石垣山城…築城
56話目になりますわ…リン達は、小谷城で、魔導兵リンと魔導兵レインに囲まれました。その頃、満里奈達は、小谷城の対面の尾根に、石垣山城を築城しようとしています。さて…どうなることやら!
少し時間は戻って…満里奈達は、小谷の山中を歩いていた。
森の中の少し開けた広場…大きな石が地面から顔を出し、テーブルや椅子の変わりになって…満里奈達は、ここを起点に捜索を開始しようとしていた。
「満里奈様…周辺の山に何かあるのですか?」フランソワーズが満里奈に尋ねた。
「ん〜ちょっとね…なんて言うのかなぁ?龍脈って解るでしょ?都市を守る結界であったり、広くは国?城なんてもちろんよね…龍脈の交わる"結節"が小谷城の真下にあるような気がするの…」満里奈は言った。
「城は、確かに龍脈は、無視出来ないですが…真下に?強力な"結節"があると?」フランソワーズが言った。
「私の勘だけど…地下深くを流れる龍脈の力を…あの城の真下に集めている?…何か人為的な…何かを感じる!もし、本当に全ての龍脈を集める事が出来たら…その強大な力は、大きな波となるわ…その波動を城壁へと伝えていたとしたら…城壁はただの石じゃない。攻城兵器が触れた瞬間、見えない反発が生まれ、衝撃は霧散する。石は砕けず、むしろ『拒む意思』を自動的に備える。それは、四獣結界を上回るわよ!」満里奈は、淡々と語った。
「それを、クーベラとディーノが?作り上げた?人為的に?龍脈の操作?」フランソワーズが声をあげた。
「おそらく、四獣結界とは別に、内周には薄く揺らぐ結界層が幾重にも重なっているんじゃないかしら?龍脈の結界は、自然の力、探知はかなり難しいわ…なので、我々は外の四獣結界だけを認識して、解除にやっきになる…見たでしょ?四獣結界を凌駕するあの城の再生能力や、防御能力…近づく者の殺意や魔力を感知すると、龍脈の流れが、空間そのものを歪める。距離感が狂い、門は見えているのに辿り着けない事実!。私達は、進軍しているつもりでも、実際には同じ地点を巡らされているだけ――迷宮は地表じゃなく、空間に刻まれている…それは、四獣結界の域を超えてるわ!」
「もしかして…四獣結界は、ある意味ダミー………ですか?」ステンノーがボソリと言った。
「ダミーッて言うより…龍脈を抑え込んでる……、結界よ!多分」ステンノーが叫んだ。
「…抑え込む為の四獣結界…!そうか、そうよ!ステンノー!…龍脈結界がメイン…四獣結界は、龍脈の補助、だからドラゴンによる空からの、空間破壊のブレスが通じない…龍脈結界は地と天を結ぶから、上空に達すると圧が変わるの。翼は重く、魔法は散り、地気の逆流が侵入者を弾く。これは攻撃じゃなくて、自然の“調整”…城にとって異物を排除する、呼吸みたいなものだから…」満里奈は、皆んなを見渡した。
「確かに、あの城は異常です……非常に強大な龍脈結界、それを抑え込む、四獣結界!なら…腑に落ちますねー」エウリュアレとメドゥーサが言った。
「そしてそれを、可能にしているのが、小谷城の心臓部には多分、龍脈を力に変換する"要石"が据えられているはず…リン達が、見つけられれば良いけど…まぁ要石を破壊しようとすればするほど、龍脈は荒ぶり防御を強める。力で壊すほど、城は堅くなる。攻略の鍵は破壊じゃない。脈動を弱める――つまり、出来れば、この龍脈を寸断する何かが、必要なんじゃないかなって…思うの…」
満里奈は腕を組みながら…言った。
「満里奈様…解りました。まだ推測ですが…この山に、龍脈の流れを変えている…何か?そう…そのなにかを見つければ良いと…」
フランソワーズが満里奈を見つめた。
「そうなるわね…この推測が……ハズレていたら…私達には、打つ手無し…即時撤退」
「長引くと…多分…バイシャ軍と、ハマーン軍に退路を断たれる。流石のエナ様も…ヤバいかもね…シン将軍が、バイシャ殿の城に侵攻しているはず…」満里奈が言った。
「……その為の私達ですか?…もし、ハマーン様が…侵攻してきたら…」エウリュアレが言った。
「…ごめんなさい…」満里奈が頭を下げた。
「…大丈夫です。私は、もはや…満里奈様の臣下の一員ですよ…もし、ハマーン様が侵攻してきたら…交渉は、我々にお任せ下さい。」エウリュアレが、ステンノー、メドゥーサを見ながら言った。
「ありがとう…エウリュアレ」満里奈はエウリュアレを抱き締めた。
「さて…なにを探しましょうか?」フランソワーズが山々を見ながら…呟く。
「多分…杭ね!」満里奈が言った。
「杭??バーベキューで使うヤツですか?」
メドゥーサが言った。
「あのね…メドゥちゃん?それは、串…」
ステンノーが言った。
「えっ…エウリュが牛を串刺しして…丸ごと食ってた時に、使ったヤツでしょ?」メドゥーサがエウリュアレを見た。
「ガハハハ!あれね!って…食ってねーし!持てないし…牛1頭とか!」エウリュアレが笑った。
「杭って言っても…多分…木じゃないわ…巨石よ!それを大地に打ち込むの!」
「岩?マジで?出来るんですか?」ステンノーが声を上げる。
「…その為のゴーレムよ!超強大な…ゴーレム…」満里奈は遠くを見た。
「そんなゴーレムを何体も作って…作業の後に、解体…小さなゴーレム、魔導兵に組み替える。」
「あとは、川の流れを変えているとか、山を削っているとか、大穴を掘ってるとか?高い塔、大きな神社、仏閣?」満里奈は、指を折りながら言った。
「皆んなで探すわよ!イヤーカフは忘れずに…」満里奈は耳を指差した。
「解るものですか?私達に…」ステンノーが首を傾げながら…呟く。
「多分…解るって言うか…感じる?違和感、痺れ、目眩、ステンノー達なら…多分…そうね…気配で解るんじゃない?」
「フランソワーズなら…気の流れを感じると思う…」
4人は、ミーミル湖に注ぐ河川の周辺から探索を始めた…
「満里奈様…こう言ってはなんですが…この山自体が…おかしくないですか?」
フランソワーズは、あたりを見渡しながら言った。
確かに小谷の山、大小の山が連なり、まるで巨大な龍が伏せているような地形。川は不自然なほど曲線を描き、霧や雲が同じ場所に溜まり続けている。
「満里奈様…もしかして…ディーノが、この山自体を作った…んな!わけないですよねぇ〜!アハハハ」エウリュアレが笑った。
古い山道を歩く…4人…それは、突然現れた。川が蛇行し、古い山道と交差している場所……………!
4人が近づくと、足裏が微かに温かくなった。。耳鳴りのような低い振動、胸の奥が共鳴する感覚。法力や気を扱える者なら、呼吸のリズムが勝手に整えられていく。
「ここだ」と頭で理解する前に、身体が立ち止まる――
「龍脈を感じるわ!」
「あっ本当だ!解る!」
「これね!なる程…」
「体が火照るわね!」
「この龍脈を辿るわよ!龍脈同士がぶつかる所に…要の何かがあるはずよ!」
龍脈は分岐し始めた…4人は散開して辿り始める…
「こっちは、駄目ね、さっきの分岐かぁ、」
「龍脈の気配が消えた…ここが終点?さっきの分岐点に戻る…?」
「おっ…来た来た!城に向かって…る?違う…か…さっきの、支流ね!」
「おっ!駄目…続いててるわ!大きく…なってる?〜……駄目かぁ!」
4人は、山の中を彷徨い続けた。
---満里奈様…もうすぐ日暮れです…一度、集合しましょうか---
--そうね…ステンノー…ある程度のマッピングは出来た?--
---ハイ---
--皆んなも出来てる?--
---出来てまーす。お腹がすきましたね!---
--各自…獲物を狩ってから!ベースに集合ぉ--
---了解---
数時間後…ベースキャンプに全員が戻ってきた。
「おっ皆んな大物ばかりだね!」満里奈が言った。
「満里奈様に頂いた…新しい武器…これは!最高ですね?」ステンノーが言った。
「気に入ってくれた?ステンノーの四宝剣…凄いでしょ?ある意味、消滅させる…剣。」
「…ステン?消滅?本当に?消えちゃうの?」メドゥーサが言った。
「ん〜細かく分解する…って言うのが近いかなぁ…じゃ…メドゥーサの礼装戦闘服だけを消して見るわね!」ステンノーが言った。
「ぎゃーーーぎゃーーーー止めてぇ!やぁめぇ、てぇ、!!うわぁ~!ステン様…この服だけは、止めて下さい。」メドゥーサは、泣き叫んだ。
「ギャハハハなに…アハハハ!メドちゃん!命より…大事なの?」エウリュアレが茶化す。
「あたり前でしょ?」メドゥーサが言った。
「メドゥーサ!大袈裟よ!アハハハ!」
ステンノーがクールに言った。
「あっそうか…ステンノー!私の斬仙剣も凄いのよ!この剣で、礼装戦闘服が切れるか…ステン?試させて!」エウリュアレが言った。
「ぶぶぶぇーれーものぉ!ぎゃーーーどうぅーーーアホォーム!ぎゃーーーぎゃーーー!」ステンノーが錯乱した。
「ステン?おとなげないわね!落ち着きなさいよ!」メドゥーサがクールに言った。
ステンノーは…岩陰に隠れて…グルグル言っている。
「アハハハやめなさ!皆んな!アハハハ!」フランソワーズが言った。
「あっここから…小谷城の天守が見えるんだ…だったら!フラン!やっちゃう?ディーノとビカラをビビらす?」
「一夜城ですか?アハハハ!良いですね!石垣付きの城…」フランソワーズが笑う!
「満里奈様…城を築くんですか?」ステンノーが声を上げた。
「なんかやられっぱなしは、しゃくでしょ?ここで!ドッカーンと!かますのよ!アハハハ!ここは、石もあるし!小田原…石垣山城よ!」
「舐めるなよ!ディーノぉ!」
満里奈は、山々に両手を広げるた。
「木々よ聞けー!岩よ石よ…われを見よ!さぁ…理りを紡げ!そして、われに従え!われは命じ、うぬらを従える!積み重なれ…形なす物は、小田原…石垣山城…天にそびえ、地を見下ろす。さぁ…立ち上がれ!」
ゴゴゴゴ〜山々がざわめく…岩が砕け…地が盛り上がる…地震とも似た…振動があたりを包み始めた…地は割れ…巨石が哮りたった。
木々は、紡げあい…交じりあい…形を成していく。
「フランソワーズ様…ちょっと凄くないですか?」エウリュアレが聞いた。
「姫路城の比じゃないわね?どうしたのかしら?」
「誰も見た事がないから?」メドゥーサが言った。
城が組み上がっていく…大地の振動は、止まない…巨大な光が天に昇っていく!
「こっこれ〜は?なんですか?」エウリュアレが口を空けたまま…呆然としている。
「満里奈様は、何を作っているのですか?」
天地が割れそうな…衝撃波!
巨大な爆弾が爆発でもしたのか?ステンノー…エウリュアレ…メドゥーサ…フランソワーズば後に吹き飛ばされた。
「まっっりなぁ…、さまぁ……!!」
天の光が収束する…
巨大な石垣…………小谷城から見える…面はいかにもって感じだが…裏側は……
「アハハ!見えて無い所は、意外に質素ね!!でも!イヤー!何、何?ビックリしたぁー想像で城を作ると、駄目なのかな?アハハハ!」満里奈は笑っている。
「満里奈様!ご無事ですか?」ステンノー達か駆け寄った。
「無事よ!皆んなは?怪我とかしてない?…大丈夫そうね…さぁ!食事に、しましょう!アッアハハハ……」
何かヤバい事に、なっているような気がしているが…4人は、全員…目を伏せた。
同時……小谷城の中…
「うわー逃げろぉ…リン!あの鞭を持ったリンがヤバい!」
「甘いわ!アイリス!ダルマみたいなレインの方が、ヤバいって!!」
「パンチャ!パンチャ!あのデブのリンを殺って!」ヤクシャーニーが叫ぶ!
「ぎゃーーーまた来た!あの尻でかリンが、来た!」ニションが、叫びまくってる。
「あのリン様を、なんとかGETしたいぜ!」
「パンチャ!デブリンを、殺って、」
ヤクシャーニーが絶叫している。
「あのリンが…1番ヤバい…赤目のリン!あいつと眼が合うと…肩が凝る…なんで?」リンが叫んでいる。
「リン!どうする…この結界から出れ無いわよ!!もう…夜だ!体力が保たないわよ!」アイリスが言った。
「ぎゃーーー猫背のリンの大軍だ!招き猫風のレインの大軍も来た!」パンチャがさけぶ。
「ハイラ!ハイラ!ハイラは何処?」リンが叫ぶ…
「リン様…今、アフロのリンと…ゆるキャラみたいなレインと交戦中でーーす。」
……………ギャン………空間が断絶したような…感覚………全てが停止した。
「……………??………?何?何?」リン達は、あたりを見渡した。
「……今よ!撤退!退却!逃げろ!ぉ!」リンが叫んだ…
六人は、脱兎の如く逃げ出した。
不定期でアップします。満里奈達の活躍に…ご期待ください。感想、レビューなど頂けたら幸いです。




