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戦国国防軍  作者: 007
第1章 覇王
4/5

対面

午後12時30分

織田信長陣営内


遂に織田信長と古畑師団長の会談が始まった。


「貴様らが未来から来たのか?」

「はい。西暦2025年からやって来ました。」

「せいれき?」


古畑師団長の言葉に信長は首を傾げた。


「西暦について説明をすれば話が長くなりますので割愛します。殿の時代は西暦で1560年になります。私共は2025年から時空転移して来ましたので、465年未来になります。」

「465年も未来から来たのか!?」


信長は驚きの声をあげた。信長の後ろに控える家臣達もざわついている。


「貴様らにもあの女が現れたのか?」

「全身が黒い女性ですか?」

「左様。」

「現れたようです。」

「どう言う事だ?」

「説明がややこしいのですが私共の日の本は、殿の世界の将軍にあたる内閣総理大臣が日の本を実質的に統治しています。」

「ないかくそうりだいじん?」

「真の将軍にあたるのは天皇陛下ですが、実質的に政を取り仕切るのは総理大臣です。」

「……続けろ。」

「その総理大臣を頂点にし日の本の政を行う組織を内閣と言います。その内閣での軍議を閣議と言います。私共の未来で世界が混沌を極め世界を平定させる為に、考えついたのが今回の時空転移であります。その時空転移をさせる方法を考えていた時に総理大臣の前に現れたのが、黒子さんでありました。」

「ふむ。」

「その黒子さんが時空転移をさせてくれるとの事であり、私共は基地に集結。閃光に包まれたと思ったら、殿の前に時空転移していました。」

「成る程。」


信長は古畑師団長の言葉に頷いた。


「して、貴様らは何故時空転移をしようと思ったのだ?」


信長が古畑師団長に素朴な疑問をぶつけた。確かに疑問である。わざわざ戦国時代に来る必要があったのか?


「その疑問にはまずこれをご覧下さい。」


古畑師団長はそう言ってノートパソコンを信長の前に出した。


「なんだこれは?」

「ノートパソコンと言います。映像が流れますので、ご覧下さい。」

「のーとぱそこん、えいぞう?」


信長の言葉を聞きながら、古畑師団長は映像を再生した。


「おぉ!?」


信長や家臣達は驚きの声をあげた。

映像は江戸幕府以後の近代史であった。あえて戦国時代の結果は飛ばして、明治維新による日の本の情勢を映像にしたのである。時空転移前にNHKに要請し纏めた映像であった。南蛮人の台頭により世界が如何に混迷を極めたかが映像では説明されていた。


「成る程。それで貴様らは時空転移をしたのか。」

「はい。」


信長の言葉に、古畑師団長は答えた。家臣達は未だに夢心地のような感じであった。


「貴様らの時空転移の意義、了承した。」

「ありがとうございます。」

「それでだが。」

「何でしょう?」


信長の改まった態度に古畑師団長は尋ねた。


「貴様らの持って来た兵器。あの鋼鉄の亀について説明してくれぬか。」

「鋼鉄の亀?成る程、了解しました。それではご説明します。どうぞこちらへ。」


古畑師団長は立ち上がると、信長を案内した。





平野を見渡す丘


古畑師団長は信長と家臣達を連れて平野を見渡す丘に立っていた。古畑師団長は無線機を持っており、順番に兵器を行進させる腹積もりであった。


「それでは先ずは鋼鉄の亀からご説明しましょう。[第3戦車大隊、前進!!]」


古畑師団長の命令により10式戦車改・90式戦車改以下、第3戦車大隊装甲車輌が前進を始めた。


「先頭を走ります鋼鉄の亀が、正式名10式戦車改です。」

「せんしゃ。」


信長がポツリと呟いた。


「戦車です。10式戦車改は全長9.42メートル、全幅3.24メートル。重量49トンで、時速75キロで走ります。馬よりも速いですね。」


ドゥワァァァァァァン!!


古畑師団長の言葉に続いて、10式戦車改が主砲を発射した。あまりにも大きな音に家臣の何人かは腰を抜かし、馬は飛び上がった。


「主砲は日本製鋼所製55口径120ミリ砲です。10式戦車改に改良する時に44口径から換装しました。そもそも10式戦車を10式戦車改に改良した理由はゲリコマ対策に強化した為です。」

「げりこま?」

「ゲリラコマンド部隊です。殿の時代で説明すれば忍者ですかね。」

「未来にもいるのか。」

「ちょっと違いますが、その方が理解出来ると思います。」

「成る程。」

「改良点は主砲以外にもあります。砲塔上部の12.7ミリ機銃を12.7ミリ遠隔操作式無人銃架に幅換装。これにより車外で身をさらして操作する必要が無くなり、人的被害の軽減に繋がります。この装備は戦国時代でも強みになります。そして対ロケット弾・ミサイルに対応し、スラットアーマーと爆発反応装甲を拡張しています。更にはアクティブ防護システムを採用。ミサイル誘導攪乱のソフトキル型、ミリ波レーダーやセンサー等で飛翔体を感知すると迎撃ミサイルを発射するハードキル型の両方を装備しています。これら改良により重量が5トン増えましたが、エンジンを1200馬力ディーゼルエンジンから1500馬力ディーゼルエンジンに換装した為に、寧ろ5キロ時速が速くなりました。それ以外のシステムは改良前と同じです。後ろを走る90式戦車改も10式戦車改と同じ改良を受けています。」


古畑師団長はそう言って信長の顔を見た。信長は興奮した表情を浮かべて戦車を見ていた。それを見て古畑師団長は全部隊を行進させる事にした。


「殿、ご覧下さい。[全部隊前進!!]」


古畑師団長の命令に残りの装甲車輌と歩兵部隊、ヘリコプター部隊が前進を開始した。

信長と家臣達は呆然と見つめていた。






メートルやらミリやセンチやら、横文字はご了承下さい。尺貫法を遵守する予定でしたが、しんどいです。

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