君は誰
気がつくと僕は病院のベッドの上にいた。
なぜ、ここにいるのかを思い出せない。そして、僕の手を握り寝ている女の子のことも、
僕は聞いてみた
「あなたは、誰ですか。」
彼女は目を覚まし、嬉しそうに言った
「〇〇君、目覚めたんだね。たくっ、心配したんだから。」
僕はもう一度、強く聞いた
「あなたは、誰ですか。」
彼女は驚いたように言った
「記憶喪失? またまた、冗談だよね。〇〇君はいつも、そうやって私を笑わせようとするんだから。まぁ、いいよ。付き合ってあげる。私はね……」
それからのことは、よく覚えていない。彼女が僕の元カノだと宣言されると、胸が痛くなり、病室を飛び出してきたんだった。
しばらくして、病室に戻ると彼女はおらず、家族がいた。病室を抜け出したことを叱られたが、それと同時に「自分や家族のことは覚えているのだから記憶喪失なわけない…」と思った。彼女は一体、誰なのだろう。
幸い怪我は軽かったので、数日で高校に復帰することができた。どうやら同じクラスに彼女はいないようだ。昼休みになり弁当を食べ始めると教室のドアが開いた。彼女だった。黙々と弁当を食べる僕の隣に座り、彼女は語り始めた。
「この間はごめんね……
続く






