201.空が薄暗いようです
あれからしばらく経って僕とサブ君はBランクの試験を受けれる段階になった頃、僕のツノの成長痛は治り、ツノはフードの耳にピッタリ収まる形に生えていた。
僕達は竹林でまたジャンクパンダ狩りとタケノコ狩りをしながら雑談していた。
「後からまお君のフードを突き破る様な生え方したら日常生活に支障がありそうとか思ったんだけど…」
「猫ちゃんのこのフード付いた服って小さい頃から着てたんでしょ?
意外と親もこのツノが生える種族で生えること予想してたんじゃない?」
「まおのフードって変わった形だと思っていたけどツノを隠す様に作られてたのね…?」
『なんでフードをずっと被っているまおが何故今まで誰にもバレなかったんだ…?』
顔が眼鏡型の魔導具で全然違うし、ポポって名前の方でこのフードが有名になってきたからかな…?
__パラパラパラ……
「あら?何か降ってきましたわね?」
「なんでしょうか…?何か石のようなものですが…?」
落ちてきたものを見ると何か黄色い塊のようなもので、魔石の欠片(?)のような感じだった。
「魔石かな?これ…?」
そう言ってそれをサブ君が拾い上げようとすると、サブ君の手がその石に触れるか触れないか辺りで吸い込まれるように消えた。
「えっ⁈ちょっと大丈夫なの⁈なんか吸い込まれていきましたけど⁈」
『なにがどうなって吸い込まれたんだ⁈』
「ハッ…‼︎まお君!もしかしてこれが魔石を吸収するってやつなの⁈」
アル君が気付いた通りこれが魔石を吸収するって事なのを話したが、落ちてきた魔石は粉々で元の大きさもそんなに大きくなさそうなので、吸い込まれたのは僕も驚いた。
『なぁ…それよりもなんだが……
なんで上から魔石が落ちてきたんだ…?』
「そういえば…なんでだろう…?」
僕達は上を見上げたが、いつのまにか結構遅くなってきたのか、少し薄暗くなっている空が竹の葉の隙間から見えるだけだった。
「あれ?なんか暗いね?最近空が薄暗い事多いけど…?」
「雲は特にないし晴天なのになんでかしら…?」
『そうか?こんなもんだと思うが…?』
レイさんは分からなかったみたいだけど、気づく人は気づくぐらいに空が暗くなっていた。
これってギルドに報告した方がいいのか分からないけど、一応今日の依頼の報告ついでに一緒に報告することにしたのだった。
「__ってこのなんですが…」
「そうでしょうか…?全然気づきませんでしたが…?一応過去にそういう事例が無かったか調べて見ますね」
アル君が空が薄暗いことを一応説明すると、受付をしていたお兄さんは気づかなかったみたいだが、一応ギルドの方で調べてみるらしい。
僕達は報告をした後にみたらし団子を食べに行き、サブ君の魔力をある程度回復させた後に今回の魔石の吸収でどれくらい空腹が無くなったのか試すのだった。
「魔石を吸収すると少し空腹になりにくくなるのよね…?」
「空腹になる頻度は減っても満腹の上限はそもそもあるのかも分からないからね〜…」
僕は欠伸をしながらサブ君の食欲を見るのだった。
▶︎元にゃんこはその後《昼寝》をした。




