表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界からの闖入者  作者: マッチポンプ
第二話 カイトとニイトと就職活動と
7/359

カイトとニイトと就職活動とⅤ

 二日後、今度は警備隊の詰め所へと訪れた。


「えーカイト君だったか」


「はいっ! 池尻海人、十六歳です! 全力全開で頑張らせていただきます!」


 中年の窓際管理職を思わせる、ちょび髭、困り顔の警備隊の隊長は窘めるように咳払いをする。


「兵士での都合は聞いている。とりあえず、こっちの警備隊では普通の話し方でいい」


「えっ? じゃあそうするよ」


 呆れたような顔をした後、「まあそれでいいでしょう。では仕事の説明です」と、何かに不満こそありそうだが、すぐに話を進めてくれた。


「城下町で困っている人を助けるんだよね」


「姫様はそう思っているらしいが、実際は見回りだ。とりあえず暴力事件や犯罪が確認されたら通達、それ以外は基本的に見逃しておけばいい」


 物の見事に、元の世界の警察と同じらしい。


「困っている人のお手伝いとかもしていいんですよね?」


「ン……まぁ構わないが、入隊すぐに病欠などはやめて欲しい。私からはそれだけだ」


 小中高で皆勤賞を取ってきた俺からするに、そんな心配など全くなかった。


 万が一、この世界の病気に掛かったとしても、シアン似頼めばすぐに治してくれるだろう。


 なにせ、切り落とされた指を戻してくれるくらいだ。きっとすごい魔法を持っているに違いない。


 さっそく見回りに出たところ、困っている人はあふれかえっていた。城の内部であればメイドさんくらいのものだったが、あれでも城に仕えるカースト上位の人という事か。


 宿屋を見つけられずにいた人の案内、怪我した少女の応急処置、遅延していた荷物運搬――国関係ではなく民間人の荷物――手伝いなどなど、非常に有意義な一日だった。


 今度は指定の時間に詰め所へと戻り、就業の挨拶を行う事になる。


「では、本日の報告を」隊長は言う。


 順番に「特になし」という報告が行われていき、俺の出番が来た。


「本日は城下町内での道案内、子供の応急処置、荷物運搬手伝いなどを行いました」


 他の隊員達の反応はないが、隊長は冷めた様子で拍手する。


「ご苦労だった。では、追って報告書を提出するように」


「う、うん」


 そこで終わりと思ったが、追加業務としてミーティングのような事が二時間程行われた。今日こそは体力が残っていたからこそ、支障は出なかったが、これが続くとなると危ないかもしれない。


 そんな俺の予測は誰の目を見ても明らかであり、まったく同じ調子で四日続けた時点で、影響が表れ始めた。


「カイト、会議中に眠るでない」


 隊長直々に名指しで言われ、俺は目を覚ます。どうやら十分程度眠っていたようだ。


「厳重注意だ。後二回続くような事になれば減給だ」


「き、気を付けるよ」


 とはいったものの、癖を容易に止める事ができるはずもなく、毎日毎日人助けを行っては報告書を書いている。そして、夜の会議では気付かれないように短い時間だけ眠っていた。


 就業から一月が経った時点で、当初隊長が言っていたように、俺は病床に伏した


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ