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改・赤ずきん少女と魔王



 セレアとお供のマーメイドは魔王にさらわれた姫を救うべく陸地を目指して海を歩いていました。


「不思議ね。海の中で息ができるなんて」


 マーメイドがにこりと笑って、その質問に答えました。


「はい、お嬢様。わたくしめが魔法をおかけしたのでございます」

「ちょっと待って」


 セレアはマーメイドの言葉を止めて周囲を見回すと、誰かに向けて質問を投げ掛けました。


「ねぇ、何この魔法オプション。あり得ないんだけど」


 ――と、いうわけで。実はセレアには『狼さんとなぜか会話できちゃう』オプションがついていたのでした。


「いらない。ってか、外して。そんなオプション」


 マーメイドは小首を傾げました。


「魔法がどうかなさいましたか?」


「あーいいの。気にしないで。あなたの物語には魔女が出てくるのに、私の物語には出て来なかったなぁって、今ので気付いたから」


 マーメイドは急にしょんぼりしました。


「魔女なんて出て来ない方が良かったです。魔女さえいなければ、姫様は人間にならずに済みましたのに……」


「ちょっと待って。姫様は魔王にさらわれたんだよね?」


「はい、そうでございますお嬢様」


「人間になったのは初耳なんだけど」


「詳しく申しますと、姫様は魔女からもらった薬を飲んで人間になり、その後気絶したフリして陸で寝ていました所を、通りがかった魔王にさらわれたのでございます」


 セレアは口に手を当て「まぁ」とわざとらしく驚きました。


「それってすごく計画的じゃない。早く言ってよね、そういうことは」


「す、すみません」

「まぁいいわ」


 セレアは好戦的に微笑むと、胸の前で拳を打ち鳴らしました。


「魔王の正体が人間の王子様とわかった今、この脱『人魚姫』展開は意外とすんなり終わりそうね……」





 そうなることを願いまして。――次話へ続く。



「……え? もうこれで終わり?」





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