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リーチの差

「ミストそろそろ起きて!」


先ほどと同じようにミストを起こす。


「ん?なんだよ…」

 いやこいつ機嫌悪いな。

さっきもこんな態度取られた。


「今度こそ僕らの番だよ。準備しなきゃ」

「そうか。わかった」


そう言うと目を開け、椅子から立ち動こうとしてくれている。


「じゃあ行こうか」

セレナの掛け声と共に移動を始める。


 なにせ僕らがいるのは観客席だからね。

と言っても予選?と言うか決勝以外は練習場に設営された臨時の会場でやる。


 決勝は校内にある屋内の施設でやるらしい。

ただそこでAとBブロック全てやるのは無理だから決勝だけと言うことらしいね。

屋内の施設があるだけ十分すごい学園な気もするけど。想像つかないし。


.

.

.


対戦相手は…

うん、わからないね。いやわかるんだよ。

誰か知らないねって話だね。


僕らからは一戦目はセレナ。

元からそう言う話だしね。

変える必要もない。


相手は竜人。

なんかわかんないけど、アルネ以外は竜人族が多い気がする。なぜだろう。

後でセレナに聞こう。


「セレナ頑張ってね!」

「うん、ありがと!頑張ってくるよ」


そう言って前に出る。

相手は槍。やはり多いらしい。

拳で戦うセレナにとってはリーチでは圧倒的に不利。

どうやって戦うんだろう。参考にしたい。


「よろしくね!」

「よろしく」


セレナは誰に対しても元気だな。

僕とミストじゃあり得ない。


「では第5試合一戦目スタート!」


 槍使いの子から攻めてくるようだ。

前に走ってきてセレナに向けて何度も突く。

まあセレナにそれが効くとは思えないけど。


まあその通りにセレナは避けるか拳で弾いて対処する。当たる気配はない。


数回繰り返した後、通用しないことを理解したのか槍使いは距離を取る。


「炎よ!」

その掛け声と共に火球が三つ生まれる。

その火球は時差をつけてセレナに飛んでくる。


一つ、二つと避けるセレナ。

しかし避けた時に地面に火球が当たり、砂埃が舞う。

三つ目が当たったか、避けたかわからない。

それがチャンスとばかりに槍使いは攻めてくる。


「セヤァァア!」

うん、そんな叫ぶ?バレバレだよ。

いやまあ足音でもわかるし大差ないかもだけどさ。


「水竜!」

砂埃の中から2体の水の竜が飛んできた。


槍使いはこの数分の戦いで拳使いのセレナに遠距離技がないと思っていたのだろう。

しかしそんなことはなく、チャンスとばかり攻めた槍使いは避ける体制にない。


一つは槍で打ち壊した。

うん、つまりからエンチャントをどこかのタイミングでしていたってことだね。魔法を物理で壊すことはできないし。ある程度はやるみたい。


しかし中々に速い水竜をあの距離で2体捌くことは困難だったらしい。槍使いは被弾した。


「蒼海ッ」

チャンスとばかりに水竜に乗り、猛スピードで迫ってくるセレナ。


 しかし先程の魔法に被弾している槍使いは対応できる気配はない。

 何せさっきの水流よりも速いのだから。

セレナは基本的に自分が乗っている時以外はそこまで速くしていない。拳で戦うセレナは零距離で水竜を使うことが多いからだ。


 しかし今回は相手の遠距離攻撃と槍使いってこともあって飛び道具として使ったんだろう。


水竜に乗ったセレナのスピードと拳をエンチャントして繰り出されるパンチは見事槍使いに命中。


うん倒れたところを見るにノックアウトだねあれ。


「勝者セレナ!」


流石はセレナ。


.

.

.


「やったねセレナ!」

「うん!ちゃんと勝てたよ。この調子なら今後も大丈夫そうかな!練習の成果もやりたい動きもある程度できてるし!」

「うんうん、ならよかったよ!」


あー、そんなことより次僕だよ。どうしよう。


「おい、レオン。スポーツマンシップとかそう言うの気にするな。全力を出せ。最初から全力の雷速で一撃で決めろ。相手の実力を見るに可能だ。

それにお前のあの技は初見だろうしな。必ず決まる。今日この後試合はないし最大出力で飛ばせ」


え?なんで…いやまあ確実に勝つにはそれが良いと思うけど…


「俺らの目標には圧倒的強さが必要だ」

ああ、そうか。

「うん、わかったよ。そうする」


はあぁ、僕の印象悪くなりそうだな。


「では二戦目の方前へどうぞ」


うん、僕の番だ。

やるしかない。

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