩くと、口を開いた。


「とにかく、私を侮るな。古畑、歴史は問題無い。パラレルワールドを直結するのは簡単な事だ。」


それだけ言うと黒子は消えた。


「とにかく、大丈夫なようですね。」


古畑師団長は黒子の消えた位置を見詰めながら呟いた。


「そのようだな。とにかく頼んだぞ。」


信長はそう言って立ち上がると古畑師団長の手をとった。


「しっかりと協力してくれ。」

「勿論です。」

「頼もしい援軍が来てくれて嬉しいぞ。」

「ありがとうございます。」


古畑師団長はそう言うと頭を下げた。










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