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優しさ

どう運ぶかをずっと考えていた。

いやどの部位を持ち帰るとかわからない以上全部持ち帰るのが正しいよね。


「どうするか...」


そう考えこんでいると左手の甲にある紋章が呼ぶように光る。


「あ、ニドヘグルに頼めばいいのか。そういうことだよね?」


幸い森の中だけれど、空が見えるほどには開けている。

これくらいなら飛べそうだね。

頼むとするか。


「来てニドヘグル」

そう言うといつものように現れてくれた。


「この蛇運んでくれる?」


ニドヘグルはわかったと言わんばかりに、こちらを向いてうなずいてくれたように見えた。


ニドヘグルは飛んで両足で一つずつ持ってくれた。

そりゃ飛竜で腕がないんだから足でつかむしかない。

でもあれか。これ飛んでいるって言うか浮いているような状態だし、飛び乗れってことだよね?

ちょっと怖いな。いやそうするしかないんだけどね。


「よっと...」


身体強化をしてジャンプで飛び乗った。

うん、無事に乗れたね。

それにしても思ったよりも簡単と言うか手ごたえがなかった。

まあ様子見をかねてこのレベルの相手を選んでくれたんだろうけどね。

.

.

.

さっきの降りて二手に分かれたところについた。


「ミストはまだついてないのか」


どうやら僕の方が先に終わったらしい。

それかミストの運ぶ手段の問題?

でも流石に一匹丸々持って帰るわけないよね。


まあすることないし、だらだらしてるか。


うん、改めて見てもニドヘグルかっこいいな。

そう言えばまだ仮契約だったな。

正直絆的なものを感じる場面は今のところないんだけどね。

学院だと使う場面もないしね。

これからこういう風に一緒にいる場面を増やしたいな。


「ニドヘグル、君は僕のことどう思っているの?」


実際ニドヘグルは言葉を話せないし何を思っているのかわからない。

仮契約で僕に力を貸してくれている。

確かに僕は雷と竜の王の恩恵を受けている。

雷属性の竜精霊であるニドヘグルからしたら、それだけで力を貸す理由になるのかも知れないけどね。

まあ真相はわからない。意思を僕がわかればいいんだけどね。

それはできない。何せ話せないんだからね。

どうにか方法はないのかな。

それこそ長年の絆的なものなのかな。


まあひとまず...

「これからもよろしくねニドヘグル」

うん、うなずいてくれたし、僕の意思は伝わっているようだ。


「なに独り言いってるんだよ」

「あ、ミスト。おかえり」


わお、ミストに聞かれてたのね。少し恥ずかしいよ。


「ねえミスト、僕死体を丸ごと持ってきちゃったんだけど、どうすればよかった?」

「ああ、いってなかったな。悪い。牙と適当に鱗何枚かとできれば骨だな。

まあで今回は牙と鱗だけでいいだろう。火の魔法で結構しっかり焼かないと骨だけ取り出すのは難しいからな。だから今回はいい」

「そっか。わかった」


僕の魔法で燃やせないことはないけど、骨を取り出せるほどまで燃やせるわけではないしね。

いややってみてないからわからないけどさ。


「あのーミスト?牙と鱗とってもらってもいい?」

「あ?なんで俺が...」

と言って僕の方を見てきた。

多分顔色が悪かったんだろうね。


無言で作業を始めてくれたよ。

うん、何度も言うけど、なんだかんだ良いやつだね。

.

.

.

「ありがとミスト」

「いや別に。殺すのは初めてか?」


流石ツンデレ受け答えも予想通り。

「うん。初めてだったよ」

「そうか。まあなら仕方ない。慣れろって言うのも難しい話だ。

慣れない人間もいるしそれが悪いとも言わない。それはそれで...って感じだ」

.

.

.

「よし終わった。もし慣れてきたりして出来そうだなって思ったら言え。教えてやる。」

「うん、わかった。ありがとう」

「じゃあ帰るか。乗せろよ」

「うん」

.

.

.

その日のミストは少し優しい気がした。

昨日はすみません。

あ、まって今日も間に合ってないやん。

ほんとすみません。

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