神代恒一・黒崎雷堂vs白崎透花・綾瀬詩織
「次は俺と雷堂の番だな」
「ぶっちゃけこの勝負、勝てるよな」
「確かに。超契約で“動くな”なら魔法を撃てばいい。“魔法を使うな”なら接近戦を仕掛ければいい」
「ねぇ、詩織。舐められてるよ」
「いや……事実だから。本当にどうしよ」
開始の合図。
俺は紅晶血を展開し、血の斬撃を放つ。
同時に雷堂が落雷を呼ぶ。
だが――
嵐が立ち上がった。
白崎透花の専用魔道具――嵐纏刃。
刃に台風を纏い、防御と迎撃を同時に成立させる。
血の斬撃が逸らされ、雷は渦に飲み込まれ拡散する。
「案外ムズいな」
「どうする?」
「これが刺されば早いんだが」
「なにそれ」
「俺の専用魔道具――雷追針。刺せば追尾して落雷が落ちる。しかも返し付きだ。刺されば抜けない」
「あー……悠真と組めば最強だったやつ」
「そうだよなぁ」
俺たちは歩いて距離を詰める。
その瞬間。
「動くな」
空気が縫い止められる。
身体が、止まる。
綾瀬詩織の専用魔道具――多重誓約マイク。
複数人との同時超契約。
声が、拘束になる。
「……っ!」
俺は動かない腕から無理やり血を噴き出させ、至近距離で斬撃を叩き込む。
だが透花が踏み込み、台風を纏う拳で俺を殴り飛ばす。
衝撃。
視界が白く弾ける。
しかし至近距離。
捌ききれなかった血の斬撃が透花を裂く。
相討ち。
「はい、そこまで」
九条の治療が入り、俺と透花はリタイア。
残るは――
雷堂と詩織。
「魔法を使うな」
詩織の声。
雷堂は一瞬だけ眉を動かし、すぐに駆ける。
接近戦。
詩織も弱くはない。だが雷堂の踏み込みは速い。
懐に入り――
突き。
「っ……!」
雷追針が刺さる。
針が微かに震える。
空が鳴る。
「ギブアップ!」
詩織が即座に宣言する。
「流石に落雷は受けたくないよね」
「ねぇ……この針、抜けないんだけど」
「……あ、返しあるんだった。どうする?無理矢理抜く?」
「絶対ヤダ」




