8/14
七、赤ずきん少女と魔王
「最初に言っておくけど、いくらファンタジー設定だからといって――」
「ふはは、よく来たな」
「現れましたわね、魔王。お嬢様、ここはわたくしめにお任せください」
マーメイドはセレアを庇うように前に出ると、手持ちの杖をかざし、魔法の呪文を唱えました。
「――って、ちょっとストップ!」
セレアは物語の流れを一旦止めました。
「なんで出だしがそこからなの!? 読んでる人は何がどう起こったのか全然わかんないじゃない! しかも何なの、あの『いかにも』って感じのテンプレ魔王――っていうか、それ以前に魔王って一体何!?」