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それさえや。   作者: 源 俊一
第一期
3/27

自暴自棄の四畳半

それはまるで流れ作業のように、敷き詰められる。私の四畳半が大きい荷物で埋まっていく。滝のように勢いよく。


私はいつも身動きも取れずに、とにかく手が届くものから片付けていく。


そうやって、私は私自身を追い詰めていく。


これはごく自然のことで、私にとっては日常茶飯事なのだ。そうしないと私が動かないから。自分のスペースが広すぎて呆然としてしまう。


だからとりあえず自分からそこに荷物をおいて、意味なんてなくたって片付けていく。


たまには捨てることだってある。流石に四畳半じゃ限界はある。


引越しをしよう。五畳半でも六畳でも。なんでもいいから今より広く。

そう思ったことは沢山あるけれど、今度は広すぎて片付かない。そうしたら、捨てるものが多くなり、いつしか自分も捨てている事になる。


だから一番。この四畳半が丁度いい。


「咲依はいっつも何かをしていたり、考えたりしてるよね。」


とよく言われる。私は毎日のように、暇なく四畳半の荷物の荷ほどきをしている。

この四畳半は、私にとって神聖な場所で、誰にも見られたくない部屋なんだ。

だから。


「お前は何を考えてるのかわからない。」


そう高校二年まで付き合ってた彼に言われても、私は何も応えない。何を考えてるのかわからないのなら、勝手に解釈してくれていい。私も自分の事などわからない。


どうせ、荷物の中身はいつだって空だ。

でもそこにきっと私の何かが入ってると信じてずっと探している。


自暴自棄の私は、今日も四畳半で一人。

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