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異世界からの闖入者  作者: マッチポンプ
第六話 神器の力
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神器の力Ⅰ

 馬車に揺られ、俺は黙り込む。


「カイトさん、絶対にいつか戻れますよ」


「……なんでニオが居るのかな」


「だって私、カイトさん付きのメイドですし」


 この様子を見るに、ミネアが呼び寄せたのだろう。正真正銘シアンと二人きりになる為に。


「それはそうとカイトさん、火の国に入っていいんですかね」


 ニオが指さす方を見ると、一線を境に茶色の地面がベージュの砂に変わっていた。


「そういえば、この砂漠は上位の冒険者しか入っちゃ駄目だったね」


 馬車の速度が早いから問題がない、などという可能性を考慮したが、この悪路では鈍足になってしまうだろう。


 馬が砂漠へと足を踏み入れた途端、急激に加速を開始した。


 急激な速度上昇により、俺は馬車内の背もたれに押しつけられ、妙な圧迫感を覚える。


 気づくと、俺と同じく衝撃で吹っ飛ばされたニオが俺にぶつかっていた。ついでに、その大きな胸も当たっている。


「うーん、でかい」


 不意に呟いてしまうと、ニオは何も言わずに自分の座席へと戻った。


 速度が早いままで安定してくると、再び馬車内に安寧が訪れる。


 俺はといえば、若干気まずい。


「申し訳ありません!」


「いや、構わないよ」


「だって! ……カイトさんはちっちゃい女の子が好きなのに、こんなにみっともない胸を当ててしまい……」


 引っかかる単語に気づいた俺は、ニオの傍に駆け寄った。


「ちょっと待って! 俺そんな事言ってないよ!」


「私、見たんです! カイトさんがシアン様の名前入りクッキーを持っていたところ! 私だけと思ったらシアン様にまで……」


 弁明しようともしたが、俺は黙り込む。


「言ってくださいよ! 私とは遊びだったって! ……あっ」


「俺はロリコンなんかじゃないよ。どっちかというと、ニオのような胸の大きい女の子が好みなんだ」


 言いながら、俺はニオの胸を揉んだ。


「カイトさん……良かった、本当に良かったです」


「ああ、俺も良かったよ」


 互いに誤解が解け、感動した俺とニオは抱きしめ合った。


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