第8話 孤児院での一幕
○シティ 東地区 孤児院
あれから3日が経った。 あの夜以降、最近フィリアさんの機嫌が良い為ヒロトさんは伸び伸びと仕事をやっているようだったけど、今日はいつもと違ってソワソワしている感じがする。
今回の依頼先はこの孤児院の園長先生からで、壊れて使えなくなった子供達のベッドを有効活用して何か作って欲しいと言う内容だ。
「リリア、木工と言う物は材料を一度切り出してしまうと修正が利かなくなるから大変なんだ」
ヒロトさんはそう言いながら鉛筆で材料に切断線を描いて電動ノコギリで切り出していく。 私はと言うとその切り出した材料のバリと言われる切り欠きを取り、使用者が怪我をしないように角をヤスリで削ったり、ハンマーで潰している。
「効率良く木工をすることで大事なのは「正確な図面」、「正確なケガキ(切断線とかのこと)」、「正確な切断」だ。 これをしっかり出来ればあとは簡単に組み立てるだけってこと」
昔、彼の世界の大工さんは設計図の数値をちょっとでも間違えただけで、親方から鉛筆で腕を刺されることがあったらしい。 それだけ、大工さんという職業は崇高で高い学識が求められる仕事なんだけど、今は設計、切り出し、組み立ての工程がハッキリ分けられてしまって、設計から組み立てまで全てやることは少なくなってしまったと話してくれた。
「正確に切り出すのに一番大切なのはキチンとした道具を揃えることだよ」
ヒロトさんはそう言いながら、ホゾ穴(木をはめ込む為の穴)を作るためにノミを取り出す。 驚くことに、彼は今回の依頼先に向かう際にノミだけで20種類以上持ってきており、それらを器用に使って綺麗な四角い穴を開けていた。
「大工さんの仕事もされたことがあるんですか?」
私の言葉にヒロトさんは「昔ちょっとね」と答えてくれた。 これまで彼の仕事振りを見て思うのだが、彼に作れないものは無いのかと思えるほど、多彩な依頼をこなしていた。
出来上がった物も完璧と言って良いほどの出来栄えで、依頼された方々は皆、満足されていた。
その上、他の職人気質の人達と違って彼は腰が低く、どんな我が儘にも答えてくれることから多くの人々から頼りにされている。
「よし、休憩」
「はい」
彼のその言葉を合図に私は使っていた道具を一旦綺麗に並べて水筒からお茶を取り出す。 いつも優しく接してくれるヒロトさんだけど休憩の時に、工具を出しっぱなしにすると怒るところがある。
「プロは決して工具を放置しない」
「現場は来た時よりも帰る時の方が綺麗に見えなくてはならない」
「芸術品を作るんじゃない、依頼人の要求する製品を作るんだ」
仕事に対する目は厳しく、私がこれらのルールに反することがあればすぐに怒るため、仕事中はなかなか気が抜けないところがある。
ヒロトさんは私が用意したお茶を「ありがとう」と言って、一気に飲みほすと「ちょっと園長の所に行って来る」と言って孤児院の建物の中へと姿を消した。
「頑張ってるわね」
ヒロトさんにお茶を渡した後、自分の分のお茶を入れる私にフィリアさんが声をかけてくれた。
「いえ、まだまだ未熟者でいつも怒られてばかりです」
「私から見ると小さな体で一生懸命やってると思うわよ」
フィリアさんはそう言いながら私の隣に座る。 今まで、彼女のように私のことを褒めてくれる人はいるけどヒロトさん自身は余り褒めることはしてくれない。 この一ヶ月、怒っているときの言葉を思い出すと「掃除が出来ていない」「道具をそんな使い方して良いと思うな」「材料を傷付けるな」など、例を挙げたらきりが無い。 褒めてくれたといえばこうして自分からお茶を渡した時ぐらいだ。
「彼、ここの仕事に関しては報酬を受け取らないのよ」
「え、なぜなんですか?」
「この施設は商事ギルドの手によって運営されてるんだけど、彼は「子供の喜ぶ顔が見れればそれで良い」って言って、受け取らずにこの施設に寄付してるの」
通常、ヒロトさんに依頼をする場合は商事ギルドを通してニヒルさんの手によって予定を組まれてるんだけど、毎回渡されている報酬はヒロトさんが週末に纏めてフィリアさんから直接受け取ってるので私は何に使われているのか知らなかった。 一応、私にも給料という形で週に銀貨を1枚受け取っていたので特に気にしてはいなかったけど、まさかこのような形で使っていたとは。
「彼はややこしい依頼を受ける割には儲けをほとんど気にしてないのよ。 仕事に関して厳しいのは「お金をもらう手前適当なことはできない」という信念の裏返しなの」
「優しい人なんですね」
ヒロトさんは仕事中は基本的に、無口で厳しいけどそれは彼が周りの人を思う優しさからきていることに私は初めて知ることになる。
「そういえば今日はなぜこちらに?」
「実はね、こないだの催しで二アの孤児院の話に興味を持ったご婦人方がいて、今度ここに表敬訪問することになったの。 今日はその時のための打ち合わせと子供達による出し物を考えるために来たって訳」
「じゃあ二アさんもこちらに来るんですか?」
「午後からね、私は先にここの園長に用事があったから早めに来たのよ」
フィリアさんはそう言い残すと「じゃあ、またね」と言って立ち去っていった。
ヒロトさんと一番長く付き合ってるだけに彼女の言葉は私にとって大きな励ましになる。
「お~い、リリア休憩終わりだぞ!!」
「あ、はい!!」
いつの間にか戻ってきたヒロトさんの声で我に返り、私はお茶をあわてて飲んだ後、残りの組立作業に入ることにする。
1時間後......
「よし、あとは色を塗るだけだな」
ヒロトさんの手によって完成したベンチは大人三人が余裕で座れる立派なもので、壊れたベッドが材料とは思えないほど丈夫に作られていた。
「よし、リリア残りは君が午後から仕上げてくれ」
「え!?」
「園長先生の許可は取ってあるから残りの色塗りはここの子供達と一緒に好きに塗っていいよ」
ヒロトさんから初めて任された仕事、彼の言葉に私は心の底からやる気をみなぎらせてしまう。
「分かりました!」
「その意気だ、俺はちょっと午後から用事があるから任せたよ」
「用事?」
「夕方には迎えに行くからのんびりやってていいよ。 お昼に関しては孤児院で用意してくれる手筈だから」
「はい?」
一体、ヒロトさんは何をそんなに焦ってるのだろうか。 何か私に知られたくないことでもあるのかもしれない。 彼は私に「任せた」と言い残すと足早にその場を立ち去って行った。
「あれ、ヒロトはどこに行ったの?」
ヒロトさんがいなくなった後、園長先生の所に行っていたフィリアさんが声をかけてきた。
「用事があるみたいでどこかに行きました」
「は!?」
「急いでましたけど」
「変ね、今日は一日中ここにいる筈なのに」
フィリアさんも知らなかったヒロトさんの行き先、私はそれを意外な場所で知ることになる。
○北地区 サーヘル大学敷地内 林の中
ここは大学の敷地内でも比較的人目につかない場所であり、中央の開けた広場には地下水を水源とする小さな湖があり、周りには青々とした芝生が植えてあった。 本来は薬草などの栽培をするために作られた場所であったものの、予算不足のため本来の目的を果たせず放置され荒れ果ててしまう。 しかし、近年は二人の男女の手によって綺麗に整地され一際美しい光景となっており、二人にとって秘密の場所となっていた。
木々の合間から暖かな木漏れ日のさすこの日、湖の辺にある芝生の上でエルシャに膝枕される形で寝そべるヒロトの姿があった。
「相変わらず時間厳守ね」
「時間を守らない人間は信用を失うからな」
俺は後頭部でエルシャの体温を感じつつ答える。 こないだの催しのお礼をするために俺はこうして彼女の持ってきた弁当を食べた後、秘密の場所でエルシャと二人っきりで過ごしている訳だ。 この場所は俺とエルシャがエルフの里をイメージして作ったビオトープであり、俺達の他には野ウサギやアヒルの戯れる光景があった。
「もう、いくつになっても甘えんぼなんだから」
「良いじゃないか、こういう時くらい」
この場所は里を追い出されたエルシャのために俺が彼女と休日を利用して作り上げた場所であり、俺達は二人っきりでいる時は必ずと言っていいほどここに来ている。
「ホント、ここは落ち着くわ」
「気に入ってくれて嬉しいよ」
今日のエルシャは俺のために碧一色のワンピースを着ており、俺が来た時には手作り弁当を持って待っていてくれていた。 その姿は日頃の不良エルフの光景とは大違いであり、俺は思わず彼女に甘えてしまい、こうして膝枕してもらっている訳だ。
「ねえ~」
「フガ!?む、胸があ、当たって......」
「あ、ごめ~ん」
エルシャは舌を出して「テヘ♪」と言いつつ、俺の隣に移動する。 彼女の表情だけでなく、柔らかい香りが俺の鼻をくすぐり、顔に触れた金色のサラサラした髪の感触が気持ちよく感じてしまい、下半身に血が流れてしまう。
そんな俺の気持ちに気付いたのか彼女は俺の耳元でこう呟く。
「あの日の夜はお楽しみだったでしょ?」
「ちょ!?」
「フィリアちゃんばっかり相手してずるいわ。 私だってリリアちゃんの相手をしてあげたんだから~」
そう言いながら彼女は片方の手を俺の胸にのせ、一指し指を口に当てて甘い言葉を囁き続ける。
「良い体ね~食べちゃいたいくらい」
「ま、待て、今日はそのつもりは......」
「お弁当美味しかった?」
「ん、あ、ああ、良い味だったよ」
「フフ、そうなんだ...デザート食べる?」
「ん、果物とか持ってきたの?」
「ええ、君の大好きな柔らかい桃よ♪」
その瞬間、エルシャは突然俺の体の上に乗り、肩紐を緩めて熟れた桃のような胸を露にして俺の唇を奪う。
......美味しく頂きました。
2時間後......
ここまでの出来事を説明するなら敢えて言おう、エルシャともそういう関係であったことだ。
世間から言わせると浮気者かもしれないが俺はエルシャのことも愛してる。 ハーレムとか女たらしとかビ○グダ○ィと言われてもかまわない、エルシャ自身も遊びと言ってくれている訳だし。 娼館に行くよりは大分マシな筈だ、たぶん......
「ウフフ、美味しかった?」
「ああ」
先程まで周囲に聞こえるのもお構い無しにいやらしい声を上げていたエルシャ。 俺も好物の桃を前にして理性を失っていた。
野生動物のように俺達は愛し合ってしまい、今もこうして火照った体を冷やすために裸で抱き合っている。
「君との関係は刺激的で楽しいわ」
「それはそうと何回もやって良かったのか?」
俺の不安に頬を赤く染めつつも彼女は「大丈夫」と答える。
「エルフは人の3倍長生きするから人口の抑制のためになかなか妊娠しないのよ」
「ホントかよ!?」
さすがにエルシャが妊娠するような事態になれば俺の命は危ない。 たまにとはいえ毎回あれだけの回数をこなせばいつかそういう事態になるかもしれん。 でも、そう考えるとフィリアも妊娠する可能性がある気もするが。
「なあ?」
「ん、足りないの?」
「いや、この前話したゴム製の避妊具って作れないか」
その言葉にエルシャはジト目になり、上目遣いで「君との愛の形を受け入れたいのよ~」と言い始める。
「......」
もう一回やってしまいました。
無いなら自分で作ろうか...でも二人は嫌がる可能性が高いかもしれない。
○孤児院
ヒロトがエルシャとイチャラブアンアンしていた頃、リリアは孤児院の子供達と共に作ったばかりのベンチに色を塗っていた。 師匠達が遊んでいるにも関わらず、真面目に仕事をする彼女はある意味弟子の鏡かもしれない。
「リリアお姉ちゃ~ん、牛さんだよ~」
「僕は犬!」
「馬~」
「わあ、上手だね~」
子供達は顔に絵の具が着くのもお構い無しに夢中になって自分達の好きな絵を描いており、リリアも彼等に負けじと猫の絵を描いていた。
「お、楽しそうだね~」
「二アさん!」
先程までフィリア達と打ち合わせをしていた二アが声をかけてきた。
「がんばってるねえ」
「そういえば今度、子供達で出し物をするって聞きましたけど」
「う~ん、取り合えずみんなで歌を歌って踊りを振付けようかって考えてるんだけど、良い歌が思いつかないのよ」
「そうですか」
「来る人たちも貴族や豪商の奥様や娘さん達だからね。 下手に庶民で歌うような民謡は印象が悪いし」
普段、孤児院で歌われている歌は孤児達に馴染みの深い民謡や、童謡であるためオペラやクラシックに耳の慣れたご婦人方が聞くには少々物足りなさがある。
二アが困っていると後ろからフィリアが声をかけてきた。
「これ、ヒロトの物なんだけど使えるかもしれないわ」
「何ですかそれ?」
フィリアの手には青一色でマッチ箱程の大きさの箱が握られていた。
「ヒロトの世界で使われていたものでこれで色々な音楽を聴けるの」
彼女はそう言うとヒロトに教わったとおりに箱を操作すると賑やかな音楽が聞こえてくる。
「これは......」
「ねえ、これ良いかもしんない」
「そうね、これを元に踊りを付ければ良いかも」
その箱はヒロトがこの世界に持ってきてしまったスマートフォンであり、彼が登録していた音楽の中に今回の催しにピッタリの音楽があったのである。
「踊りはどうしようかな?」
「任せて、良い案があるの」
フィリアはなぜかリリアとニアを眺めながら「ムフフ」と声を出していた。
夕方......
火照った体を冷やしつつヒロトは孤児院の門をくぐる。
「エルシャの奴、はしゃぎすぎだよ」
自分のことを差し置いてヒロトはエルシャの悪口を呟く。 始めのうちこそ彼女の方から誘惑したのだが、トータルで言うと明らかに彼の方から攻めることが多かったのだが。
「あれ、皆どこにいるんだ?」
午前中に出来上がったベンチはリリアと子供達によって色とりどりの模様や色が塗られており、個性溢れる物となっていたが付近に誰もいないことに彼は頭を傾げてしまう。
「ん? この音楽は......」
ヒロトは聞き覚えのある音楽を耳にし、普段はお遊戯の場所として使っている部屋に向かうことにする。
○孤児院 お遊戯部屋
「ニャンニャン、ニャニャン、ニャンニャンニャ~ン♪」
「「「ニャー!!」」」
演台の上で猫耳を出した二アと、猫耳作業帽を被って尻尾をつけたリリア、なぜか持っていたネコ耳セットを装着したフィリアがヒロトのスマートフォンから流れる音楽を元に子供達の前で踊りを披露していた。
「ニャニャニャ~ニャニャ、ニャニャニャ~ニャニャ、ニャニャニャンニャンニャニャニャ~ンニャニャニャ♪」
「「「ニャー!!」」」
リリアたちの声に合わせるが如く、子供達は大はしゃぎで声を合わせる。
この歌は本来こんな歌詞ではないのだが、フィリアは皆が覚えやすいようにわざと猫声で代用したのである。
「フィリアさん......は、恥ずかしいです」
「ダメよ、子供達が喜んでるんだから」
顔を赤くして恥ずかしがるリリアをフィリアは叱責する。 二アに関してはノリノリで時折「ニャア★」と愛嬌を振りまわっていた。
「二アのような猫族に対する偏見を取り除くにはこれが一番なのよ」
「そんなの誰から教わったんですか!?」
「ヒロトの持っていた資料に書いてあったのよ」
「え!?」
一応言っておくがヒロトにそんな趣味は無い。
「彼の世界では二アのような獣族はいないけど、多くの人々の憧れになっていてこうしてニャンニャンするのが流行ってるそうよ」
「本当ですか?」
「本当よ、現に彼にこの格好をして誘ったら凄い勢いで襲ってきたの」
「へ!?」
リリアに少々過激な言葉を口にするフィリアであったが、ヒロトが興奮した理由はあくまで猫耳に反応した訳でなく、初めて彼女の方から誘ってきたことに喜んだからである。
そもそもヒロトの持っていた資料と言うのは彼が召還されたばかりの頃、車に積んであった雑誌の中にあった「美少女コスプレ大特集、ニャンニャン娘現る!」のことを指すのだが、それの本来の所有者はヒロトではなく「中村工務店」の社長なのだが。
「子供に変なこと教えるな!!」
「きゃ!?」
「ニャ!?」
「ヒロト!!」
いつの間にか傍にいたヒロトの姿に、三人は驚いてしまう。
「お前らなあ......」
あまりの光景に頭痛を覚えてしまった彼であったが、子供達の間から「これ楽しい!!」「二ア姉ちゃん可愛い!!」など喜びの声が上がってくる。
「良い反応だニャ」
盛り上がりを見せる子供達の反応を見て二アは満足げな顔をしている。
「良いアイデアでしょ」
胸を張って「エッヘン」と言うフィリアにヒロトは呆れながらもこう答える。
「もう好きにして良いよ......」
後に、この出し物はご婦人方(特に連れて来られた旦那達)に大変好評だった模様で、獣系の種族の偏見を緩和するのに役立つことになる。 また、この頃から街の新聞の求人広告欄になぜか『猫族のメイド募集』の広告が載せられたという珍事も発生したらしい。
○酒場 バッカス
孤児院での仕事を終え、ヒロト達は夕飯を食べるために店に入るとカウンターで機嫌良くお酒を飲むエルシャの姿があった。
「あ、皆も今日はこっちで食べるんだ」
酔いが廻った為か彼女は一同をカウンター席に誘い、入り口からフィリア、ヒロト、エルシャ、リリアの順に席に着く。
「何か良い事があったんですか?」
リリアの言葉にエルシャはニヤニヤしながら「リリアちゃんにはまだ早い話よ」と答え、ヒロトの肩にもたれる。
「?」
疑問に思うリリアであったが、すぐにエルシャの肌が今朝と違ってツヤツヤしていることに気付いてしまう。
(まさか!!)
不審に思ってヒロトの方に視線を移すと、彼は手に持ったコップをカタカタと震わせていた。 彼は酔っ払ったエルシャが何かの拍子に、午後の情事をフィリアに暴露してしまうのではないかと怯えていたのである。 しかし、既に手遅れであったようだ。
「ヒロト」
心なしかフィリアの言葉は冷たく、目には怒りを見せている。
二人の反応から彼女は明らかに何があったのか気付いていた。
「な、何かな......」
震えながらも声を絞り出すヒロト、その光景にエルシャを除く周りの人々はゆっくりと離れ始めている。 フィリアは先程使っていた猫耳セットを装着すると同時に目を吊り上げ、口元から八重歯を見せてこう呟く。
「今夜はあなたが欲しいニャア~」
その日、精根尽き果てたはずの彼はエルシャと共に一晩中フィリアの相手をさせられることになり、次の日の朝にはゲッソリしたヒロトを尻目に肌をツヤツヤさせたフィリアの姿があった。
一方、エルシャは新たなジャンルに目覚めてしまったらしく「またやりたい」とヒロトに囁いたらしいが、彼は「二度と御免だ」と呟いたという。
仕事に関しては真面目で職人気質な主人公でしたが、プライベートに関してはダメ人間(盛りのついた猿とも言う)という事実をリリアは知ることになりました。
まあ、完璧な主人公なんていませんしね。
次話からあのフードの女が登場し、リリアと接触する予定です。 お楽しみに~