表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

第1話:反転の目覚め

「は? ここどこだよ?」

レンは真っ赤な空に目を細めた。20歳、アニメとゲームにハマるアニオタ。バイト帰りにトラックのヘッドライトに飲み込まれた記憶が最後。今は見知らぬ森の中、ボロボロの革鎧、腰に錆びた短剣。RPGの初期装備そのもの。

「転生? ベタすぎ…でも、俺が無双するチャンスだろ」

レンはニヤリと笑い、髪をかき上げた。アニオタの夢、戦術的な戦闘天才になる瞬間だ。だが、現実は即ピンチ。

「グギャアア!」

翼5メートルの鳥モンスターが空から襲来。鋭い爪がレンを狙う。レンは転がって回避、地面が抉れ土煙が舞う。遠くに同じ鳥が2体、計3体を確認。

「3匹か…初っ端からボス戦! ステータス画面は? チートスキルは?」

叫ぶが何も出てこない。代わりに、頭に響く声。

【反転スキル発動可能:物理反転(1回/日、発動後5秒身動き不可)。対象:敵または自身。キャンセル可】

「反転スキル? 自身? キャンセル? 説明少なすぎ!」

鳥が突進。レンは短剣を握り、試す。

「自分に反転!」

前に進む足が後ろに引き戻されそうになるが、「キャンセル!」と叫ぶ。青白い光が腕に走り、バチバチと雷のようなエフェクトが発生。普通に歩き続ける。鳥が混乱、突進がブレる。

「…何だこれ? キャンセルで普通に歩ける? この光と雷、溜まるのか?」

鳥が再突進。レンは敵を狙う。

「敵に反転!」

視界が歪み、鳥の突進が逆方向に弾かれた。ドン! 木に激突、羽をバタつかせ唸る。だが、レンは5秒硬直。

「くそ、動けねえ! 制限キツすぎ!」

鳥が襲いかかる。レンは硬直が解け、躱す。3体の鳥を数え直し、アニオタの戦術脳が叫ぶ。

「3匹…キャンセルで何かデカい力になるか? 試すしかねえ!」


2. 初戦の戦術

レンは森の木々を盾に走る。鳥の突進を木に誘導。スキルは使い切ったが、キャンセルの感覚が気になる。

「アニオタ舐めんな。RPGは敵数カウントが命!」

鳥が木を砕き突進。レンは「自分に反転!」即「キャンセル!」青白い光が全身に広がり、バチバチと雷が渦巻く。レンは3体の鳥に向かって堂々と歩く。鳥が再突進するが、レンのクールな歩みに気圧され、動きが鈍る。

「負ける気がしねえ。もう一回、キャンセルだ!」

「自分に反転! キャンセル!」光が強まり、青白さMAX。雷が激しくスパーク。レンは敵を睨み、ニヤリ。だが、反転しない=鳥の突進が直撃コース。レンは木の陰に飛び込み、ギリギリ回避。

「くそ、キャンセルはリスクやばい! この光と雷…何かデカいこと起きそう!」

レンは石を投げ、鳥の目に命中! 動きが止まる。短剣で翼の付け根を狙う。ガキン! 刃は浅いが、鳥が鈍る。木々の間を縫い、突進を誘導。10分後、鳥は疲弊、翼が垂れる。

「今だ!」

レンは木の上から飛び降り、短剣を鳥の目に突き刺す。グギャア! 1体目が倒れる。残り2体が襲いかかるが、レンは木を盾に回避、2体目を短剣で仕留め、最後の1体を木に誘導して倒す。青白い光と雷が薄れ、消える。

「ハァ…ハァ…キャンセルで溜まる力、ヤバいな…何かデカいのが来るぞ」

内心ニヤけていた。本物のスキル、本物の敵。アニオタの冒険が始まった。


3. 仲間との出会い

「お、めっちゃやるじゃん、アンタ!」

背後から軽快な声。金髪のギャル風少女がエアボードに乗ってニカッと笑う。

「名前は? あたし、ミナ。鳥狩りの傭兵。この森、最近鳥モンスター増えて困ってた!」

「レン。…助けてくれる気は?」

レンはクールに返すが、内心「ギャルヒロイン、アニメ展開キター!」とテンション上がる。ミナはエアボードを滑らせ、鳥の死体をチェック。

「3体も!? あの青白い雷光、めっちゃカッコいい!」

「雷光、ね…キャンセルで溜まるっぽい。まだ何か分からねえ」

レンは毒づくが、ミナはケラケラ笑う。

「謎のスキル、燃えるじゃん! あたしの『ブースト』も最初は1日3回だったし。ほら、行くよ! 森抜けたら街あるから、仲間になんない?」

レンは考える。クールキャラなら「一人でいい」? でも、この世界で一人じゃキツい。

「…いいぜ。だが、俺のペースに合わせろよ」

「ハハ、カッコつけてる! 好きだよ、そういうの!」

ミナの笑顔に、レンは苦笑い。冒険が始まった。


4. 締めの決意

森の出口に向かう途中、レンは反転スキルを考える。1日1回、5秒硬直。キャンセルで溜まる青白い雷光は、何かデカい力を引き出する鍵? 3匹でもキツかったのに、もっと敵がいたら…?

「この世界、祭りみたいにド派手に戦えたら…俺、絶対無双する」

レンは空を見上げ、ニヤリと笑う。アニオタの知識と反転スキルで、異世界をひっくり返す。

「次はお前が俺の反転で吹っ飛ぶ番だ、鳥ども」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ