父との面会
所用で忙しく、投稿が遅れてしまいました。頑張って定期的な投稿を目指します。応援よろしくお願いします!
ふと、コップの割れる音がして俺はそこに人がいることに気が付いた。
メイド服を着ているから、この家に仕えているんだろう。
それにしても―可愛い。可愛すぎる。
目覚めた途端に清楚な黒髪のメイドさんが待ち受けているとは…
「ライア様…?」
なるほど。この世界での俺の名前はライアというのか。
前の世界での名前は捨てて、早く慣れないとな。
「クロイエル様、ライア様が目を覚まされました!」
…なんなんだ、このメイドさん。
飛び跳ねていったけど、印象としては少し危なっかしい。
そもそも、あれって人に仕える身で大丈夫なのか?
まあ、そこは置いておいて、だ。
かなり豪華な家のようだ。
転生、と言っても死にかけていたこの“ライア”という青年に乗り移ったようだな。
俺は体を起こし、足を滑らせてベットに腰掛けた。
さっきから視界がおかしい。
目を凝らすとサーモグラフィーみたいに人影が見える。
これが「魔眼」か。随分と便利な代物だ。
まあ、俺の勘違いかもしれんが。
「気がついたか、ライア」
そう言ったのは、おそらくクロイエルという男だろう。
「ええと、僕、まだ目覚めたばかりで記憶がおかしいんですけど、ここはどこですか?」
「無理もない。お前はあの事故にあって生きているのだからな。」と言って説明してくれた。
もちろん、俺には何の記憶もないのだが。
この言いようからして、かなり大きい事故だったのだろう。
ここは魔人領アルツェロン国の首都、ニルモスというらしい。
そしてクロイエルさんは俺の父親。で、この国の軍司令官だった。
そして王族と繋がりのあるフェルゼド家の長。
…とんでもないところに生まれたな、俺。
「あの…このまま寝ていてもやることがないので、本を読んでいても構いませんか?」
「構わない。むしろ動くな、と医者からは言われている。 ―おい、アイエル」
そういって出てきたのはさっきのメイドさんだ。
「こいつに本を持ってきてやれ。魔法書でいい」
「承知致しました」
そう言ってアイエルさんは出ていってしまった。
「では、私は公務があるので失礼する。身の回りのことはアイエルがするそうだ。時間があったらまたこよう。またな、ライア」
そういってクロイエルさん―父さんは魔法陣を起動して帰っていった。
しかし、これは。今構築していた魔法陣が既に理解できるのは何故だろうか?
魔法なんて知らないし…まさか、この体の持ち主の記憶?
よくわからないが。―この異世界ライフ、意外と快適な予感がする。