第22話 過去からのメッセージ 後編
○シュミットの工場内 厨房
今日はフィリアの提案でドワーフ族と慰労会をすることになり、花火作りで手が離せなくなっている女性陣のためにアミは一人で準備をしていたのだが、そこで思わぬ人物に声をかけられてしまう。
「アミ、待たせたね」
「あ、あなたは......」
彼女の目の前には先月夢の中に現れた青年の姿があり、その服装は夢で現れた時と同じ傷だらけの鎧姿で頭には包帯を巻いていることからあの時、彼女が兄と呼んでいた人物であると伺える。
「無事で良かった。 みんなも待ってる、俺と一緒に故郷に帰ろう」
「すみません、私あなたのことがよく分からないです」
突然現れた兄と名乗る青年の姿にアミはどうしていいのか分からず、言葉を濁してしまう。 しかし、ロキはそんな彼女の態度に関わらず、口を開く。
「兄のことを覚えてないのか? 一緒に戦場を駆け回ったというのに」
「兄...戦場?」
「チズも一緒だ、早く帰ろう」
「チズ...義姉さん...」
ズキ!!
かつて、共に戦場を駆け回った兄のパートナーの名前を聞き、アミは頭痛を覚えてしまう。 そのまま彼女は地面に膝を付き、調理台に体を預けるも脳内を巡る記憶の波に吐き気を覚え、目の前の光景が歪み始める。
「帰ろう、俺達の故郷へ」
「帰る...」
「みんなも一緒だ」
「みんな...」
ロキの誘いに乗り、フラフラと立ち上がるアミ。 意識を朦朧としながらも彼女はそのままロキの所へと向かおうとするのだが、ヒロトの怒鳴り声で我に返る。
「アミ、そいつから離れるんだ!!」
バアン!!
厨房内に響き渡る銃声とともにロキと名乗る青年の体が吹き飛ばされてしまう。
「ご主人様!?」
突然現れたヒロトの姿を見てアミは意識を取り戻し、先程までロキと名乗っていた青年が立っていた場所に視線を移すと奇妙な植物が横たわっていることに気づく。 それは2m近い巨体であり、頭の部分には大きな赤い花を咲かせていたのだが、今はヒロトの手によって撃ち抜かれており、複数の弾痕からは焦げ臭い匂いを漂わせている。
「まさかジョーンズの言う通りアミを襲おうとするなんてな。 こいつはサトリって呼ばれていて、花の部分から出るフェロモンで標的を惑わして近づいてきた瞬間に抹殺する厄介な魔物なんだ」
銃口から硝煙を漂わせた散弾銃を片手にヒロトは口を開く。 この世界において存在するはずのないこの武器は花火の生産ラインを軌道に乗せて黒色火薬の製造ラインを確立したあと、ピューラー(皮むき器)を始めとした様々な発明品の素材を通じて各種金属の加工技術を向上させ、シュミットをリーダーとするベテラン工員達で編成したスペシャルチームと共にようやく完成させたヒロト自慢の一品である。
外観は一見、マスケット銃のように思われるが、和紙で作った薬莢に黒色火薬と20個程の小さな鉛玉を詰め込み、まだ開発の成功していない雷管の代わりに、引き金と連動した長い擊針がお尻を突いた瞬間に針先からヒロトの魔法の力を伝えることによって発砲することのできる代物である。
構造的には世界初の実用ボルトアクションライフルであるプロイセンのドライゼ銃に酷似している。
しかし、ライフリング技術がまだ実用化出来ていないため、この中にはライフリングが施されておらず、ヒロトは応用的にライフリングのいらない散弾銃として使用することにしたのである。
「やっぱ近距離で撃つと圧倒的な威力だなあ」
散弾によって花びらを穴だらけにして倒れる魔物を足で蹴り、動かないことを確認するとヒロトはアミの体を起こして椅子に座らせる。
「なぜ私が狙われたんですか?」
「えと、それは...どこから説明していいかなあ......」
ヒロトが返答に困り、アミの方に視線を移してしまう。
しかし、魔物はそんな彼の一瞬の隙を突き、自身のツルを彼の散弾銃に巻き付つける。
「しまった!?」
まだ息のあった魔物の姿に驚き、ヒロトは咄嗟に銃を手放しアミの体を抱えて食堂から逃げ出す。 奴はヒロトの銃を投げ捨て、二人のあとを追うかの如くジリジリと動き始める。
「やっぱ油断ならねえな」
自身の研究室に入り、扉に鍵をかけるヒロト。 この部屋は外部からの侵入を防止するために、灯りを取るための小窓を除いて侵入経路は限られており、唯一の出入り口である観音式のこの扉は丈夫な樫の木に鉄板を貼り合わせていたため、生半可な攻撃には耐えられるように作られている。
「アミ、大丈夫か?」
ヒロトはまだ意識を混乱させていたアミを気遣って声をかける。
「だ、大丈夫です」
額から汗を流しつつもアミは椅子に座って呼吸を落ち着かせる。 あまりにも衝撃的な光景が続いたためか彼女の心臓の鼓動は異常に早まっており、時折視界が暗転してしまうため何とか意識を保とうと頭を抱えている状態であった。
「この部屋の壁と床は俺の魔法でしっかり固めてあるからちょっとやそっとじゃビクともしないよ」
扉を激しく叩く音が響きながらもヒロトは得意気に口を開く。
しばらくすると一向に破れない扉を前にして奴は諦めたのかしばらくして扉のそばから離れ、部屋は静寂に包まれる。
「ふう、諦めてくれたか」
額に流れた冷や汗をぬぐい、ヒロトはどっかりと椅子の上に座って口を開く。
「あとはジョーンズ達が応援を引き連れてくれる筈だからもう大丈夫だよ」
「助けてくれて有難うございます」
無事を実感してか、アミは息を切らせながらも笑顔を見せる。 その光景にヒロトは思わず胸を高鳴らせてしまう。
彼女と出会ってまだ二ヶ月ほどしか経っていなかったが、日頃からフィリアやエルシャの世話をしつつ助手として健気に働く彼女を見てヒロトはふつふつと彼女に対し淡い想いを抱いていたりもする。
「まあ、仲間だからね」
「あのう...」
「ん、どうしたの?」
「屋根は大丈夫ですか?」
その言葉の意味に気づき、ヒロトは思わず天井を見上げてしまう。 自重の関係から壁や地面、扉と違い、屋根は強化することができず、普通の民家と同じ木製だったのである。
「......多分大丈夫だと思う、奴の身長でこの建物の屋根を登れるとは思えないし」
再び冷や汗を流しつつも説明し始めるヒロト。 しかし、次の瞬間、恐ろしい光景に出くわすことになる。
バキバキバキバキバキ......
「きゃあ!?」
「うっそーん!?」
凄まじい破壊音と共に屋根の半分が壊され、5mくらいの大きさになった魔物が姿を現す。 その光景に二人は目が点になり呆然としてしまう。
そう、奴はヒロトの予想の斜め上にいく形で巨大化していたのである。
「どこのラスボスだよ......」
あまりの光景にさすがのヒロトも言葉を失ってしまう。 後にパシオンの調査によって明らかになるのだが、元々手強い標的を暗殺するために生み出されたサトリと思われるこの魔物は植物のような見た目と違い、実は土系の魔物であり相手を惑わすためのフェロモンを発する花や、攻撃に使っているツルは寄生された植物を自在に操って使用していたのだ。
しかも、高い知能を有していたので自身の体にダメージを与えたヒロトを手強い存在として認識し、これまで隠していた自身の力の全てを曝け出し、周囲の土を取り込んで巨大化したのである。
「アミ、そこの脱出口から早く逃げるんだ!!」
ヒロトはそう叫ぶと鉄パイプを手に持ち、あらかじめ机の下に作っておいた脱出口を指差す。
しかし、奴はそんな彼の行動とはお構いなしにツルをムチのように這わせて二人のいる方向に向けて叩きつける。
「がは!?」
「きゃあ!?」
二人の体は傍にあった棚に叩きつけられ、その衝撃で中に入っていた失敗作が床の上に散らばる。
「うう、ご、ご主人様...」
アミが意識を取り戻して辺りを見回すと先程まで彼女を守っていたヒロトが身動きの取れない状態になっている光景があった。
「は、早く逃げろ......」
彼は咄嗟にアミを庇ったためか、体の所々から血を流しており、下半身は重たい棚や瓦礫の下敷きとなっていたためすぐに動ける状態ではなかった。
「早くジョーンズの所へ行くんだ。 奴の狙いは君なんだから」
そう答えるヒロトであったがサトリの方は自身の体にダメージを与えてきたヒロトに対する敵対心をむき出しにしており、今も怒りを煮えたぎらせるかの如くツルをうねらせている。
「ご主人様は殺させない!!」
「アミ!?」
アミは意を決して床に散らばっている失敗作の中から一本の剣を握り締める。 偶然にもその剣は一ヶ月前にヒロトに見せてもらった物であり、コストパフォーマンスの問題からお蔵入りになった代物であった。
「これはあの時の......」
その剣に映る自身の顔を見た瞬間、一ヶ月前と同様に彼女の脳裏に夢で見た時と同じ光景が浮かび上がる。
「アミ、止めるんだ!!」
ヒロトの言葉も虚しくアミは体をふらつかせ、左手で頭を抑えてしまう。
「私は...私は...」
突然訳の分からない独り言を呟き始めるアミ。 ヒロトはその光景を見て危機感を感じ、声を上げる。
「逃げろ」
「兄さん...」
「早く!!」
「私は...」
再び倒れるわけにいかなかったため、アミは意識を保とうとするあまり、念仏のように独り言を繰り返す。 しかし、魔物はそんな彼女の態度をあざ笑うかの如く数本のツルを彼女に向かって突き立てようとする。
その光景にヒロトは焦りを覚えたのかかつてアミとの別れ際に放ったロキと同じ言葉を口にする。
「お前は生きるんだ!!」
キーン......
その瞬間、ふらついていたアミの体は硬直し、剣を持つ手に力が入る。
「私はアミ、人狼族の戦士...」
その言葉と同時に自身の体を貫こうとしたツルを一瞬で斬り払ってしまう。
「良い剣だ」
右手に持つヒロト作のカッターソードの感触を実感しつつ口を開くアミ。 その喋り方は今までのメイドスタイルとは一線を画している。
「アミ...お前まさか...」
「詳しい話はあとだ、今はこいつを仕留めないとな」
彼女はそう呟くと同時にスカートの裾を破り捨て、今まで頭部を覆い隠していたモップハットを脱ぎ、人狼族特有の尖った犬耳を露わにする。
「中々手強そうだな」
アミはそう呟くと人狼族特有の強靭な脚力を発揮して机や壁伝いに大きく飛び上がる。 その姿を見て、サトリはツルを一斉に差し向けるも彼女に巧みに躱された挙句、次々と切り捨てられてしまう。
「遅い!!」
彼女は空中でクルリと一回転して半壊した屋根の上に着地する。 魔物は記憶を取り戻したアミの存在に危機感を抱いたのか彼女に対し、攻撃を繰り返し始める。
しかし、今まで多くの冒険者達を一撃で仕留めてきたはずの無数のツルは彼女の体を貫くことができず、虚空を舞うばかりであった。
「これがアミの力だと言うのか」
ヒロトは魔物の攻撃を巧みにくぐり抜けるアミの姿を見て驚きを隠せなかった。
先程、ジョーンズからアミの経歴を教えられた際、その話の内容が信じられなかったのだが、目の前にいる彼女の戦いぶりを見たことによりそれが真実であったことに気づいてしまう。
「鮮血の乙女」の異名を持つ彼女は人狼族の歴史始まって以来の最強の戦士と言われ、兄と共に幼い頃から数々の戦場や紛争地帯で戦っており、その度に無傷で返り血を浴びた状態で帰ってきたことからその名が付いたと言われている。
因みに4年前に記憶を失ったアミを保護した村の村長はアミの正体を知っており、今は隣の村に嫁いでいった娘の婿が冬戦線において彼女の所属する第313大隊に命を救われたことが縁で彼女を保護することにしたらしい。
「今のところ有利に見えるけどこのままじゃ危ない」
ヒロトは何とか上半身を動かして自力で瓦礫の中から脱出すると机の上をあさり始める。
一方、アミの方は当初は一方的な戦いぶりを見せ、何度も魔物の体を斬りつけていたのだが、奴は中々倒れない上攻撃の手を緩めようとはしない。
「はあ、はあ、はあ...しぶとい!!」
予想外の魔物の強さにアミは毒気づく。 何度となく奴から繰り出されるツルによる攻撃をかわしつつ斬り捨てていたのだが、斬られたツルはすぐさま再生していき、再びアミを攻撃していく。
それもその筈で、土系の魔物である奴はいくらツルを斬られても直接的なダメージは受けていないのである。
この世界においてゴブリンやオークといった人型の魔物なら、人間と同じく急所を突くだけで倒すことができるのだが、人里に滅多に現れることはないものの、ゴーレムやこの魔物のような土系の魔物は頭頂部に存在する核を破壊しなければ倒すことができないのである。
(この匂い...植物のような外観に惑わされていたが、土系の魔物だな)
アミの視線の先には一度はヒロトに撃ち抜かれながらも、花びらの合間から時折日の光に反射し、ガラスのようなの光沢を放つ魔物の核の姿があり、表面にはヒロトの攻撃の影響でヒビが入っている。
土系の魔物の核は岩石と同じように硬くて脆いため、金属製の剣などで思いっきり叩きつければ割る事ができ、多くの冒険者や傭兵達はそうすることでゴーレムなどを倒してきたのだが、この魔物の核の硬さは尋常ではなく、生半可な攻撃では叩き割ることはかなり難しいことが伺える。
(チャンスは一回、こいつで確実に核を破壊できればいいんだが)
半壊した屋根の頭頂部に立ち、最期の攻撃を仕掛けようとするアミ。 久しぶりに戦ったためか、体の節々から痛みが響き始め、体力も限界にさしかかろうとしている。
この最期の攻撃が失敗に終われば最早彼女に残された運命は「死」しかないであろう。
しかし、そんな彼女の耳にヒロトの声が響く。
「アミ、こいつを奴の花の中に放り込むんだ」
ヒロトはその場にあった材料を駆使して作り上げた一品をアミに投げつける。 ズッシリと重みのあるそれには導火線と思われる細長い糸が伸びており、先端には火が点いていた。
「!?分かった」
ヒロトからそれを受け取ると同時にアミは残りの力を振り絞って大きく飛び上がる。
魔物はそんな彼女に対し、無数のツルを伸ばしていくが、彼女はそれを斬り払いつつ時にはツルを蹴り上げるなどして奴の頭頂部にある花びらめがけて飛びかかろうとする。
彼女の行動に恐れを感じたのか、魔物は咄嗟に花びらを閉じてツボミになろうとするが、アミはカッターソードで先端部分を斬り裂いてその中にヒロトから受け取った塊を投げ入れる。
その直後、アミの体は魔物のツルによって弾かれ、地面に向かって落下していく。
「大丈夫か?」
「ヒロト!」
ヒロトはいつの間にかアミの落下地点に駆け寄り全身で彼女の体を受け止めている。
「もう大丈夫だ、よくやったな」
何故かヨシヨシとアミの頭を撫でるヒロト。 彼の言っている意味が分からず、アミはヒロトの手をはねのけ、「犬じゃないぞ私は!!」と吠え面をかく。
「もうすぐ大きな花火を見れるよ」
「何を言ってるんだ!?」
ヒロトの言葉を受け、アミが魔物の方へ視線を移した瞬間、奴の頭頂部から光が発せられると同時に爆発音が辺りに響き渡る。 幾つかの金属枌が混じっていたためか、時折頭頂部から色とりどりの光をバチバチ放ち、最後はブスブスと黒煙を昇らせながら魔物の巨体は大きくのけぞり、そのまま後ろへ倒れこんでしまう。
「凄い花火だったろ」
「何て奴だ...」
魔物の核を一撃で破壊したヒロトの即席爆弾の威力に驚き、アミは言葉を失って呆然としてしまう。
そんな彼女の反応を無視してかヒロトは更に口を開く。
「やっぱ花火は良い女と一緒に眺めるのが一番だな」
「......」
その言葉に対し、お姫様抱っこをされていたアミは黙って顔を赤くするしかなかった。
生まれてから一度も家族以外の男性に肌を触れ合うことを許さなかった彼女であったが、心なしかこの時ばかりは内心でヒロトの胸元で安らぎを覚えてしまう。
「良い男を見つけたな......」
「!?」
突然彼女の耳元に亡くなった筈の兄の声が響く。
アミは咄嗟に辺りを見回してみるが、周囲に兄の姿はなく、爆発音に驚いて集まってきたシュミット達の姿が見えるだけであった。
「アミ、どうしたんだ?」
アミの突然の反応に彼女の体を抱えるヒロトは声をかけるもすぐさま彼女の口から「何でもない」という返事が返ってくる。
(兄さん、ずっと見守っていたんだね)
兄の愛情を感じつつ、アミは黙って涙を流しながらヒロトの胸に顔をうずめる。 ヒロトはそんな彼女に対し、無言で頭を撫でるのであった。
二人の初めての魔物討伐であったこの事件を機に、アミはヒロト達の正式な仲間となり、このコンビは後に数々の修羅場で大いに活躍することになる。
「あいつの武器は色々と興味深くてな、この剣のおかげで私の記憶を取り戻すことが出来たって訳さ」
「そうだったんですか」
剣の光沢をリリアに見せつつヒロトとの思い出を話すアミ。 その姿を見てリリアはある疑問を口にする。
「アミさんってヒロトさんのことが好きなんですか?」
「な、何を言うんだ!?」
突然の話題にアミは顔を真っ赤にして否定する。
「だってヒロトさんの思い出を話す時のアミさんって笑顔ですもん」
「そ、そんな馬鹿な...」
アミは咄嗟に両手で顔を触って筋肉をほぐそうとする。 まるで恋する乙女のような反応をするアミを見て、リリアの口から思わず笑みがこぼれてしまう。
「隠さなくていいですよ、ここにはヒロトさんはいませんしね」
「ん、まあ、その......」
リリアの言葉に対しアミは顔を赤くし、耳を垂らしてモジモジしながらも小声で呟く。
「まあな......」
「フフフ、やっぱり」
その後、カルラを交えた3人は夜遅くまでアミの恋バナをネタにガールズトークを展開することになる。 先程まで血で血を洗う死闘を繰り広げてきたアミもこの日に限っては終始、リリアとカルラにいじられることになり、時折顔を真っ赤にして興奮する彼女の姿が見られることになった。
ようやくアミ編が終わりました。
これで主人公達のチームが勢揃いすることになり、昔話も一気に加速することになります。
次回ではこの章のエピローグを追加し、第2章を終了し、第3章からは本格的に巨悪と対峙することになります。