第2話
「ごめん。お待たせ。まった?」
そう言って笑顔で待ち合わせのお店にやってきたしいはやっぱりきらきらと輝いていた。
黒いゆったりとしたセーターに白いスカート。小さくておしゃれなバックは白で、靴も白い靴だった。
化粧は薄くて、髪はまっすぐにおろしている。(しいはやっぱりとっても綺麗だった)
わたしは大きめのジーンズをはいていて、ぶかぶかの白いセーターを着ている。白い小さなリックを背負っていて、カラフルで大きなアクセサリーをそのリックにいっぱいつけていた。
髪は後ろで白いりぼんでまとめてポニーテールにしている。
しいは小さく手をふっていたわたしの前の椅子に座った。(それだけなのに、なんだかとっても絵になった)
それからやってきた店員さんに「ホットミルクお願いします」とにこやかに微笑みながら言った。
それからしいは、じっとわたしの顔を見た。まるで高校生のころに教室で座っておしゃべりをしているときみたいに。
「わたしね。もう少ししたら結婚するんだよ。すごいでしょ?」
と大きな白いカップにはいっているホットミルクを飲みながら嬉しそうな顔で笑ってしいは言った。
「え?」
わたしはとっても驚いてしまって、思わず飲んでいたアイスコーヒーの大きなグラスを倒して割ってしまいそうになった。(危なかった。びっくりした)
「そうなんだ。おめでとう。しい」
とわたしは(なんとかいつも通りのわたしのままで)言った。
にっこりと幸せそうな顔で笑っていたけど、ずっと心臓がどきどきしていた。
……、しいが結婚をする。
そのことであたまの中はいっぱいになっていた。
「それだけじゃなくてね、私ね。妊娠してるんだ。お腹に赤ちゃんがいるんだよ」
と嬉しそうに笑ってしいは言った。
わたしは本当にびっくりした。(今度はストローで飲んでいたアイスコーヒーを漫画みたいに吹き出しそうになってしまった)
しいの結婚だけでもどきどきしていたのに、しいの妊娠のことを聞いて、わたしは驚きすぎて、目をぱちぱちさせながら、なにも言えなくなってしまった。
そんなわたしを見て、しいはわたしを驚かせることができて嬉しかったのか、口元を手で隠しながら小さな声を出して楽しそうに(なんだか子供みたいだった)笑っていた。
「おめでとう、しい」
と、じっとしいの目を見ながら、わたしは言った。
それからわたしの目からは、自然と涙が溢れ出した。
泣くつもりなんて全然なかったのに。とっても幸せなお話をしているのに、わたしは泣いてしまった。
涙を止めようと思ったのだけど、涙は全然止まってくれなかった。(しいが目の前にいるのに。恥ずかしい)
そんなわたしのことをしいはずっと、なにかとても珍しいものでも見るようにして、わたしの大好きなしいの大きくて綺麗な瞳で、見ていた。




