友達より‘チョット’うえ2
第2話『決心と本心』
わたしはお母さんと、妹の実夏と病院に行った。
「お姉ちゃん。ダイジョウブ??どこも痛くない?」
「大丈夫だよ!実夏♪もう元気すぎて困るくらい♪」
実夏はまだ小学1年生だ。ほんとに素直で可愛い☆なんて優しい妹なんだ!!
でも、わたしだって姉だ。妹に心配させるわけにはいかない。
「それじゃ〜行ってくるね。すぐ終わるから、静かに待ってるんだよ。」
「うん♪お姉ちゃん頑張って!!」
そう言ってわたしは検診しに治療室へ入った。
「それじゃ〜始めます。」
なんてことない。いつものことだ。もう慣れた…
「いやっっ!やっぱ慣れない!!痛い!!」
「あと少しだから我慢して!頑張れ!!」
わたしはこの日が大嫌いだ!苦しくて、辛くて、死にそうだ…
「はい。終わり。落ち着くまで、そこに座って待っててね。」
やっと終わった。。。
「お姉ちゃん!終わった?」
実夏が入ってきた。
「うん。終わったよ♪」「お姉ちゃん、だっこして!」「ほら、おいで。」
いつも、こうだ。検査が終わると実夏は必ずだっこしてと言うようになった。いつからだろう…
「検査の結果が出ましたよ。こちらへどうぞ。」
「あっはい!」
実夏には待ってもらい、お母さんとわたしは検査結果をききに向かった。
「検査結果ですが、だいぶ悪化してますね。はっきり言いますと非常に大変な状態です。
発作の回数が増えるかもしれません。そのときはすぐ薬を飲んで下さい。手術をして成功すれば、今まで通りふつうに暮らせますが、手術の成功率は…4%しかないんです。すぐに決めなくてもいいです。今後のことはゆっくり考えていきましょう。」
あまりにも悪い状態だと聞いたお母さんは泣いていた。
わたしは泣かなかった。泣けなかった。
信じ切ることが出来なかったんだ―――
家に着いた。わたしはこのときから、もう決めていた。
友達も好きな人も、なにもかももう関わらないって。。。
自分にはもう生きていく希望なんてない。
もうすぐわたしは、みんなの前から居なくなるんだ。
そう決心したとたん電話が鳴った。
「千夏―!陸くんから電話よー。」
(陸?!うそ。電話なんて何年ぶり?すごく嬉しい!)
「もしもし。千夏です。陸、どうしたの?」
「おぉー千夏。今から会えない??」
「えっ!ごめん・・・ちょっと無理だ…」
「まじで!んじゃ、今言うわ〜」
「何??」わたしはさっき決心したことを思い出した。
「おれ、ずっと前から千夏のことが好きだったんだ。オレと付き合って下さい。」
「えっ!それほんと?」
びっくりした。いきなり陸からそんなこといってくるなんて。。。
すごく嬉しい!!でも…
「ごめん。わたしはダメだよ!」
「は?なんでだよ。」
「理由をあんたに言うほど、優しくないよわたしは。あと、もうわたしに関わらないで。」
「なんだよそれ!意味わかんねぇよ!!」
「べつに分かんなくてもいい。それじゃ。」
ガチャッッ。
でんわを切った。わたしから・・・
本当はこんなこと言いたくなかった。でも、もう1人で生きていくって決めたから。
わたしはわたしのやり方でみんなを最後まで守るから―――