自暴自棄の四畳半
それはまるで流れ作業のように、敷き詰められる。私の四畳半が大きい荷物で埋まっていく。滝のように勢いよく。
私はいつも身動きも取れずに、とにかく手が届くものから片付けていく。
そうやって、私は私自身を追い詰めていく。
これはごく自然のことで、私にとっては日常茶飯事なのだ。そうしないと私が動かないから。自分のスペースが広すぎて呆然としてしまう。
だからとりあえず自分からそこに荷物をおいて、意味なんてなくたって片付けていく。
たまには捨てることだってある。流石に四畳半じゃ限界はある。
引越しをしよう。五畳半でも六畳でも。なんでもいいから今より広く。
そう思ったことは沢山あるけれど、今度は広すぎて片付かない。そうしたら、捨てるものが多くなり、いつしか自分も捨てている事になる。
だから一番。この四畳半が丁度いい。
「咲依はいっつも何かをしていたり、考えたりしてるよね。」
とよく言われる。私は毎日のように、暇なく四畳半の荷物の荷ほどきをしている。
この四畳半は、私にとって神聖な場所で、誰にも見られたくない部屋なんだ。
だから。
「お前は何を考えてるのかわからない。」
そう高校二年まで付き合ってた彼に言われても、私は何も応えない。何を考えてるのかわからないのなら、勝手に解釈してくれていい。私も自分の事などわからない。
どうせ、荷物の中身はいつだって空だ。
でもそこにきっと私の何かが入ってると信じてずっと探している。
自暴自棄の私は、今日も四畳半で一人。