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チカラ  作者: 灰田 美夢
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7

赤い毒は私の体内を静かに流れる。

発症するその日まで、私は普通の人と何も変わらない。




鳩羽が消えた。




私の家は鳩羽が与えたもの。

一週間以上、チカラのメンバーの、誰からも連絡がない。



何かあったのだろう。

私は、つかまろうが、殺されようが、特に問題はない。

赤い毒が、いつか、私を殺すのだから。



ただ、この計画が失敗に終わったことが、それだけが悲しかった。



終わった?いや、わからない。

私はまだ動ける。赤い毒を持って。

私だけでも、最後の悪あがきができる。



私は、この家を出た。

家出は慣れている。必要なものというのは、以外に少ない。



チカラは、なくなった。

これから私が、チカラになる。



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