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赤い毒は私の体内を静かに流れる。
発症するその日まで、私は普通の人と何も変わらない。
鳩羽が消えた。
私の家は鳩羽が与えたもの。
一週間以上、チカラのメンバーの、誰からも連絡がない。
何かあったのだろう。
私は、つかまろうが、殺されようが、特に問題はない。
赤い毒が、いつか、私を殺すのだから。
ただ、この計画が失敗に終わったことが、それだけが悲しかった。
終わった?いや、わからない。
私はまだ動ける。赤い毒を持って。
私だけでも、最後の悪あがきができる。
私は、この家を出た。
家出は慣れている。必要なものというのは、以外に少ない。
チカラは、なくなった。
これから私が、チカラになる。