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年越し

作者: 武田道子

年越し



来て見ると何のことはない

昨日の延長が今日をささえ

細い糸で明日と結びついている

ただその糸がいつ切れるかが分からない

切れなかったその糸が

いつ断たれるかは

未来は答えてはくれない



朝が昨日と繋がっていなければ

夜が明日と繋がっていなければ



断つことのできない糸に絡まって生きている

目に見えない未来のために

涙を流しながら笑い

笑いながら指の先で涙を拭う




足下から崩れ落ちて消えて行く瞬間

大好きなカレーをスプーンに山盛り頬張った時のように

ツーンと辛くて涙目になり

舌触りや香りのような潜在的感覚が

一冊の歴史書になり

自叙伝に記録される

ささやかな存在感



人の一生が死んだ時から始まるなんて

悲しいから

見てみないふりをする

お伽話のような魔法を、傾けたシャンペンの泡に見て

夜中の12時を待つ



かっきり12時

目の前のあなたの前に

私は立ちはだかる

崩れて行く昨日の後ろ姿を視界の隅に

初めまして、宜しく!


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