タニアと限界実験
限界実験:
魔力とは、体力に似た性質を持つとされている。
魔力が限界を迎えたとき、どうなるのだろうか?
古代の妖精の学者である、タニアという女性は
個々の妖精の持つ限界について考えた。
これは、妖精が思っている魔力の限界とは
本当の魔法の限界ではないのではないか?
という考えである。
タニアは、この考えを実証するために
「限界実験」を行った。
限界実験は、魔法を休ませずに使用させ続ける実験である。
タニアは、ふたつのグループに分けてこの実験を行った。
第一グループ)
魔法で岩を長く浮かせ続けたものに、報酬を与える。
第二グループ)
魔法で意思を操った妖精に、ひたすら岩を浮かせ続ける。
結果、第一グループは、個々の魔力と
ほぼ比例した時間、岩を浮かせ続けたものの
個々の岩を浮かせ続けた時間には、若干の差異が生じた。
この結果は、魔力だけではなく、個体の意思の力(精神)が
魔法の効力にも紐付いていることを示している。
第二グループは、完全に個々の魔力の大きさに
比例した時間だけ、岩を浮かせ続けた。
このグループの妖精は最終的に消滅した。
そして、第一グループと比較すると長い時間、岩を浮かせ続けた。
この結果から、意思の力を一定にした場合
魔法の力は、魔力によって定まること。
そして、ふだん妖精たちは、意思の力によって
魔法の使用が無意識下でも抑制されていることがわかった。
意思のリミッターを解除した妖精は
自分が消滅するまで魔法を使い続けたのだ。