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ビカラとバサラ

60話目になりますわ…小谷城の天守…巴達は、ディーノと相対します。その頃…バサラは、ある人物と巡り合う事になります。賢者の円環が復活し、エナ達は、窮地に立たされました。

「うぉぉぉ!」

部屋が突然魔法陣に包まれ…バサラ以外の姿が消えた。

「巴様ぁ!!カリテイモ殿ぉ!サカラぁ!!なんだ…強制転移か」

「何かの攻撃なのか?」

「左近、グランも…消えた…攻撃が始まってる訳ね…」

バサラは抜刀した。壁に身を寄せる…

「しかし、なんだ…突然、雰囲気が変わったぞ……?俺が、何処かに飛ばされたのか?」



バサラは、念を飛ばした。

「なんだ、探知出来ないぐらい広い?…終わり、果てが無い?そして…この感覚!俺も飛ばされたか?何処だ?小谷城ではないのか?4層が拡張している?」

バサラは意識を集中する。

時間だけが、水の中の気泡のように、ゆっくりと浮かび上がっていく…「時間が遅いのか?」

バサラは考えた。

詳細はすべて見えている。

光の揺らぎも、空気の震えも、指先が動く軌跡も、音が生まれて消えるまでの全工程も、克明に理解出来る…

「なんだ?」

それらは「現象」として完璧に認識できるのに、因果も感情も、意図も物語も結びつかない。

この空間は精密な歯車の集合体のように回っているが、その歯車の先の目的だけが欠落している。

理解という鍵が、存在しない…

「これが、あの…無量空処か!今なら…漏瑚じょうごの気持ちが良く解る…ガハハハ…なんてな!俺的には、ドラマ"相棒"のオープンニングぐらい、訳の解らない世界だな!アハハハ!」

バサラは独り言を…わめいてみた。


しかし、

透明な意識だけが浮かび、過去も未来も区別なく、現在だけが永遠に引き伸ばされている空間。

音は聞こえるが、言葉にならない。

景色は見えるが、意味を持たない。


念の触手に何かが触れた。

人だ…誰だ?…向こうはまだ気付いていない…おそらくビカラか?…


「いや…違うぞ…これは…そうだ!間違いないぞ……エナ様だ…エナ様の無限回廊…覚えがある。いらっしゃるのか?」


バサラは、ゆっくりと…その人と思しき者に、近づく…「なんだ…このプレッシャーは…本当に人なのか…このフィールド…異常だぞ…」

近づいているのか?遠のいているのか?念の感覚がなければ…近づけすら出来ない世界…

歩数換算では、5分ぐらい…しかし感覚では、1時間は、たっている感じがしている。


いた…女だ…巨石を前に何かしているぞ…

力場があの女に…集中しているのか?恐ろしい力だ…あれは、エナ様ではない…間違い無い!ディーノだ…生半可な攻撃は、弾かれそうだ…息が苦しい…


ジリジリっと距離を詰める…必殺の間合い…「ふぅ~」バサラは深呼吸をした。

利き足に力を込める…丹田から湧き上がる力を…刀に込める…

チリチリと皮膚が痛い…

「ディーノ…動くな!!!ぁ」バサラは叫んだ…

ディーノが振り返る…目が紫色に光る!

「極刑……」

「無駄だ!!!」ディーノの目が光るより…早くバサラの刀は、彼女の首を捉えた…

ゴトッ…ディーノの首が…落ちる…

「無駄な事を…終わりだよ…ディーノ…」

バサラは、ひざまづき…首を、拾い、上げた……………えっ!これは………!

「うわぁ~〜〜〜!なんで…なんで!うわぁ~〜〜〜〜〜!!嘘だぁ~!嘘だぁ~!俺はぁ!!!」

「なんで…何故?…ま…り…な…さ……まぁ…やめてくれえぇ!俺は、俺は、ウギァーー!満里奈様ぁ!俺はぁ!!!」

その首は、エナでも、ディーノでもなく…満里奈の首であった。

バサラは錯乱し、床を転がり回る…そして首を抱えて…泣き叫んだ…

「なんで…また間違えてた?…俺は!!満里奈様ぁ!!」

「ガァフゥ、??」バサラはうめいた…

バサラの胸から刀が飛び出している。

「こっこれは??」

バキバキ…あばら骨を砕きながら…刀が回転した。

「これが…お前の100年前の罪だ…バサラ!そして…けじめだよ!私の…」

「ガッ…ビカ…ラか?」バサラは血を吐きながら言う…

「ビカラ…なっなっるぼどな…ハメられたな…精巧な魔導兵か、やられたよ…ビカラ…ずっと…狙ってたんだな…機会を…これは、100年前の再現か…なっなる程な…俺の罪か…」バサラは、薄れ逝く意識の中で…呟く。

「アハハハ…死ねよ!もう…蘇るな、バサラ!豊臣の英雄か?笑わせる!この下種がぁ!…天下の大罪人め!!アハハハ…最後に一言…この豊臣の犬が!!…治部少輔じぶのしょう…間違えたなどと…吠えるな!」ビカラは、叫んだ…

………恥部の将?俺が?……

バサラは崩れ落ちた。


---ディーノ様、やりました。---

--了解よ.ビカラ--

---お別れです。ディーノ様、ありがとう御座いました。---

--ビカラ、ビカラ、必ず巡り逢いましょう--

---ハイ、必ず---

--先に行ってて!すぐに私も行くから--


5階層…

「さて…巴殿…今、バサラ大将が死にました。そう…石田治部少輔が…ビカラが討ち取りました。!」

「バサラ大将が……死んだ?」巴が声を上げた。

「貴様、嘘をつくなよ!…それに石田三成??」グランと左近が抜刀する。

「あんな、偽物の英雄なんて…死んで当然でしょう?エナ様と間違えて、満里奈様の首を斬るような…愚か者は…アハハハ」

「さて…復活出来ないように殺したので…セツナが動きますでしょうか?…巴殿?」ディーノは、あたかも目があるように…巴を見つめた。

「復活出来ない?ほざけ、ディーノ!!死にぞこないの!妖怪女がぁ!!」左近とグランが斬りかった。

「グラン殿、左近殿、貴方達では!!」巴が叫んだ…


「あらあら…でも、もう遅いわ…私の戯れで生きてる…小虫ふぜいが、人語をしゃべる事じたい、おこがましい…」

「絶界 排…」静かに強く…ディーノは、言葉にした。


「お市様…お待ちを!」巴が叫ぶする。

グランと左近は、鏡の中に入ったかのように…平面になり…空間の渦に飲み込まれていった。

「大谷刑部吉継と、島左近清興も死んだわね…筑前…」「兄上は、どうかしら?…」


エナの陣!

「エナ様…魔導兵の再生が早すぎます!」マンジュが叫んでいる。

「満里奈ぁ!早くしろ!」エナが声を上げる。

「市……お前の恨みは…そこまで…深いのか?」


再び城内

「終わった!やり遂げた。アハハハ、満里奈様…終わりました。私は、あの時…100年前…満里奈様の顔の、怒りにも似た、あの目を、忘れられませんでした。」

「聞こえてますか?満里奈様、あの目…伏見城で……関ヶ原を前にして見せた目です…」


慶長五年。

西軍の大軍に包囲された伏見城は、炎と硝煙の中で崩れ落ちた。


夏の湿った風が、焦げた木材の匂いと血の匂いを運ぶ。

焼け落ちた本丸の跡に、家康は立った。

無言のまま、しばし目を閉じる。

家臣たちは、言葉を失い、ただ地に伏した。

城内には、立ってる者はいなかった。

やがて家康は、低く、しかしはっきりとこう言ったという。

「元忠は、城を守ったのではない。」

一瞬、家臣たちが顔を上げる。

「―徳川を―そして!天下を守ったのだ。」

声は震えていない。

だがその眼には、深い哀惜と、決して揺るがぬ決意が宿っていた。

伏見城の落城は敗北ではない。

それは、関ヶ原へと至る時間を生み、東軍の体勢を整えさせた礎であった。

焼け跡を見つめた家康は、さらに静かに言った。

「鳥居元忠!この忠、無駄にはせぬぞ!」

「おのれ治部…元忠の無念、必ずはらさで、おくまいぞ!!」

その言葉は、誓いであり、弔いであり、

やがて二百六十年続く泰平の始まりを告げる、静かな宣言でもあった。


ビカラは片目を伏せ…歩き始める…

「家康様! 厭離穢土欣求浄土おんりえどごんぐじょうど先に…お待ちしております。」

そして…窓から身を投じた………

「あぁ~風が気持ち良い…三河…岡崎の風か?…………」


………どさっ!!!??「あれ生きてる?」


「よう!久しいな、ビカラ!」

満面の笑の男の顔……ビカラは、レインの腕の中にいた。

「ビカラ…死なせはしないぞ…」

「うっうっ…なんで…どうして?どうして??クビラ兄様………うわぁ~〜〜〜〜ん…兄様ぁ兄様ぁ…うわぁ~〜〜〜〜ん!クビラ兄様ぁ!」

ビカラはレインの腕の中で、子供の様に号泣した。


小谷山…  

「ちょっとアシュラ?何処まで行くの?」

リンが呼びかける。

「もうすぐです…リン様…!」

「おい!アシュラ!私達を誘拐しようとしてないか?」エウリュアレ達がブツブツ言っている。

「本当に…早く教えて…よ!アシュラ」

満里奈も愚痴り始めた…。

「本当にもう直ぐです!ほら…ほら…!見えて来ました。あれですよ!」アシュラが叫ぶ…

「えっどれ!どこ?さっきからそればっかりじゃない?」ハイラがブーブー言っている。


「これ?この洞窟?マジで?」メドゥーサが言った。


「??えっ?本当に?あの?アシュラ?本当に…ここ?」リンが言った。

「はい、ここです。」


「満里奈様…どう思います?確かに…これは…気付きませんね…巧妙と言えば…巧妙…有り得ないといったら…有り得ない…」ハイラが満里奈を見た。

そのは、まるで…熊が冬眠する様な、穴………洞窟とは、かけ離れている。


「ペムプレードー?答えなさい!本当にここなの?」リンが聞いた。

「本当ですよ、リン様…ここです…この奥です。」

「アハハハ…アシュラ…そうか!偉いぞアシュラ……やったな、お手柄だ…」ヴァネッサが言った。「褒美をあげなければ…良いですよね、満里奈様…」

満里奈が頷く…

「受け取れ!」と言うと…ヴァネッサは、思いっ切りアシュラを穴に蹴り飛ばした。

…ドン!何かが…穴の中で爆発した。

「やられたわ…魔導兵よ…何処で入れ替わったの?」リンが言う…


「アニラァ!アニラァ!!」ハイラが叫んだ…返事が無い…


全員がニションを見た…ニションはキョトンとして…いる。「えっ…私に何か付いてます?ハイラ様…?」

「あっすまん…なんか??ニション…何か付いてるよ…首に何だろう?傷?かなぁ?」エウリュアレが言った。

チン…斬仙剣が鞘に収まる。

ニションの首が地面に落ちた…

「あ〜あ〜!やられたぁ!いつだ!いつ入れ替わったぁ!」ハイラが叫ぶ…

--満里奈様ぁ--

---ニション?---

--満里奈様ぁ…やっと繋がった。助けて下さい。何か結界の様な…落とし穴にハマって動けません!アシュラ様が重い!あっアシュラ様はどこも掛けてませんよ!--


「時間稼ぎね…ニションを助けに行くわ…」満里奈が言った。


「極刑 陰解!」満里奈が叫ぶ…

結界が砕ける音…ニションが現れた。

「助かりました…満里奈様…」ニションが肩で息をしている。

「満里奈様…こいつ本物ですか?」ハイラがニションを見つめている。


「ニション…エマニュエルの名前を言ってみろ…!」

ヴァネッサが槍を構えた。

「何言ってるんですか?名前ですか?………エマニュエル………夫人?」

「げっ!!こいつも偽物だーぁ!」全員が叫ぶ!

「極刑 陰解」

二人目のニション!

「おい…ニション?ミッシェルの名前を言ってみろ!リンが言った。

「???宮澤ミッシェル?」

「フェェ〜偽物だぁ!サッカー選手かよ!古ッ!!」


「アシュラ〜男爵?」ギャハハハ!マシンガーかよ!偽物!

「ヴァネッサ ウィリアムス?」良い歌多いね!偽物ぉ!

「リン……ゴ?」果物って!偽物ぉ…!

「アイリス…オオヤマ?」ギャハハハ!偽物ぉ!


ステンノー!エウリュアレ!メドゥーサは…笑い転げている。「じゃぁ…次は…」


「おい…リン様の名前を言ってみろ!」ステンノーが言った。

「アターナー様ですが?どうかされましたか?」

「やっと出れましたぁ…満里奈様ぁ!」

ニションが泣き出した…。

「リン…解呪!」

リンがアシュラにキスをした。

…「あ〜頭が痛い…何ですか…リン姉!いきなり!」アシュラが頭を振る…

「ペムプレイドー!案内せよ…」

……「?」

アハハハ!アハハハ!「死ね!」

満里奈が刀を振るった。


「偽物しかいないじゃん!」リンが頭を掻きむしる。

「リン姉…なんかあるよ…」ヴァネッサが言った。「ステンノー!エウリュアレ!メドゥーサ!行って!」満里奈が、指示する。


林の側…ニションとアシュラは、二人で結界でもなんでもない…普通の落とし穴で…気絶していた。


「ペムプレイドー!アニラ!起きろ!」

ヴァネッサが二人を蹴り飛ばした。

ぐぇぇ…!ゴファ〜!

「ペムプレイドー!情けない、解呪して直ぐかよ!」

「アカエア姉様…申し訳ありません!」アシュラが土下座した。

「アニラァ!アニラァ…貴様…ぁぁ! 」ハイラが怒り狂う!

「ハイラ姉様…申し訳ありません…」

ニションも土下座した。

「で?右近は?」満里奈が聞いた。


「洞窟の前で…待っているはず…ですか?繋がりませんか?」

「全然、繋がらないわ…」満里奈が言った。

「急いで…案内してアシュラ!」

全員が森を駆け抜ける…

「右近、無事なら良いが…」

「満里奈様あそ…こ…で……す。」

アシュラが言った。


入り口の前で右近が横になっている。


「満里奈様…罠かも…」

「ステンノー!任せて良い?」リンが言った。

「作戦は、蹴り飛ばして…麻痺!了解?」

「リン姉…大雑把すぎない?」ヴァネッサが言った。


「時間が無い!やって!」


…ステンノーが一瞬で右近の側に…

「おい…右近ー!死ね!」

右近は空中に舞った…ステンノーの目が赤く光る…

「ぐぇ…」右近が悶絶した。

「おい…右近?私は誰だ…ステンノーグライアイ様です。」

「それじゃ…アイリス様、ヴァネッサ様をフルネームで言ってみろ…」

「アイリス エニューオー様…ヴァネッサ ミネルヴァ様です。」


「合格ぅ!……ってお前…もしかして…居眠りしてたな?」

「あっ…いや…あの…アハハハ」

「右近?死ねぇ!!!」再度…右近は蹴り上げられた。…ドブラァホウラァ!〜

ドッカーン!

「えっ?マジ?爆発した。嘘!」ステンノーは固まった。


「流石!ステンノーね!一瞬で見破るとは…」満里奈がステンノーに声をかける。

「アハハハ!当然です…よ…アハハハ!」


「やるね!ステン!」エウリュアレが声をかける…

「あたり前ね…違和感を直ぐに感じたわ…で?本物の右近は…」

「アシュラ様…何事ですかぁ!」右近が洞窟から飛び出してきた。

「ちょっと待て…右近?本物か?」

アシュラが右近を見つめる…

「死ねぇ…右近!」ステンノーが殴り掛かった。

ドッカーン!右近は爆発した。

「げっ!助かったぁ…ステン!ありがとう…」アシュラが言った。

「あっあっアハハハ!まっ…ね!」


「満里奈様…切りが無いですね…」リンがうんざりって顔で言った。

「もう…右近には、死んで貰うとして…洞窟を、解体した方がよいのでは?アハハハ」リンが言った。


「そうね…!クーベラも学習してるみたいだしね…どこかで…聞いてるのかしら?」

満里奈があたりを見渡した。


「ハイラ!あれ!あそこ…情けない…」満里奈がため息をついた。


「何ですか?満里奈様…あれ?あの木の幹…右近?ギャハハハ!なにあれ?シイタケの原木?アハハハ」ハイラが笑い転げた。

「ギャハハハ!右近?」ヴァネッサも笑い転げた。


立派な木の幹に全裸で張り付けされ…巧妙にカモフラージュ差でれてはいるが…股間が!

「アハハハ!クーベラ!恐ろしいヤツ!笑いを解ってるわね!何々?股間に?何だろう?股間を凝視する…何か書いてあるわね…」ステンノー、エウリュアレが、右近の股間を木の枝でつつく!

「ギャハハハ!これが…ウコンの力!って!」エウリュアレは、涙が止まら無い!

「ヤバい!この攻撃は、ヤバい!ギャハハハ

!まいりました。」ヴァネッサは、お腹を抱えて笑い転げた。


「ニション…おろしてあげて…」満里奈が言った。

「ブッ!まっまっり…なぁ…様…オデコにも…何か書いてあります。」

「ブッ!ギャハハハ…飲んで行こう!…だって!星野源かよ!」ニションは、涙目…

「ダメだ…ツボにハマった!ギャハハハ!Drinking Danceか??アハハハ!」ハイラが吹き出した。


「アハハハ…これで…心置きなく…やるわねよ!……聞け!…岩よ木よ土よ!我は命じる…汝らに理りを与える…木よ編め…岩よ流れろ!集え!来たりて…我に従え!我は命じる…そびえよ…我らが…城!安土城…」


…空気が弾け飛ぶ…木々はネジまかり…洞窟の岩は、砕けた。…大地が、揺れる…


「これは…あの…幻の城…安土城?」

全員が…目を見開いた。


不定期でアップします。満里奈達の活躍に期待して下さい。感想など頂けたら幸いです。

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