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魔道具のデメリット
魔法犯罪者を無力化した後、現場に転がった杖を拾い上げる。
「わぁ……大きい杖」
「出力を上げる術式が組まれた魔道具だな。……うわぁ、ブッサイクな術式」
「ブサイクって言います?」
「無駄に重ねがけしてる。効率悪い。設計思想が力押しだ」
凪が覗き込む。
「でも、強いんじゃないですか?」
「火力だけならな。けど俺達が使わない理由、分かるか?」
「……精密操作が死ぬからです。出力を底上げすると、制御幅が荒くなる」
「正解。それに魔力ロスが酷い。上げた出力以上に漏れてる」
恒一は杖の術式を指でなぞる。
「それとインターバルが長い。発生も遅い。実戦で使うなら“撃たせてもらう前提”の設計だ」
「メリット、あります?」
「さっきあいつが言ってただろ。“フリーデンクラスの魔法を使える”って」
凪が少しだけ笑う。
「火力の錯覚ですね」
「そう。瞬間的な最大値だけを見れば、な。あとは回復魔法みたいに、多少効率が悪くても出力を底上げしたい場面」
「なるほど……」
凪は静かに頷く。
「ちなみに、フリーデンの専用魔道具はあくまで“補助”です。魔法の構造を歪めない。だからデメリットがほとんど無い」
「流石はフリーデン!」
「凪、お前もフリーデンだけどな」
「……そうでした」




