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戦国国防軍  作者: 007
第1章 覇王
3/5

未知との遭遇

1560年4月19日午前11時55分

尾張国某地


織田信長は陣を構え、待っていた。

1週間前突然信長の前に現れた全身黒の服を着た女。女は驚く信長に『黒子』と名乗った。黒子は開口一番、「時間を超越して援軍が来る」と語った。信長は怒りに震え、刀を抜くとその女を叩き切った。あまりにも話が馬鹿げていた。しかし女は血を流す事無く、不適な笑みを見せると信長を手で払う仕草をした。すると信長は吹き飛ばされた。「私は生命体の管理者。貴様を殺すのは容易い。」そう言って黒子は信長の刀を指1本でへし折った。信長は観念したように黒子に尋ねた。「援軍とは真か?」それに黒子は頷いた。「嘘は付かない。4月19日に援軍が訪れる。出迎えろ。」そう言うと、その女は姿を消した。


「殿、果たして現れるでしょうか?」


家臣の村井定勝が信長に尋ねた。


「……」


信長は答えず、定勝もそれ以上聞かなかった。定勝のみならず他の家臣も、突然の信長の言動と行動に驚いていた。だがそれを頭ごなしに否定する事は出来ない。それなら付き合うのも悪くない。別に不利益な事は無いのだから。


「やはり来ぬか。」


信長は一言呟いた。この言葉に家臣達も帰れると思ったその時である。信長達を閃光が包み込んだ。


「!?」


慌てて目を覆った信長は、大地が揺れるのを感じた。それは家臣達も感じたらしく、口々に何かを叫んでいた。



永久に続くかと思われた閃光と揺れは唐突に終わった。恐る恐る目を開けた信長は、信じられない光景を目の当たりにした。


「こ、これは……?」


定勝が呟いた。目の前に広がっていた平野に、見たことも無い、鉄の塊が何十個と現れていたのである。

信長と陸上国防軍第3師団の出逢いであった。







同時刻

陸上国防軍第3師団司令部付22式指揮通信車車内


「全員無事か?」


第3師団師団長古畑龍治中将は頭を擦りながら叫んだ。その声に車内にいた隊員達は、目を開けた。


「ここは戦国時代でしょうか?」


車長の上林孝彦大尉が古畑師団長に尋ねた。


「たぶんそうだろう。あの女性が転移させたのだから間違い無い。」


古畑師団長はそう答えた。古畑師団長達の乗る22式指揮通信車は82式指揮通信車の後継として2022年に正式採用された。22式指揮通信車は将来装輪戦闘車輌のファミリー化構想により一連の装甲車輌の1種として開発された。そのファミリー化の長子は16式機動戦闘車である。これに22式指揮通信車が続き、2式装甲兵員輸送車・23式補給支援車・4式近接戦闘車・4式改機関砲車が開発された。それら全てがこの第3師団に配備されている。その他兵器はまた追い追い説明します。


「外に出ますか?」

「俺が出よう。」

「まっ、」


上林車長の言葉を待たずに古畑師団長はハッチを開けて外に出た。


「ここが戦国時代。」


古畑師団長は呟いた。見渡す限りの平野であり。所々に集落らしき物が見える位である。のんびりした光景が広がっていた。そして目の前に陣が構えられていた。黒子の話が正しければ、あの陣は織田信長の物である。古畑師団長は車内に戻った。


「通信士。」

「はい。」


古畑師団長の言葉に、通信士の高坂凉子中尉が返事をした。


「第7歩兵連隊の第1中隊に、私についてくるよう命令する。以上伝えてくれ。」

「了解しました。」


高坂通信士はそう言うと、通信を始めた。


「いよいよ信長とご対面だ。歴史上の人物に会う事になるとはな。」


古畑師団長はそう呟いた。










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